夢裡 vol.1
私はある大きな会社で働いている。
ガラス張りの高層ビル。
レンがオフィスで同期と揉めているのが遠目でわかった。
「レン!」
部屋をあとにする彼を追う。
あれ、ここどこだろう
レンを追って外へ出たはずが、廃ビルに迷いこんでいた。
「え、」
まわりを見るとたくさんの孤児や乞食(こじき)に囲まれていた。
逃げようと宙へ高く飛ぶも、足をつかまれおろされた。
いつから持っていたのか、私の手にさげられている袋を欲しがっていた。
中にはお菓子やお昼に食べようと思って買ったおにぎりが入っていた。
とにかくそれを渡して行こうと思ったが、人が多い。
なぜかポケットに二千円が入っている。これで食べ物を買って戻ってくることにした。
違和感を感じ、もう片方のポケットにも手を入れると、見たこともないピンク色の入れ物が出てきた。
財布?キーケース?
まあ、いいや。とにかく買いにいこう
すると皆が笑顔で見送ってくれた。
走り出してから、その様子に違和感を感じた。
物陰に隠れている人の手には武器があったように見えたからだ。
まるで隠れて見送りながら、敵からの襲来を食い止めようと配置についているようにも思える。
そんなわけないか
そう思って廃ビルを抜けようとした、その瞬間。
ある映像が頭のなかに流れ込んできた。
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