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編集者の1歩目

出版社で働き始めて4か月目に突入しました。

入りたて、初めて担当したのは、毎週の試合結果を掲載するページ。縦書きのときは半角、良いスコアのときは左寄せだけどその他は右寄せ、など細かな決まりがあるデータ入力と、見方の分からないリーダーボード(試合結果の詳細)に沿ってのテキスト作成に戸惑っていました。でも、このページは選手名や大会名を覚えるにはもってこい。新人は大概、このページからスタートするんだそうです。

先月から新たに担当を任されたのは、『推しメシ』と呼ばれる連載。ゴルフ場の人気メニューを紹介する1ページです。ゴルフ場(人気メニュー)探しから始まり、カメラマンさんとの日程調整、ゴルフ場のアポ取り、写真の構成指示、取材、料理の写真選び、見出しの作成、テキストの作成、デザイナーさんとのやり取りと。見開き1ページにも満たず、ページの構成も決まっていて、さらに隔週(2週間に1回)の掲載という連載にもかかわらず、体力が早々に奪われてしまいます。加えて、料理紹介用の文体がまったく分からない。『dancyu』という料理雑誌を読み込んでひたすらに真似をする、ところからのスタートです。

同じタイミングで巻末班に入ることに。知識不足で訳も分からないまま、ゴルフ用品のデータ入力をすることから始まりました。

そして、ここでついに自ら考えた企画が採用されることに!「千葉の道の駅を巡る」というテーマから「関東圏の道の駅」へと変更されました。現在は情報集めの真っ最中。まだ、私一人での作業のため、日に日に不安が募っていきます。ついに一杯になったのか、先日こぼれ出てきました。

先輩から少し譲っていただいた企画も、ついに明日、読者の方の手元へ。質問内容も予め用意されていたし、文章の流れも決められていた今回。それでも、“人”がテーマのページに携われたことは大きかった。大まかな質問内容が決まっていても、その答えを目の前の人の内側、無意識のなかから引っ張り出すためには、小さな問いがいくつも必要で。そのときまでの、質問する側の人間の日常に存在した出来事が、どれだけ重要か。編集者にとってどれだけ偉大な存在か、深く刻み込まれました。今、不思議と、ゼミの先生から頂いた「自分では分からないかもしれませんが、その丁寧に過ごした時間のぶんだけ比例して成果の出ていくタイプだと思います」との言葉を思い出しました。編集者としての私の武器になるんじゃないか?と思いました。

今、抱える不安を書き留めるとすると、これは言うまでもなく、“自信のなさ”。入社前に人事の方が抱いていた一抹の不安通りです。考えて行き着いた答えなのに、「これでいいのか?」との7文字が頭のなかを駆け巡る。この言葉によるがんじがらめ状態です。

好きなようにやればいいのに。

その人が思った通りにやることを、誰もが待ち望んでいる。期待している。そして、そのなかで、本当に好きなようにやれてしまう男を、私は知っています。あぁ、やっぱり、まだまだ遠い存在。

予期していなかったこの文章の結びがここに辿り着くとは、あまりに運命的ではないですか?だって、タイミングが良すぎるもん。


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