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安全地帯という心休まる場所が多数あれば


地元の街を離れて、数か月。
この見知らぬ土地で頼れるのは、彼だけだった。

というのは、半分本当で半分冗談。
正しくは、彼だけではなく知り合いも近くにいるし、実家には1か月に1回は帰っている。最悪「別れても大丈夫だろう」とは思ったうえでこの土地に住むことを決めたはず。
だけど、世間の変わらない情勢により「落ち着いたら会おう」と言っている友人とはほとんど会えていない。結局1番会っているのは彼。

だから、結果的に頼れるのは彼だなと思っていた。


以前は会えても週に1回、10日に1回だったところが、仕事終わりでも会えるようになったから、「気づいたら週に2,3回」ってことも増えてきた。

長い時間を共に過ごすようになったら、必ずお互いの気になるところが出てくる。それも割と許容できていると思っていたけれど、どれだけ大好きでも、どれだけお互いを許していても、一緒に過ごしていると小さな不満が出てくる。自分の嫌なところにも向き合わないといけない。「いてくれてもいいけどひとりの時間がほしい」ってこともある。


案外、恋人ってそんなもの。



ひさしぶりにいつの日かと同じように友人とふたりでドライブした夜、なかなか他人に話せないような赤裸々な話をしたとき、すっと心が軽くなった。

「あ、彼以外にこんなにも自分をさらけ出せる人がいるんだな」って改めて気づいた。


人と会う機会が減ってから、彼だけが安全地帯であったように思っていた。でも、意外とそうでないかもしれない。

彼にはある程度のことは何でも話している。だけど、隠しているつもりはなくても彼にしない話を友人だったらできることもある。
あの夜、友人に赤裸々に語ったことはなかなか言えなかったことだったように。(結果的に「こんな話してん!」と後日話題にしたけれど。笑)

私はそれでよいと思っている。


パートナーのすべてを知っている必要はないと思うし、彼にも私以外に頼れる人がいてもいいと思う。パートナーだからといって、相手に過剰に縛られなくていいかなと。

自分の気持ちを吐露できる安全地帯がひとつよりもいくつかあることで、自分の安定と成長につながり、まわりまわってパートナー関係にもよい影響を与えるんじゃないかと私は思う。



ちなみに、夜ドライブしたのは異性の友人だ。
どんなに仲のいい同性の友人にはできない話をいつもする。
知り合ったのは私がまだ10代の頃で、初めて心を許せた異性であり、どんなときも程よい距離感で接してくれる。
そんな友人がいてよかったなと心から思う。


安全地帯の存在なんてどんなものでもよい。

ただ、ちょっと誰かに頼ったり、いつでも心が休まる場所があれば。


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