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#30 清子が教える「幸せになる」方法

【前回の内容】↓

ボナムが居ない1ヵ月も終わりを迎えようとしていた。
3日前から無駄に手汗が出る理由は
もうすぐ彼が、家に帰ってくるからだ。

授業で言われた
「帰ってから3日間が勝負です」というフレーズが
頭から離れない。

3日間、最低限の世話以外は
見ない、触らない、話しかけないを徹底すること。
ルールの徹底が主従関係を構築するというのだ。

授業で教えられたノウハウのメモを
毎日読み返す。
ボナムはしつけ教室で、分離不安が解消され
ある程度のしつけを全て仕上がったというのだ。
家から帰ってからが本番で、
その後は、飼い主次第…。

「明日だね」
「明日だね」
「どんな気持ち?」
「本当に帰ってくるのか不思議な気持ち」

もう育犬ノイローゼの旦那、そこには居なかった。
彼は、授業を受ける度に
「目からウロコだ!」と叫んでは
毎回脱皮していった。

何度も思う。
育犬ノイローゼは、実は、深い愛情を持つが故に
なるものなのではないかと。
旦那は、ボナムが居ない間も
毎日一歩ずつ歩み寄っていた。

犬の本能・習性を理解することで
これからどうボナムに接していくか
考えているようだった。

ボナムが帰ってきたらあんなところに行きたいね。
こんなところに行きたいねと2人でずっと話す。

最初ボナムを迎い入れた時は
なんでこうなったんだという
過去しか話していなかったが
いつしか私たちは、明るい未来のことしか
話さなくなっていた。
一歩ずつ、着々と進んでいるのだ。

ワン・ツーワン・ツー
ワン・ツーワン・ツー

私たちの足取りは、とても軽い。
2人で歩く歩幅を見ながら
人生の大先輩、水清寺清子のあの曲が
頭の中に流れてくる。

しあわせは 歩いてこない
だから歩いて ゆくんだね
一日一歩 三日で三歩
三歩進んで 二歩さがる

三百六十五歩のマーチ / 水前寺清子

二歩以上下がったとしても
この経験は、五歩も先をいける強さをくれた。

ワン・ツーワン・ツー

夫婦で足並みを揃え

ワン・ツーワン・ツー

しつけ教室にに向かう。

人生は ワン・ツー・パンチ
歩みを止めずに 夢みよう
千里の道も 一歩から
はじまることを 信じよう

三百六十五歩のマーチ / 水前寺清子

「千里の道も一歩から」って
ことわざを入れるところが
チーターの渋いところだよなぁ〜とか


「三百六十五歩のマーチ」って
実は、どのビジネス本にも勝る
コトの真理が書かれているんじゃないの!?とか

「三百六十五歩」って漢字で書くと
怖い呪文みたいじゃない?
もしかして、清子って人生のラスボス?

いつも通りふざけたことを思いながら
歌詞の意味を考えていた。

一歩ずつ、一歩ずつ進む先に幸せがある。
清子が教える「幸せになる方法」が
今の私たちには、しっくりくる気がした。

もうすぐ、ボナムに会える。
しつけ教室は、すぐそこだ。


ふざけた私の足あとにゃ、綺麗な花は咲くだろうか?

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