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【企画参加】 令和版百人一首 恋の巻 〜 春の部③   


みなさま、お楽しみいただけているでしょうか。
令和版百人一首恋の巻


姐さんは楽しんでオトナの恋バナ書いております。
さて、お次はどんな?






花烏賊を 肴に舐める 春の汗
背に残されし 吟醸酒

三日月 巴



🍶 🍶 🍶 🍶 🍶




 文香の特筆すべき色気はこのうなじから背中へかけてであった。特に着物を脱がせて横たえた時の緩やかな曲線に、徳次の無骨な指がぴったりと付いて離れなくなるような肌の感覚は三日に挙げず会いたくなる理由の一つでもあった。仕事中に材木置場で角材を調べていると、知らず知らずのうちにその白い木肌に文香の背の隆起を重ねているのであった。
 徳次の家は江戸から続く材木商で、この豪商は安政の大地震後の復興建設ラッシュで財を成した。代々を継ぐのに相応しい真面目だが内気な男であった。売上を週に二度虎ノ門の銀行へ届けた帰りに寄る料理屋で文香に出会い心寄せるようになった。
 今朝も銀行に用があると言いながら築地へ寄り東京湾で捕れた季節物の花烏賊を手に入れて、秋田の「春霞」をちびちび舐めながら山を眺める気分で文香の背中を堪能する。激しく愛した後のその背にはらりと春の汗。冷たい吟醸酒を口に含んだままそれをぺろりと舐めてみた。



🍶 🍶 🍶 🍶 🍶




フレッシュな春酒にとろけるような花烏賊の刺し身。イキたいですね〜。




あはん♥




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