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大公開!MARKETロゴの誕生。

前回の記事にてお伝えした経緯で新店舗のネーミングは『MARKET』に決定しました。

いよいよロゴマークの制作です。
ロゴはビジュアルアイデンティティ(VI)と言われるほど、会社や店舗の"らしさ"を表現したものです。

"デザイン"というフィルターを通して、MARKETらしさをどう描いたのか。

まずはタイプロゴ制作について書き留めます。

ヘアサロンなのに「MARKET」


制作に取りかかった2017-18年は、現在と同じく店名や社名は端的で分かりやすく馴染みのある単語が主流でした。

また、パン屋の暖簾に店名ではなく"食パン"と記されたり、商品名がそのまま社名になるなど、まるでなにかが原点回帰したような気さえする風潮がすでに始まっていました。

そのような時代性を踏まえ、自分たちの掲げた理想や描いたビジョンをもとにMARKETという店名が決まりました。

これしかない!と思えるほどのネーミングを客観的に整理してみます。

直感的に良いと思えた理由


①端的で分かりやすい(時代性に合ってる)
②人による解釈の違いが少ない
③ヘアサロンという業態とのギャップ

▼ 店名MARKETのメリット/デメリット

メリット


認知されやすい。
ほとんどの方が「書ける・言える・覚えられる」単語なので認知されやすい。

デメリット


希少性に欠ける。
ありふれた言葉なので独自の意味合いやストーリー性が弱くなる。

"MARKET"というなじみのある単語を用いたので、誰もが読めるor書けるといったメリットがある一方、"意味合い"を持たせることが困難という遭難にも似たデメリットが襲ってきました。

なぜ、MARKETというサロン名でなくてはならないのか。
それをマークひとつでどう表現するのか。
ひと目で世界中にどう伝えるのか。

誰もやったことのないことをやる。
だから、既製のフォントは是が非でも使いたくない。

その独自性がなければ意味がない。
費やしてきたすべてが水の泡になる。

個人的にMARKETに関する仕事において最大の山場がここでした。オープンして5年が過ぎた今となってもそれは変わりません。

シャドーボクシングを延々と繰り返すようにノートにペンを走らせ、何度も何度も気分と視点を一新させましたが、絶望と共に一日が終わります。

「諦めたら終わり。だけど、解決の糸口がどこにも見当たらない。」

最大のミッション


上記のように、MARKETのVIデザイン最大のミッションは誰もが知っている単語 "MARKET" をヘアサロンと認識できるようにすることです。

"MARKET"とヘアサロン、距離感のある両者を「=」にするために"共通点"を探し始めたのはいいものの毎日迷子になります。

店内レイアウトや世界観でなるほどと思っていただけるかもしれません。

しかし、そこに甘えるわけにはいきません。そもそも、ロゴと来店経験は無関係です。文字や図形を駆使して要点を伝えられなければ、このロゴに価値はありません。

必ずどこかに接点があると信じて、何度も角度を変えて考えたり調べたりしながらアイデアをスケッチし続けました。

隅々まで書き埋めたそのスケッチノートも残り数ページとなり、代表の安本に打合せをお願いするにもこちらが話せることも聞くべきこともないといった八方塞がりの日々にようやく出口が見えてきます。

当てもなく"E"を描いているとなんとなくコームに見えてきました。
もしかして、全文字いけるんじゃ?と思い瞬時に脳を酸欠にさせます。

これだっ!と気づいてからは一晩でビジュアルとストーリーができあがりました。

ロゴの誕生


M はじめまして ( HELLO!! )
A シザー
R ドライヤー
K ダッカール
E コーム
T ヒューマン ( & YOU )

このように"美容師"という仕事を落とし込んだエレメントに仕上げました。

「はじめまして」や「お元気でした?」など、美容師はサロンで日々ご挨拶をさせていただきます。頭文字"M"も同様にご挨拶として握手を描きました。
ヘアサロンに欠かせない"人(お客さまと美容師)と仕事道具"を描いたタイプロゴの誕生です。

このようにして、"MARKET"というサロン名でなければならない証をつくるというミッションを達成できました。

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