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表現と反応の違い(日本はやはり特殊だ)

金曜日は2学期の最終日だった。

前日の木曜日 午後3時、学校から一斉送信のメール。

《明日はマフティデイです。ロックダウン中も働いてくれていたエッセンシャルワーカーに感謝の気持ちを示すため、ナースや医師、消防士やスーパーマーケットの店員などの‘エブリデイヒーロー’の格好をしてきてください。》


マフティデイ Mufti day
私服で登校してよい日。好きな服を着ていい日と、今回のようにテーマが決まっている日がある。


前日の放課後にそれ言う〜? しかも地味ハロウィンみたいなテーマ…でも ちょっとおもしろそう。

一応文末に

《もしコスチュームを作る時間や材料がなければ、エブリデイヒーローの絵を描いてきてもいいし、何もせず制服でも大丈夫です。》

とあったけど、他の子たちが着てきて自分だけ制服だときっと悲しくなるよね。いっちょやりますか!


長女は、リサイクルショップで買ったフクロウ柄のワンピースに白いカーディガン、それと首からネームタグを下げて‘先生’に変装することにした。


問題は次女だ。服っぽいものを作るには、それこそ時間と材料が足りない。私の服だと大きすぎて無理があるし…。

「worker uniform,  kids essential worker outfit」など思いつくワードで画像検索してみるも、簡単に作れそうなアイテムはでてこない。


んむう〜誰だろう? あの時期活躍してた人たちは…

頭をひねって考える…


そうだ! ごはんのデリバリー! 

Uber Eats の特徴的なバックパックとかいいんじゃない?

正方形ではなかったが、いい感じのサイズの箱を見つけてアクリル絵の具で真っ黒に。ロゴをプリントアウトし貼付け、仕上げにブックカバーを貼った。黒い布で肩紐を作り、背負えるようにした。冷凍ピザのパッケージからピザの写真を切り取り、箱の中に入れた。

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急いで作った割にはそれっぽく出来たと大満足


当日、いい感じによれたパーカーとヘルメットをかぶらせ、「楽しんできてね!」と送り出す。あまりデリバリーの人を選ぶ人は少ないだろうから、うけるといいなあ…



放課後。娘を迎えに行くと、彼女が言った。

次女「みんな私がなんの格好してるかわかんなかったよー。」

私「そっかー。でも先生はわかったんじゃない?(子供にはわかりにくかったかな)」

次女「ううん、先生もわからなかった。」


えっ、Uber Eats ってあまり有名じゃないのかな…?それじゃ、ただよれた服を着てきただけみたいな感じに思われたかな。

確かに周りを見渡すと、変装している子はわかりやすい恰好をしている。

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ひらひらのスカートをはいて、白いTシャツに大きな赤十字を描いた子もいる。

お医者さん・看護師さんの格好ではないけれど、「何か医療系なんだな。」ということはストレートに伝わってくる。

す、すごい。

みんな一目で何の格好をしているのかわかる。むしろ全然テーマ気にせずプリンセスのドレスの子もいる。


ああ、そうか。

私は思い出した。自分の育った国では

いくつかの要素が集まると心の目で見て関連付け、

わからなければさらに観察し、

それが何を意味するのかを理解しようと努力してくれる人たちがたくさんいる

ということを。

地味ハロウィンはそういった特性を持った人間が集まることで成り立つのだということを改めて認識させられた。

反応の癖というか、何も考えずに箸を使えるのと同様、「いくつかヒントがあればみんな分かってくれる」と無意識に考えてしまったようだ。


オーストラリアで、このような仮装の場においては

とにかく一目見た瞬間にそれが何であるかわかること。もしくは自分からプレゼンすること。

瞬間的に理解できないものは即座に興味を失われること。

というオージーのメンタリティを再認識することになった。


ひねりとかリアリティはいらんかったんや…。

Tシャツに油性ペンで描けばよかったんや…。

なんにせよ、やっぱり前日の突貫工事はよくないな。という話でした。

おしまい。

*文中に、デリバリーの人を再現するためによれたパーカーを着せたとありますが、実際もし わたしがデリバリーの仕事をするなら 機能性があって汚れてもいい服を選ぶと思ったのでそのように書きました。


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生まれ故郷でそれなりに暮らしていたら、結婚とともに国を超えて引っ越しを繰り返す人生に。 新潟~イギリス~東京~シンガポール~オーストラリア  サイコパスな夫と二人のかわいい子供をサポートしてきたが、自分のことを始めたくなりnoteに登録。

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コメント (8)
みとんさん
コメント今気付きましたごめんなさい💦
後から気付いて「あれ書けばよかったな。」ということ、確かにあります!
やりとりのなかでむしろ本音が出やすいところ、という面もあるのでしょうか。
大事な気付きをシェアしてくださってありがとうございます。

ヒアルロン酸がまさかコラーゲンに取って代わられていたなんて😂何年かで繰り返しているような気もしますよね。
仏蘭西生活研究中のuemmaさんコメントありがとうございます。
uemmaさんの投稿を拝見させていただいて、フランスと美術・工芸にかかわることがとても厚みのある文章で綴られていて、他の記事もどんどん読んでみたくなりました。

同じ仮装でも、国によって受け取り方がちがうというのは興味深いですね。
ことわざを表現するって!すごくやりがいのあるテーマですね。Uber Eatsフランスでやればよかった!
仮装というと、青白のボーダーシャツを着てバゲットを持ち「フランス人の格好をした」フランス人という記事を昔どこかで見て、なんて面白い発想なんだろうと思った記憶があります。uemmaさんの記事を通してそのような知られざるフランス+デザインの世界を垣間見れるのを楽しみにしています。
なんて余裕のある教育現場なのでしょうか。
このような柔軟性が国民性にあることが羨ましく思います。
日本で言えば運動会になるのでしょうか。思い浮かびません。(笑)
余裕のある教育現場を構成する要素として、教員が負っている責任の量が少ないという部分が大きいと思います。部活動・清掃は関与する必要がないですし、体育の授業もコロナ以前までは外部の業者が毎週来て担当していました。
また個人的な見解ですが、この国では個々を尊重する教育がなされていますので、良くも悪くも子供らしさが残ったまま大人になる人が多く、それが柔軟性につながっているのかなと思います。
公立校でも普段から制服なので、私服登校は特別感があるのだと思います😊
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