ネガティブな感情に振り回されないコツ〜過去の記憶を塗り替える
私は結婚14年目・42歳のころ、精神的にかなりまいっていました。
きっかけは、職場での昇格に伴う異動でした。
「部署初の女性リーダーとして立ち回らねば!」
と気負ったものの、慣れない仕事で盛大に空回り。
よく眠れなくなり、職場で涙がこぼれる状況にあったとき、夫婦関係でも行き詰まって、心が折れたように感じていたのです。
そんな当時のことを思い出したのが、人工知能研究者・脳科学コメンテーター黒川伊保子氏の『妻のトリセツ』です。
自分の感情をコントロールできなくなっていた
私は当時、イライラ・モードがデフォルトでした。
「なぜ、この人は何もわかっていないの?
どうして、わかろうとしてくれないの?」
些細なことで怒りの感情があふれて、自分では止められなくなっていたのです。
↑まさに、当時の私でした。
自分でも嫌になるくらい、過去の出来事とネガティブな感情がフラッシュバックしていました。
・またそんなこと言ってる!(or やってる!)
・いつもそうなんだから!
・それだけは嫌だと言ってきたのに、どうして繰り返すの!?
そんな怒りを抑えきれず、夜中に夫に話を切り出すと、決まって口論になりました。
何時間も続く口論に疲れてきて、
「今はしんどいから、また今度、話そう」
と後回しにした時期もありました。
すると今後はネガティブな感情がさらに増幅されて、子どもが起きているときにも、ドカンと爆発してしまうようになったのです。
愛する子どもたちに負担をかけている自分が、嫌で嫌でたまらない……
でも、ネガティブな感情を押さられない……
にっちもさっちも行かなくなっての、メンタルダウンでした。
『妻のトリセツ』には夫の命が削られる、とありますが、妻である私自身もまた、心と身体が疲れ果てていく感覚がありました。
↑確かに。
いま思えば、「共感してくれたという記憶」をお互いに見失っていたんだと思います。
ネガティブな感情に振り回されないために
女性脳は、ネガティブトリガー(怖い、辛い、ひどいなどの嫌な思い)が発動されやすいとする黒川氏。
ゆえに、ポジティブトリガー(嬉しい、美味しい、かわいいなどのいい思い)をふだんから増やすことが推奨されています。
ここで、私は考えました。
「ネガティブトリガーそのもの」を変えていけばよいのでは?と。
というのも、いくらポジティブトリガーを増やしても、きっかけがあればネガティブトリガーが発動して、過去の記憶が呼び覚まされることに変わりがないからです。
そこで、過去の記憶そのものを書き換えてしまえば、ネガティブトリガーが発動しなくなるはずです。
ネガティブな感情を昇華する
ここで、私のケースで考えてみます。
例えば、「いつもそうなんだから!」という夫をジャッジする私の認識。
・本当に「いつも」なの?
・私が期待していたのは何?
・それを夫に明確に伝えて合意はとれていたの?
・その期待はお互いにとってフェアなものなの?
つまり、私が一方的に正義を押しつけて、それに従わない夫を悪者にしていた、という側面があるわけです。
冷静に考えて、自分だけが正義で夫が悪者なはずがない。
それが腑に落ちれば、出来事の記憶に張りついていたネガティブな感情を払拭することができるはず。
実際、私はこうして過去の記事を書くとき、「当時はしんどかったね」とは思いますが、夫への怒りが再発することはないのです。
「怖かった」「辛かった」「ひどいと思って傷ついた」という自分の気持ちを否定するのではなく、当時はそう思っていたけれど、「ネガティブな側面だけじゃないよね」とプラスとマイナスの両方を見る。
こうすれば、「過去の嫌な記憶」が書き換わり、「そんなこともあったね」とニュートラルに振り返ることができるようになり、ポジティブトリガーが発動することもなくなる。
そんなことを実感しています。
ま、たまには、「なんで!?」と感情がブレることもありますけれど、ね。
だって、人間だもの。
感情がブレるのは成長する機会!
そのたびに記憶を書き換えて、微笑みながら歩んでいきたいと思っています。
認知も感情も行動も、選ぶのは自分、ですからね。
*しつもん*
過去のどの記憶を書き換えますか?
「私が私である」ことの確信へ導く魔法使い
御影石 千夏
*あとがき*
ひとりで記憶を書き換えるのは難しいなーと思われたなら、オンラインで話してみませんか?
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