フランス日記⑤ ~5月1日はミュゲの日、メーデーの日~
留学生活が始まって数か月後、何となく書き始めたフランス日記。
続かないだろうとは思っていたけれど、思っていたよりも続かなかった。自分の性格リストに「甲斐性なし」のワードが深く刻み込まれました。トホホ
日本国外で初めて過ごす年越をフランスで経験して、早くも4カ月が経った。光陰矢の如し、いはやはですね、なんて電話越しに母と話して、帰国がもう目の前に迫ってきていることに焦りを感じる。
まあ焦りなんて感じたところでどうしようもないので、日々を緩やかに生きるのみなんですが、ネ。
さて、夢のGWに突入した日本、皆様いかがお過ごしでしょうか。古株の友達からは毎日北海道旅行の写真が届いて、私はほくほくしております。ほくほく。
日本にも国民の休日や「○○の日」ってたくさんあるよね。日本では毎年のように出所もよくわからない「〇〇の日」が増えているようで不思議だけど、フランスにも「〇〇の日」はたくさんあるようで。
そんなフランスでは、5月1日は「メーデーの日」、そして「Muguetの日」だった。
「メーデーの日」それはつまり、「働かない日」らしい。
オルレアンでは基本トラム(路面電車)とバスで移動するのだけれど、1日日曜日はどちらも運休だった。よっぽど働きたくないのね。
ついこの間からジャンヌダルクのお祭りが始まったオルレアン。1日にも中心地で催し物があったらしい。興味はあったけれど、いかんせん移動手段がないものだから一日部屋で紅茶を飲みながらボーっとしてた。生産性を諦めた休日。
ちなみに、オルレアンに限らずフランス中の都市で、仕事に関するデモや集会が開かれたりもするらしい。
「この日に働くのはparisiens(パリジャン)くらいだよ」ついこの間知り合ったフランス人は、フフフ混じりにこう言ってた。
パリは大都市だから、メーデーの日は関係ないんだろうなあ。知らんけど。
ちなみに「Muguet(ミュゲ)」はスズランのこと。この日は、大切な人にスズランの花束を贈る日なんだって。
ルネサンス期から続く伝統で、始めたのはシャルルなんちゃらだとか。詳しいことはよく知らないけれど、どうやら小さいころにスズランを送られて嬉しかった王様が、大人になってから宮廷の女性たちに毎年スズランを贈ることにしたらしい。
なんともステキなエピソードだね。紅茶と一緒に今日もほくほくしている。
学校のプログラムが終了し、バカンスに入った留学生活。友達と連絡を取ると、「いつもバカンスじゃない?」って言われる。実際自分でもそう思う。
ありがたいね。
そんな今日、火曜日はいつもより少しだけ生産性のある生活をしている。帰国まで残り僅か。やりたいことは小山ほど残っているので、ひとつずつ消化していきたい。
そんなことを思いながら、濃くなりすぎた紅茶をズズズとすする。
クッキーも欲しくなってきたな。
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