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○○のくせにという言葉に潜む巧妙な闇


「年下のくせに」

以前一緒に働いていた方々から

言われた言葉。

語尾にいい意味で、と言われても

いい意味ではないことはわかった。


わたしはそのときに

年齢は関係ありませんと

話をしたら

火に油だった。

それはもう一気に燃え広がった。

(ASD炸裂😇)


そして、なんて非常識極まりない奴だと

袋叩きにあい、怒られた。

日本の文化とは難しいものである。


年下なのに、すごい。

若いのに、すごい。

これは褒め言葉じゃなかったと

気付いたのは、同じ人から

" 年下のくせに "

と言われたときだった。

本当に褒めているのなら

"すごい"だけで充分だったのだ。

特に女性同士の、本音とは裏腹な会話の

やり取りはいつも翻弄される。

回りくどくて面倒なことが多い。


年下は目上に対し

素直で従順で慎ましく

立てなければならないもの。

目上の方より秀でてはいけない。

そんな暗黙のルールが

まだまだ沢山あるのだと衝撃を受けた。

あれ、今はまだ昭和だったっけ。


すごいと思っていないなら

言わなくていいし

かわいいと思っていないなら

言わなくていいのに

お互いを褒め称え謙遜し合う

謎の時間は特に女性界隈でいまだある。


その場しのぎで

繰り返される悪口や

次の日には何を話したか

覚えていられないような会話

嫉妬や妬みから生まれる

バレないラインを攻め合う

マウントの取り合いは

もう懲り懲りだ。


今、わたしの周りに

そういう人が1人もいない。

だからこそ

余計にその異様さや違和感が

私の中で浮き彫りになる。


お世辞もないし

嘘も悪口もない

自分の意思や意見を

まっすぐに表現し伝え合い

交換するだけの

なんの善悪判定も損得勘定もない

穏やかで和やかな愛しかない

人間関係の中にいて

ふと、思ったのだ。


あれは一体なんだったのか、と。

わたしは本当に非常識だったのかと。

はて?と。

常識って時代が変われば

変わってしまう曖昧で流動的なもの。

それを正義のように刀を

振りかざして直接相手に

伝え届けることに何の意味があるのか。


わたしは年齢というより人柄とか
その人自身にしか興味がないので

仲良くなる人や話をする人に
年齢も性別もあまり関係ない。

歳がわたしよりもずっと上でも
歳がわたしよりもずっと下でも
尊敬する人はたくさんいる。


年下はこうあるべき

年上はこうあるべき

男はこうあるべき

女はこうあるべき

妻はこうあるべき

夫はこうあるべき

姑とはこうあるべき

嫁とはこうあるべき

年下のくせに

先輩のくせに

男のくせに

女のくせに

母親のくせに

嫁のくせに

子どものくせに

大人のくせに

年上は偉い

親は偉い

お金持ちは偉い

有名な人は偉い


そんな思考にとらわれていたら

崩れ落ちるもの

見逃してしまうもの

築けないもの

気付けないことが

沢山ありすぎる。


そしてそんな言葉を

発してしまった分だけ

誰よりも自分自身が

呪いにかかってしまう。


誰かをそうやって下げて

自分を持ち上げて

誰かの上に立たないと不安になる。


そこから逃れられなくて

ずっと理想を追い求めて

何かになりきって

完璧で居なくちゃいけない。


そうなったらもう

物差しや判断基準が

固定化されてしまって

許せないことが増えてゆく。


想像しただけで

息がつまってきた。

ちょっと深呼吸。ふう。


要は

もうやめましょうよ!

もうこれ以上戦うの!!

いのぢがもっだいない!!

と言いたいのです。


自分が誰かよりも優れているとか

認められているとか

すごいかすごくないかとか

そんなもので判断しなくても

尊敬と感謝はいつでもできる。

わたしたちはみんな凹凸なのに

何かに縛られて大多数が似てくる現象

を不思議に思う。

似ている考え、どこかで聞いた似た言葉

似ている顔、似ている服、似ている生活

似ている人生、似ている選択。


偉いと思う人やすごいと思う人に

憧れることは素晴らしい感情だけれど

憧れは憧れで、自分は自分を忘れずに

見失わずに見捨てずにいたい。


そうやって考えていたら

年下のくせに!と言った

その人のことも、もはや

どうでもいいのです。


言われたのは私だけど

本当に呪いに苦しんでるのは

私ではないのだもの。

(当時胃を痛めた可愛い私を

ちょっぴりよしよしはする)


そういう常識だの

なにかしらの枠に自分を

押し込もうとすると

自分の色や自分らしさは

当たり前だけど

消えていきます。

だって振り分けが雑すぎるから。


わたしたちは

ひとりひとり

本当に唯一無二なんだもん。


○○はこうあるべき

○○のくせに

そこから抜けた人間同士の

関わり合いって

本当に唯一無二で

代わりが誰にもきかなくて

自由しかなくて

自然であたたかくて

豊かで満たされるものなんですよ、と

私は声を大にして言いたい。


そんな関係や時間を

もっと味わっていたいし

もっともっと

唯一無二のオリジナリティ溢れる

人達と私は出会いたい。

対話や討論がしたい。


○○のくせに、だけじゃなく

お互いが胃を痛めるだけの

不毛な言い合いや

不要な闘いと蹴落とし合戦が

1日も早く消えていきますように。

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