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私と夫が目の前でケンカするような我が家で娘が身につけた才能

「両親が不仲だった」=「仲のよい両親がいなかった」という欠落感から、子どもがどんな独自の才能を育んでいるか?

前回の記事の続きです。

今回は、子どもたちの目の前でケンカを繰り広げていた我が家で、娘がどんなふうに育ったかについてご紹介します。

教育熱心すぎてズレが生じた


私も夫も、子どもが0歳のときから幼児教室やベビースイミングに通うほど、教育に強い関心がありました。

ところが、息子の中学受験を考え始めたころから、〈大切にしたいこと〉にズレが生じます。

仕事のストレスなど外的要因も絡まって、夫婦間のコミュニケーション不全が年々ひどくなっていきました。

やがて、子どもの前で口ケンカをすることが日常茶飯事となってしまいます。

〈子どもの前では絶対にケンカはしない〉
と心に決めていたにもかかわらず、ネガティブな感情があふれる自分をどうすることもできなくなっていたのです。

家族で初めての海外旅行でも夫婦ゲンカ


息子が小学6年・娘が小学4年生の終わりに、中学受験を終えた息子の合格祝いと称して、家族初の海外旅行に出かけました。

「飛行機に長時間乗りたくない」という息子を、ハワイに連れて行ったのは、私と夫です。

「ディズニーにも行くならいいけど」という息子を説得してまで出かけたのに、またも夫婦ケンカが勃発。

楽しかった空気が一瞬にして吹き飛び、機嫌を損ねた夫は、帰国してからも無言を貫き、部屋にこもって食事も一緒にとりません。

東京ディズニーランドでも夫婦ゲンカ


東京ディズニーランドで夫婦ゲンカになったのは、息子が乗りがったアトラクションの長蛇の列を見た夫が、
「俺は他のものに乗る」
と言い出したのがきっかけでした。

私の表情に
〔息子の合格祝いなのに、何を言ってるの?〕
という不信感が現れたのを見てとった娘が、夫と一緒に列を離れます。

夫をひとりにさせまいとする優しい娘を不憫に感じた私は、
「娘が見たがっているはずのパレードを見せてあげてほしい」
という旨のLINEを夫に送りました。

すると、夫から怒りのこもった反論が返ってきて……

ホテルまでのバス、一泊、飛行機、帰宅してからも、無言の日々が続きました。

娘にどれほどの負担をかけていたか?


当時のことを、娘はまったく覚えていません。

「うち、ホンマに東京ディズニーランドに行ったん?シーも?」
「写真を見ても信じられない」
と言うのです。

両親の不和を少しでも緩和しようと努力してくれた娘は、楽しかった記憶がカケラも残っていないのです。

「家族4人で笑ってたことも思い出せへん」
とまで言われます。

ケンカをして何日も口を聞かないような両親と暮らす子どもたちは、
「仲のいい家族でいたかった」
と、どんなに願っていたことでしょう。

大きな欠落感を抱えながら、子どもたちはさまざまな才能を育んでいました。

不仲な親だからこそ得られる才能とは?

欠落感からとった行動①:父と母が一緒のときに面白いことを言う

 ↓
◉ 具体的な行動 ➡︎ 育まれた才能
◉ 友達には見せない「おちょけた(おどけるような)」側面を親に見せる
◉ どんな話をすれば場が和むのかを考え、トライアンドエラーで腕を磨いた
 ➡︎ 笑いのツボの情報収集力、考察力、観察力、愛嬌、表情・声色・空気を読む洞察力
 ↓
☆人生で役立っていること
☆ 
ふだんはクールな感じなのに、とびきりかわいい笑顔を見せる
☆ ウィットに富んだ一言で場を和ませる
☆ 友達にも先生からも好かれる

欠落感からとった行動②: ケンカが始まりそうだと感じたら、その場を離れる

 ↓
◉ 具体的な行動 ➡︎ 育まれた才能
◉ 早く食べ終わる、状況に執着しない
◉ 他の部屋で自分が好きなことをする
 ➡︎ 表情・声色・空気を読む洞察力、気持ちの切り替えが早い、自分の世界にひたる集中力
 ↓
☆人生で役立っていること
☆ 
 状況や人の感情を俯瞰して見る力
☆  動じない、冷静沈着
  自分ひとりで楽しみを見つけて遊べる
  友達と群れない、マイペース、人に振り回されない
 自分の「好き」を貫ける

欠落感からとった行動③: 兄妹で一緒に過ごす

  1.  ↓
    ◉ 具体的な行動 ➡︎ 育まれた才能
    ◉ 相手が好きなことを邪魔しない、嫌がることをしない
    ◉ 兄妹ゲンカをしない
    ◉ 両親それぞれから距離を置いて様子を見る
     ➡︎ 信頼する力、協力する力、コミュニケーション力、互いを思いやる力、状況を俯瞰する力、親から距離を置く自立心・独立心、精神性の高さ

     ↓
    ☆人生で役立っていること
    ☆  
    兄妹で助け合い、辛い気持ちを緩和できる
    人の特性を見極める
    ☆ 友達と仲違いすることがない
    「私は私」と境界線を引けるので、周りにいる人のネガティブな感情に影響されない
    「人生何回目?」と言われるほど友達から信頼され、相談されることが多い

この春、大学に入学した娘は、
「ホンマに同級生?」
とクラスメイトに訊かれるほど大人っぽい雰囲気があり、高い精神性を身につけています。

もしも私が夫と円満な家庭を築けていたら、どんなにマイペースでも友達に好かれて信頼されるほどの優しい思いやりや、高い精神性を育むことはできなかったと思うのです。

「そんなの、母親のあなたが一方的にそう見てるだけじゃないの?」
と思われる方もあるかもしれません。

そんなときは、ご自身が幼いころ、
「〇〇がなくて嫌だった!」
という記憶を思い出してみてください。

辛いだけだと思っていた記憶の中に、代わりに得られたものが見つかるかと思います。

「嫌だ!」と思ったそのとき、あなたは何をしていましたか?

その状況から離れようとしていませんでしたか?

あるいは、「ない」という欠落感を埋めようとして他の何かをしていませんでしたか?

幼い子どもは、諦めることを知りません。

「欠落感を感じた子どもは必ず、そこから逃げようとするか、欠落感を埋めようとする」

人間行動学の世界的な権威、Dr ジョン・F・ディマティーニの教えです。

欠落感・欠乏感・飢餓感が元となってある行動をし続けてきたことが、あなたの独自の才能を育んでいます。

今回ご紹介した私の娘のように、辛く悲しい思いをされ子ども時代を過ごした場合は、それと同じだけ大きな才能が磨かれているのです。


「もしかして……私にも、私にしかない才能があるのかな?」

気になる方がいらしたら、欠落感から独自の才能を発掘する機会をご活用ください▼


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