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息子と娘が私を〈母親〉にしてくれた〜『そして、バトンは渡された』を読んで

瀬尾まいこさんの『そして、バトンは渡された』を、ティッシュ片手に一気読みしました。


私を〈母親〉にしてくれて、ありがとう



親子が互いを思いやるシーンに心が震えるのは、私にとって〈母親である〉というアイデンティティが大切なものだからだと思っています。

〔息子と娘が私を〈母親〉にしてくれたー生まれてきてくれてありがとう〕
そんな感謝の涙がこぼれる作品でした。

家族よりも大切な家族


主人公は、高校3年生の森宮優子。

・子どもという存在は無条件の愛、そのもの
・子どもを大切に想う気持ちが、親を成長させてくれる
・親子として愛を伝えあえるという出逢いの奇跡に感謝しかない

彼女の3人の父親が3人、2人の母親が、それらを実感させてくれます。
(大家さんや先生が優子を想う気持ちにも泣けました)

もう、セリフが秀逸で。

状況がありありとイメージされて、鼻の奥までツーンとなりながら読み進めました。

愛を伝え合える幸せ

なかでも私が好きなのが、合唱前夜の場面。

娘が父を想い、父が娘を想う。
こんなにも愛を表現できる2人の関係性に、胸が熱くなりました。

2人の食事のシーンも、毎回愛にあふれていて……

親子で一緒に美味しいものを食べることに幸せを感じる、自分の価値観を再確認。


親子って何だろう?


高校で生命倫理について学びを深めてきた娘に、訊かれたことがあります。

娘「血がつながってることって、そんなに大事?」

私「それを何より大切に考えている人もいるけれど……
  私は、お互いを大切に想う気持ちが大切だと思うよ」

「血がつながっているから親子」なのではなく、お互いに関係性を紡いでいくからこそ「親子になれる」のだと思うのです。

今、私にはその機会があることもあって、親子で食卓を囲めることに喜びを感じていますが、それが叶わない家族だってあります。

私自身、子どもたちを置いて家を出ていたときには、どんなに願っても会うことすらできませんでした。

「一緒に暮らしているから親子」でもないんですよね。

家族にはいろんなカタチがある。
互いが互いを想う気持ちが家族の基盤になる。

そんな私の考えを、再確認させてくれた作品に感謝です。


本の紹介時に自由に利用できる「版元ドットコム」さんのデータを利用させていただきました。


ドリームサポーターだらけの世界をつくりたい
御影石 千夏

*あとがき*

映画の予告編YouTubeを見る限り、原作とはいろいろと変わっているようです。
小説には小説の、映画には映画の魅せ方がありますものね。
私は原作を先に読むのが好きです。


*小説も映画も号泣した作品例

↓通勤電車の中で号泣。読み返すたびに泣いてしまいます。


↓「血のつながりじゃない」を確信した作品です。

↓河瀬直美監督が追加された「朝斗の目線」、鳥肌ものです。



▼思春期の子どもとの関係が良くなる8つの質問


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