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参加者1.4万人!ただ「広める」だけではない。親和性と楽しさを両立する、ミノン アミノモイストTwitterキャンペーンの裏側

SNS時代のプロモーション企画集団『餅屋』では、インフルエンサーと共に企業の課題解決に向けたお取り組みを実施しています。今回は、その中の一つであるTwitterキャンペーンのお取り組みをお届け。今年7月に実施した、第一三共ヘルスケア株式会社さんとの共創事例です。


第一三共ヘルスケア株式会社さんの敏感肌向けフェイスケアシリーズである「ミノン アミノモイスト」では、肌悩みに合わせた化粧水・乳液を始め、多くのシリーズ品を展開しています。その中で、今回着目したのは“シートマスク”。

コロナ禍ということもあり、マスクあれに代表されるような新たな肌トラブルを耳にする機会が増えた今、さまざまな悩みに寄り添うラインアップを誇る「ミノン アミノモイスト」のシートマスクを多くの生活者に知ってもらうための施策として、Twitterキャンペーン企画が立ち上がりました。

そこで今回は、当時のお取り組みを、ディレクターの大鷲、第一三共ヘルスケア株式会社のご担当である吉川様と共に振り返ります。

(左)大鷲 伶奈 テテマーチ株式会社
SNSマーケティング事業部 boiteチーム
1995年生まれ。前職では美容メディアにてSNS運用/記事作成に従事した後、2019年にテテマーチ株式会社にジョイン。現在は、Twitterキャンペーンのディレクションと、Twitterキャンペーンツール「boite」のマーケティングを担当。
(右)吉川さち子 第一三共ヘルスケア株式会社
マーケティング部 広告宣伝グループ
広告会社でメディアバイイング、プランナーを経て、2019年5月入社。「ミノン」ブランドのプロモーション全体を担当。


「ミノン アミノモイスト」の持つイメージをアップデートしたい

乾燥肌ライン_1

── 今日はよろしくお願いします。まず、今回のお取り組みを実施することになった背景から教えていただけますか?
吉川
:こちらこそよろしくお願いいたします。きっかけは「ミノン アミノモイスト」の製品コンセプトについて、より深くまで知っていただきたいという私たちの想いでした。「ミノン アミノモイスト」は、低刺激性洗浄料を原点として生まれたボディケアの「ミノン」の考えを貫き、2009年に誕生したフェイスケアシリーズです。多くの方に愛されるブランドとして成長しており、2020年からはTVCMでのプロモーションにも着手しております。

順調に認知が拡大しておりますが、一方で、同時に生まれた課題がありました。「シリーズごとの違いまでをお届けすることが難しい」ことです。ミノンには、ボディケア・フェイスケアのシリーズがあり、フェイスケアシリーズの「ミノン アミノモイスト」は一人ひとりの敏感肌悩みにフィットする対応策を目指して、乾燥肌や、混合肌、エイジングケアなどのラインアップを拡大してきました。
※エイジングケア:年齢に応じたお手入れ


また、低刺激性処方を守りながら、美しさの追求も目指しているシリーズですが、「+美しさ」のところが、その特長をしっかりとお伝えすることが難しく、認知が拡大するにつれてシリーズのイメージが「敏感肌の〜」「あのピンクの〜」などのように固定化してしまっているように感じられたのです。

── たしかに、「ミノン アミノモイスト」というと、肌へのやさしさを考えている、保湿力に優れているブランドイメージを抱いている方が多いかもしれませんね。

吉川:もちろん多くの方に知っていただけていることはとてもありがたいことです。その上で、より深くまでシリーズのコンセプトや製品をご理解いただけるような取り組みを、と考えていた際に、アイデアの一つとして生まれたのがTwitterを活用するというものでした。

なぜなら、拡散力があり、多くの方に情報を届けることができるSNSですし、使い方次第でユーザーの皆さまにも能動的にご参加いただける取り組みを生み出せるだろうと考えたからです。広告ではなくキャンペーンという形で打ち出すことで、「ミノン アミノモイスト」を理解してもらえるコンテンツを作れるのではないだろうかと思いました。

── 時代の潮流に合わせてSNSを選択するアイデア、とても素敵です。今回の施策で、化粧水や乳液ではなくシートマスクを選んだのも、コロナ禍という背景を加味した結果ですか?

吉川:もちろん、それもありますが加えてもう一つ。「ミノン アミノモイスト」には、敏感肌の中でも人それぞれ異なる肌タイプや悩みに応えるべく、乾燥肌、混合肌、エイジングケアの3ラインを展開しているのですが、2020年2月に混合肌ラインから「すべすべしっとり肌マスク」を追加し、全ラインからシートマスクが発売されたことになりました。

マスク4品_2

全てのラインにシートマスクが揃ったことで、一人ひとりの悩みに合わせて選択肢が増えたことを紹介できたらと思い、なにか良いアイデアはないだろうかと餅屋の皆さまにご相談させていただきました。

時代の流れとユーザーの共感性を意識した施策を立案

Inked1014_ミノンインタビュー_09_LI

── ここからは大鷲さんにもお話を伺います。吉川さんのお話をまとめると、すでに紹介したい製品も、活用したいプラットフォームも比較的イメージを固めて餅屋へご相談いたただいたということになりますね。どういったご相談からお取り組みがスタートしたのか教えてください

大鷲:大きな枠組みは吉川さんを始め、第一三共ヘルスケアのみなさんで検討いただいていました。ただ、具体的な見せ方や切り口が決まっていなかったので、そういった企画や実際の制作などを餅屋として担当させていただきました。

今回は、シートマスクの多様なラインアップを多くの方に知っていただきたい、それをTwitterキャンペーンで叶えていきたいというご相談内容でした。コロナ禍であることやキャンペーン実施タイミングであった夏という季節と掛け合わせて「マスクあれ」というキーワードから企画をご提案させていただきました。

また、3つのラインでシートマスクが4種あり、それぞれの特長をどうしたらわかりやすく理解してもらえるのか、かつ、キャンペーンそのものも楽しんでもらえるのかを思案しました。


── 「楽しんでもらう」という視点をキャンペーン設計の上で意識したのはなぜでしょう。楽しむことが理解を深めることにもつながるのでしょうか?

大鷲:Twitterキャンペーンはユーザーに参加してもらうことで広がり、盛り上がっていくコンテンツです。ブランドのメッセージを伝えることはもちろん重要ですが、その一点だけに焦点を絞ってしまうと独りよがりなコンテンツを生んでしまうかもしれない。

そう考えて、ブランドとユーザーが互いに寄り添えるコンテンツ設計を検討しました。具体的には、先ほども触れたように「マスク生活のお悩み」をテーマに据えました。マスク生活が続いていることで肌トラブルに悩むユーザーが多いですし、夏は特に肌の負担を感じる季節なのではと考えたからです。

誰しもがこの時期に感じるであろうお悩みを軸にキャンペーン内容を検討することで、ユーザーが能動的に参加し、共感できるキャンペーンが生まれ、ブランドメッセージや製品への理解をより一層深いものにしたかったんです。

── そうして今回は、ユーザーの肌悩みに寄り添ったキャンペーンコンテンツが生まれたのですね。自分自身の悩みに当てはめて参加できることで、エンゲージメントもすごく高くなりそうだなと思いました。

大鷲:今回実施したもの以外にもいくつか別案を出していましたが、どれもユーザーの身近にある肌悩みや肌トラブルなどから想起しています。日頃から何気なく悩んだり困ったりしている話題を具体的に明示することで、自分ごととして捉えてもらえるコンテンツになる。すると、キャンペーンに参加するモチベーションも高まり、「ミノン アミノモイスト」の製品を理解してもらえるのではないかなと考えました。

吉川:製品パッケージや特長を押し付けるものは敬遠してしまうことも多いと思います。だからこそ、悩みに焦点を当てることでユーザーの皆さまの目にも留まりやすく、参加ハードルも下がったのかもしれませんね。

── また、今回はイラストレーターさんを起用したクリエイティブを制作していますよね。「ミノン アミノモイスト」の柔らかい雰囲気にすごくマッチしたイラストだなと感じたのですが、どういった理由でイラストを用いることになったのでしょうか?

吉川:今回のキャンペーンを実行する上で、柔らかいブランドイメージを上手に表せるように、写真ではなくイラストで表現したクリエイティブにしないかと提案してくださいました。そのアイデアがすごく良いなと思い採用させていただきました。

大鷲:「ミノン アミノモイスト」のイメージを考える中では、とても繊細で、だけれどこだわりがしっかりとあるような印象を受けていました。そのイメージをクリエイティブに落とし込みたいと思い、イラストレーターのヤベミユキさんにご依頼しました。

ちなみに、私たちがヤベミユキさんとご一緒することを提案したら、たまたま以前にも「ミノン アミノモイスト」とお仕事をしたことがあるとのことで。すでにブランドの基礎知識があるからこそ、伝えたいメッセージをしっかりと掴んでクリエイティブに落とし込んでくださいました。

キャンペーンを経て生まれた接点を元に、さらなる関係構築へ

Inked1014_ミノンインタビュー_06_LI

── 今回のキャンペーンはエンゲージメントも高く、とても反響が大きかったと伺っています。実際にキャンペーンを行ってみての結果や、お二人の感想などはいかがでしたか?

吉川:まず、すごく嬉しかったのが、キャンペーンに取り入れていた複数のハッシュタグがTwitterのトレンド入りを果たしたこと。多くの方の目に触れ、ご参加いただけたことが本当に喜ばしいなと思いました。

また、アカウントのフォロワー数に関しても、開始前の1.4万人から1万人ほど増えている上、離脱がとても少なかったのが印象的でした。キャンペーンは内容によって、一時的にフォロワーが増えるだけというケースも珍しくありません。その中で、しっかりと定着してくれるフォロワーとつながれたことは、キャンペーンの成功を意味しているのかなと感じています。

ちなみに、社内でもキャンペーンに対して好意的な声が多かったですし、トレンド入りを受けて周囲からメッセージをもらうこともあり、副次的な効果も得られました。

大鷲:後々の分析結果で、メイク・コスメ・美容などに関心の高いユーザーの方がフォローしてくれたという結果も得られましたよね。実際に届けたいと思っているターゲットに届くキャンペーンを実施できたのがとても誇らしいです。

── すごくポジティブな結果が生まれるお取り組みだったのですね。今回の施策は餅屋にお声がけいただいて生まれたものでしたが、餅屋とのお取り組みは吉川さんにとって有意義なものでしたか?

吉川:お願いできて本当によかったと思っています。今回、いくつかの企業様に課題感をお話しして、ご一緒する企業様を決めるという流れを取りました。その中で、大鷲さん始め、餅屋の皆さまは、「ミノン アミノモイスト」のユーザーとなりそうな社員の方々にヒアリングを行いながら企画を作ってくださいました。

SNSのプロフェッショナルであることは承知していましたが、その上で、生の声を活かした熱のあるアイデアをたくさん提案してくださったんです。

また、イラストレーターさんとのやりとりも複数回に渡って行っていましたが、私たちだけでなく、クリエイターの方やユーザーの方の視点にも立ちながら並走してくださって、とても心強かったです。

大鷲:お褒めの言葉ありがとうございます、とても励みになります。今回は、吉川さんたちと同じ方向を向きながらひたむきに走ることができたお取り組みでした。細かなところまで話し合いながら進められたので、たくさんの対話を重ねてくださった吉川さんへの感謝の気持ちでいっぱいです。こちらこそありがとうございます!

── お互いの強みを引き出すコミュニケーションを意識したことで、より良いお取り組みができたのかもしれませんね。今回はTwitterキャンペーンの実施でしたが、今後行っていきたいさらなるお取り組みなどはありますか?

吉川:今回の取り組みを通して、SNSで生活者の方とつながることができる面白さ、大切さを改めて強く実感しました。ですから、今回で接点を持つことができた方々との縁を切ることなく、より良い関係が築けるような取り組みを続けていきたいです。

大鷲:今回は身近なお悩みを元にキャンペーンを設計しましたが、今後はユーザーと一緒に新しい製品を生み出すような企画も考えられると楽しいかもしれませんね。コミュニケーションを取れたり、消費者の方も参加できることこそSNSの魅力なので。もしまた機会があれば、新しいお取り組みでもご一緒できたら嬉しいです!

文:詩乃



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