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スタバおじさん

この間、私は同僚と仕事終りにスタバでお茶していた。要件は、今後の進路と人間関係について。飲み物を片手に、あれやこれや日常の気づきを夢中で話していた。

「キミたちわぁ…スターバックスで働いてみたいと思うかね?」

っ誰?!?! 突然、大きな声で
隣の角のテーブルに座っていた、端正な容貌の叔父様が私たちの会話にヘッドスライディングしてきた。
見る限り、彼は見た目に気を遣っている、健康重視の、目は深い二重で据わり気味、第六感強めの哲学や考古学的教養のある、どこかの偉い人。という感じであった。

「えっと、特にここで働きたいとは思わないです。」
「それはなんで?」
「自分の個性が消えてしまうような気がするので。」
「そうなんだよ!!さっきから君たちの会話を聞かせてもらっていたんだけど、君たちいい感性をしているね。昔スタバは君たちみたいな面白い人たちが沢山働く場所だったんだよ。今はすっかりタスク化しちゃってねぇ...」

一体この人は誰なんだ。。。。
と思いながらも、どこかでみたことあるような無いような、そのおじさんとウマが合ってしまい、2時間ほど話してしまった。

議題は…
「整形をしたいか。」
→医者はアーティストでは無いので、パターン化された顔を作る。神は真の芸術家だからそれぞれ違うものを与える。

「一番の美容法」
→若さの極意は「塩」だ。食塩として売られているものは塩化ナトリウムで、本当の塩を摂取すること。化粧品よりも塩だよ。

「日本人の秘めた凄さ」
→戦前の日本人の知恵はすごかった。日本人は本来凄まじい力を秘めている。

「これからの時代、自分の職業に名前が付くようじゃ駄目だ。」
→色んなものを色んな人が簡単に手を出しやすい時代。AIなどのデジタル化が加速している中で、自分にしかできないことをする。

「そのままでいきなさい。」
→君たちははいいオーラをしている。現代は会社の上に行けば行くほど姑息なことして欺くような奴らがいる。君たちみたいな若者も減ってきているんだ。そのままでいい。どうかそのままで、いってね。

最後まで正体を明かさなかったスタバおじさん

私達は彼と話し込んでしまい、帰宅は11時を過ぎていた。しかし、見ず知らずの人と、お互い感覚的な部分で弾み合い、交流を持つのは正直嫌いではない。東京に住んでいたら隣の人と会話することなど、まず無いであろう。自分よりもずっと長く生きている人の話をきくのはいつでも面白いものだ。

スタバおじさん、ありがとう!



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