見出し画像

元気だから「電車が好き」とか言っちゃう

電車が好きだ。
厳密に言うと、電車に乗ることが好きだ。

車内にはもちろん人がいるから、一人きりになれることはない。それでも、電車に乗っている時間は一人の時間としてカウントされる。その時間が心地よい。
音楽を聴いて、自分の思考の波を漂っているのが気持ちがいい。いきすぎると、昨日のように感情を揺さぶられてしまって泣いたり、落ち込んでしまうが。

電車に乗っているだけでなく、乗り換えの時間も楽しいから好きだ。電車もそうだが、路線と路線を繋いでいる駅という構造自体が好きなのかもしれない。

そもそも電車が好きな理由には、乗り換えに強いことがあると思う。おそらく乗り換え案内のアプリを見なくても、東京23区なら大体勘で行ける気がする。
だが、もともと乗り換えに強かったわけではない。これは鍛えたに近い。
大学が山手線エリアにあったことから、いろいろなところに出かけたし、数えきれないほどの様々なアルバイトをした。就職活動も転職活動もたくさんしたので、ありとあらゆるエリアに足を運んでいる。東京23区は、西部の一部以外は大体わかる気がする(行ったことがある程度も含めている)。

最初は乗り換えや駅の造りがわからなくておっかなびっくりだった。なんならわからなすぎて泣きそうになったこともある。
地下鉄の出口なんて有り得ないほど存在するし、とてつもなくわかりにくい。何度となく「どこなんだここは……」とはてしない気持ちになった。
駅から出れなくなったことだって何度もある。ダンジョンでお馴染みの新宿駅で、待ち合わせ場所にたどりつけないなんて当然のようにあるし、池袋で通ってた美容整体のお店の出口は何回通っても覚えられなかった(40何番出口探すの難しすぎないか?)。

ありとあらゆる失敗を繰り返し、いろいろな経験を積み重ねるうちに、気づいたら電車の乗り換えを克服し、なんなら得意になっていた。今やどこに行っても迷わない。いや迷っても困らない。これまでの経験があるから、大体なんかわかる。駅の案内板のひっかけ問題のような表記にだって惑わされないし、惑わされたところで大して焦らない。あーこのパターンね…と思う。
そもそも壊滅的な方向音痴だから、自分の本来の勘は何もあてにならない。完全に後天的な学習による賜物だ。

とはいえ電車での通勤が毎日となるとかなりキツいものがある。仕事を始めたといってもフルタイムではないから、何とかなるが。そもそも長時間立ちっぱなしというのも相当ハードだから、経験で座れることがわかっている電車に乗っている(行きも帰りも座れるんだよね)。
だからこんなことが言える。
毎日のお勤めで立ちながら電車に乗っている方は本当にご苦労様です…の気持ち。

ちなみに昔は山手線が好きだったが、今は地下鉄が好きだ。アイラブ東京メトロ。
ここ数年で聴覚過敏も緩和したが、乗り物酔いもよくなった。以前は地下鉄の電車に10分揺られると頭痛と吐き気に苦しみ、たまに途中降車するほどだったが、今はよっぽど体調が悪くない限りは大丈夫だ。
煩雑な地下鉄いいよね。

とはいえこれは全て体調が悪くない時の話だ。そもそも人が大勢いる空間に耐えることができなくなるから、調子が悪くなると電車に乗れない。

今はそこそこ元気なわたしだから、「電車いいよね」という話をできる。
春に感謝(冬が重めのうつなので)。

おしまい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?