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パリ・シャンゼリゼ 本日の時計屋さん(18) 〜 恋の前やん、ヒィー!

遅ればせながらこちらもようやく、新年明けましておめでとうございます。
皆々様におかれましては、何卒本年も相変わらずのご贔屓の程を♥

この辺でキリッとした着物の襟元から、柔々な二の腕出させていただければ、イタズラに揉みしだいて頂いて、あはん♥ なんてことは、新年早々有り得ません。
もちろん年頭のご挨拶はこの左肩の月下美人の彫り物のご披露もかねて(?)、ずずっと下の方までめくって頂いて...なんてことも初夢の如く泡のように消えゆく運命。

ささっ、真面目に本業のお話から幕開けでっす!



💮 💮 💮 💮 💮


ここでちとばかり、時計の針を逆に回して頂きましょう。
「いか〜ん! 針は常に時計回りに巻くもんじゃ〜。」
とアトリエの兄さんに叱られたって仕方ない。

姐さんの本日のお話は、ウサギが跳び出すその前の、クリスマス直前にまで戻ります。



先日のサッカーワールドカップのドサクサに紛れ、モーリシャス島の謎のインド人三人組をひとからげにし、一件落着🌸したお話はどちら様もご記憶に新しいかと。

姐さんの肩紐を解くように、ここはひとつ鳥獣戯画の絵巻を紐解いてみる気分でイキましょうか。


クリスマスを待ちながら、シャンゼリゼがキラキラと輝き始める夕暮れ時。

普段はお日様をいっぱいに浴びながら、きゃうんきゃうん♥と白い紐ビキニで、白い砂浜を走り回っているような、舐めたらさぞかし美味しそうな、なめらかなショコラ色の肌がきゃわゆいお嬢様がご来店。
よく見るとその周りに、転がりまとわりつく小悪魔のような小ちゃなお嬢様も2、3人。
あら、お若いのにお母ちゃま?
よく見ると、その小悪魔ちゃん達がドアの外へお手々を振ったり、うふふ、と笑いかけたり。見れば大きな悪魔くんが一人、いやふたり?
何じゃ!? この大家族。どっから湧いて出たん!
お父ちゃまはどこぞへ!?
イヤだよ、姐さんまた子守りしながら接客するのは。疲れるんだから。

恥ずかしそうに上目使いで瞼をパチパチさせながら、
「実はうちの兄が、こちらで先日スマートウオッチを買ってまいりまして。ただ、どうしても時計が動き出さないと言うのですが、助けて頂けませんでしょうか。」
あ〜らら。何、このお伽噺のような展開は。
ただね、それはご自分で何とかしないと、モノが無いんじゃお話になりませんぜ、お嬢さん。

しかしはっと気がつくと、今まで半分寝ぼけ顔で立っていた、お若い同僚Kちゃんの目が♥♥に。
えー、恋の前やん、ヒィー!

ヘイヘイ、騙されんようお気をつけなさいまし。
知らない世界へ連れて行かれちゃったら、もう二度と帰って来られないかもしれないですぜ。

「実は私もあまり詳しくはないので、これから兄にビデオ通話します、説明して頂けますか?
兄はモーリシャス島におりますから。」

な、なぬー! モーリシャスとな。
なんか最近ご縁があるわね、モーリシャス。
しかも、なんと驚きの遠隔レクチャーの要請!

おやおや、Kちゃん♥
上手にこのミッション片付けて、すべてが丸く収まっちゃったら、そのうち姐さんをモーリシャスにご招待してね〜。暑いトコは大好きだから、お仕事そっちのけで会いに行っちゃうよ〜。

小さな携帯画面を見ながら、一生懸命ライブレクチャーするKちゃん。そういうトコなかなか面倒見良いのよね。
どっちみち姐さん無理。
だったら子守りしてますわ。
フランス語に時々英語が交じり、更に聞こえる現地語か。

そこへKちゃんからの耳打ちが。
「姐さん、ちょっと。」
なになに、どーしたん?
えー、恋の前やん、フー!

アンタ、もうココロ決めっちゃったん? いやん♥
こんなに早いラブラブストーリー。
『燃え上がる愛は待ってくれない♥』
『ココロに消せない炎が宿る♥』
『君のヒトミは一万ボルト♥』
ってどこかで聞いたようなキャッチコピーが脳裏を横切る緊張のトキ。
だけどKちゃん、アンタ既にプリンセス持ちだったよね。ま、いっか。その辺は姐さんに任しとき。

「姐さん、あの顔に見覚えは?」
へ? どれどれ?
「アロ〜、サル〜、オ姐さ〜ん。おげんこ?」
え、まぢ。
な、な、な、なぬ〜〜😬
これはこないだのサッカーワールドカップファイナル時の、邪魔するでぃ・ギャングスタッ!
えー、恋の前やん、ハッハー!
そんで、コレは前の、アホやんー!

覚えてますっ。
こないだの雪だるま⛄みたいなカッコ!
寒さで半分死にかけてたのとは打って変わって、水を得た魚のように肌ツヤええや〜ん。
しかも👍こんなん。
え、まぢ。

「ア、、アロ〜、おげんこそーやね。免税がっぽり受け取った叔父ちゃんもおげんこかいな?」
「ノー、プロボレモよ〜。モーリシャスは暑いで〜👋」
え、まぢ。
そりゃ、ええこっちゃ。
やっぱりあんなに説明したけど、全く理解できてなかったのね😝

ってことは、このショコラちゃんとあの雪だるま⛄ギャングスタは兄妹...
Kちゃん、どーすんの。
「わ〜い、やった〜、アクセスできました〜。」
え、まぢ。
そら、良かったね。

「なんて、お優しいお方。大変ありがとうございました。なんとお礼を申し上げて良いのやら。どうぞ、モーリシャスにおいでの際はお知らせくださいませ。私は、これからパリの街を観光しなければなりません。クリスマスは家族とパリの街を楽しみます。どうぞ、どうぞお元気で。いつか、またお会いする日まで...」

Kちゃん、あの娘何も買わんかったで。
サービスのタダ売りかい!?
ココはちと頑張って、あのファイナルのように、PK販売しとかなきゃ。
延長土壇場の逆転優勝でしょう。
そしたらおフランスだって勝ったかもしれなかったのに🙄
しかもこないだのキャッシュ払いギャングスタ襲撃に続いて、今度は一家でパリ観光って何ヨ。
そんなに羽振りええの?
モーリシャスは別世界なんやね、きっと。

「なんてイイ娘なんだ〜。キレイな肌の色だったよね〜。モーリシャスに来たら教えて下さいだって。行きたいよな〜。」

Kちゃん、何夢みたいなこと言ってんの。
確かにお肌は美味しいショコラにそっくりだったけど。ベロベロ舐めたりしたらアカンよ。
アンタのプリンセスには、姐さんなんて言ったらええねん。
えー、恋の前やん、ハッハー!

コレだからいかん。修行が足りんわ。
モーリシャスへ行きたいって!?
行ってあの現地娘、養うんかい?
芋づる式に出てくるよー、あっちからもこっちからも親戚が。気がつくと、アレ!? 島民全員が親戚だったんじゃん、みたいな。でもってそのうち、アレ!? 結局ボクが島民全員養ってるんじゃん、みたいな。アレ!? ってことはボクってモーリシャスの王様じゃん👑、みたいな。
Kちゃん、モーリシャスで王様になった話!? みたいな。

そんなことになったらお母さん、泣くよ。
(アレ!?お母さんて誰ヨ)
モーリシャスなんか行ってみ、おフランスから来る年増の我儘カップルの面倒か、お子ちゃま新婚旅行のカップルのアテンド頼まれて、下僕のようにお車でお迎えしたり、レストラン連れてったり、ヘンなサービス頼まれたりしてな、アンタのことやから上手く立ち回って多少のチップで潤うやろうけど、基本給はスズメの涙や。観光地で生きてくってそりゃあ、大変やねんで。
姐さん知ってるがな。観光客にくっついてくる、そんな若い現地コーデネーター、たくさん見てるからな。サービス業ってそんなもんやで。
地道にのし上がっていき。アンタなら出来る。

...って姐さん、なんで新年早々説教してんの。若者の夢、潰したらアカンがな。


初夢、初夢。
年の始めの試しとて。
いやいや、これまだ年末クリスマス前のお話です!

姐さん、まだ本当は年、明けてないんじゃないっスか。
うん、なんかそんな気もしてきた。
だって実はもう一発あるんです。
モーリシャス攻撃が。
え、まぢ。

恋の前やん...ヒィーーー♥
飲も、飲も、いぇい✌️


本年もお手柔らかに。
あはん♥











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