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「やっててよかった公文式」をふりかえって思うこと
「息子に正直に言えてよかった〜娘と違う対応になってもよしとする」の続編です。
息子が大好きな野球=〈やりたいこと〉をサポートしなかった私は、息子が〈やりたくないこと〉を強要したことがあります。
それは、始めた当初は大好きだった公文式の宿題プリントです。
私が熱を上げていた公文式
公文式に通った多くの家庭で繰り広げられるであろう、「プリントやりなさい!」バトル。
「毎日毎日、同じことを言うのは、もう嫌〜!」
と私が投げ出したくなるくらい、バトルしました。
というのも、私は幼児教育に前のめりすぎる母親だったんです。
息子が0歳のころから七田チャイルドアカデミーやベビースイミングに通い、他言語のCDをかけ流し、公文式を始めたのは1歳後半。
娘の育児休職中に公文式の指導者研修を修了し、公文式の良さ&上達の秘訣を学んだ上でのスタートです。
「歌二百 読み聞かせ一万 賢い子」
という公文公さんの言葉に感動して、寝る前の絵本の読み聞かせも日課にしていました。
「早く用意して!!
モタモタしてたら絵本が読めないじゃない!!」
なーんて怒鳴っていては、本末転倒なのですが(笑)
とにかく必死でした。
当時の私には、〈賢い子どもを育てることが正義〉だったんでしょうね。
線を引いたり色を塗ったりというお絵描きプリントが音読になり、足し算や質問に答える形式に変わってきたころ、私は宿題プリントの丸つけに情熱を燃やすようになります。
「間違えたその場でお直ししたほうが学習が進む」
という教えを忠実に守ろうとする私と、宿題を毎日はやろうとしない息子との温度差がどんどん広がったがゆえのバトルだったのです。
息子に合っていた公文式
そんななか、息子は公文式そのものは好きでした。
たとえば国語。
「何度も繰り返したやったプリントなのに、毎回まるで初めて出会ったかのように、問題文を楽しそうに読んでいる」
と公文の先生に言われたこともある息子は、読書を楽しむ基礎力を身につけたように思います。
また、繰り返しトレーニングの成果が顕著に出た算数では、「計算が速い」のが息子の自慢でした。
小学生って「クラスで1番」が嬉しくてたまらないんですよね。
小学校の先生がタイマーを片手に取り組ませる、九九でも100マス計算でも、いつも同じクラスの公文仲間と競って楽しそうだったのを覚えています。
(1つの正解に速く到達するための繰り返しトレーニングの弊害は、いったんワキにおいておきます)
表彰されるのを目指した息子
公文式には、「高進度学習者賞」なるものがあります。
3学年先の学習を終えると表彰される仕組みに、息子だけでなく私も、まんまと乗せられました、笑。
とくに息子は、中学受験が終わった直後から公文式に復帰して中学3年生の教材を終えるほど、情熱を燃やしていたのです。
やっててよかった公文式
中学受験を考えて公文式を休会したものの、大手のスパルタ方針についていけずに小規模な塾に転入したときのこと。
塾長さんが息子におっしゃったのが、
「君、ホンマにやっててよかったなー、公文式!笑」
でした。
「目指している学校だと、ふつうは今からの転入で間に合わないんです。
ですが、男の子にしては国語ができるし、算数の計算は公文で一通り終えたのなら……
理科と社会を暗記すれば、なんとか間に合うでしょう」
と私と夫は入塾説明を受けました。
「君、がんばれるか?」
と問われて大きくうなづいた息子でしたが、ここでも宿題が追いつかなくて四苦八苦する日々。
それでも無事、希望の学校に合格することができました。
(本当によく踏ん張りました!)
いま思うのは、「本当の学びってなんだろう?」
往復2時間かかる職場でのフルタイム勤務で毎日バタバタだった当時、私なりに必死で子どもたちをサポートしていたとは思います。
ただ、〈本当の意味での学びのサポートができていたらよかったなー〉と思うこともあります。
当時の選択に後悔はありませんが、〈今の私だったら選ばない選択〉ではあるからです。
「どうして、これを学ぶのかな?」
「これが〇〇なら、あれはどうなるかな?」
「私はこう思うけど、あなたはどう思う?」
「どんな世界のどんな人になりたい?」
「そのために、私たちは何ができるだろう?」
もしも、教科書や趣味の書籍を広げて親子でじっくり対話していたら、また違った世界が見えていたように思うのです。
でも、大丈夫!
今からでも遅くありません。
大学寮に住む息子とは話す機会がめっきり減ってしまいましたが、娘とは、命、倫理、宗教、ジェンダー、政治、経済、マーケティングなど、いろんなテーマで対話を深めています。
娘と学ぶ楽しさをシェアできることに、感謝の日々です。
大人が学びを楽しむからこそ、子どもも学びを楽しめる
私が痛感していることのひとつです。
・友達より漢字が書ける、計算が速い自分が誇らしい
・「すごいねー」と友達から言われるのが嬉しい
・表彰されてトロフィーをもらうのも嬉しい
・自分の学年より先の学年を学ぶのが楽しい
こういうのも悪くないですが、誰かと比べての誇らしさだけが、学ぶ楽しみではないですものね。
「自分のために学ぶのではなく、人のために学ぶ」
子どものころからこのマインドが育まれていたら、世界は優しく豊かになると私は信じています。
「私が私である」ことの確信へ導く魔法使い
御影石 千夏
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