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別れの数だけ愛を知る

 こんにちは☺️
今回は前回の続き、中学からの経験を書いていきます。
中学から今まで、私は愛する人達との別れの連続でした。なぜこんなにも最愛の人達を失っていくんだろう。
10代の時は考えても考えても、悲しくなるばかりでした。

今も別れた人達を思い返すと、悲しくてたまらなくなる。
だけど同時に、どれだけ大切に想っていたのか
どれだけ支えられていたかが分かります。

愛していた分、別れは辛い。
別れてしまったから、愛に気付いた。

私は人一倍愛情が欲しかった子供時代を送っています。
愛されたくて助けて欲しくて
私は生まれてきて良かったんだって思いたかった。



 中学に入ると、両親が離婚をしました。
父は働いていなかったし、母は朝も昼も夜中も働き続けていました。小学生の頃、母の姿を見かけても疲れて眠る姿か、仕事へいく準備をしているか。
子供5人と大人2人、フィリピンにいる家族への仕送りをするには、いくら働いても足りなかったようです。

父には多額の借金があり、車の差し押さえがきたこともあります。電気もガスも水道も止まったこともありました。働きづめの母が、数ヶ月家出をしてしまったことも。

離婚して半年後、母方の祖母が台風の影響で急死しました。フィリピン語でおばあちゃんは、ロラといいます。

ロラの事は両親よりも好きでした。
両親から愛されてる事を実感できなかったし、
生まれてきてはいけなかったと感じる日々のなかで
ロラからの愛だけは安心して受け取る事ができました。

お別れは海の向こう。さよならも言えなかったし、ありがとうも愛してるも何も言えないままでした。
最後に会ったのは空港で抱きしめられた記憶でした。

その一年半後、いとこのお姉ちゃんが交通事故で亡くなりました。フィリピンで同じ屋根の下、一緒に生まれ育ちました。だから姉妹のように感じていました。
事故で亡くなる数日前、ビデオ通話をしました。
一緒にかわいいお洋服を買いに行こうね、と日常的なことを話していました。

高校に入ると母がいない時に代わりに育ててくれていた叔母が病死しました。叔母のことも大好きでした。手を繋ぐとなかなか離してくれなかったり、眠る時にいつまでも頭を撫でてくれる優しい人でした。

どの別れも思春期だった私には耐える事が精一杯でした。

あの時壊れそうだったけど、なんとか正気を保っていたのは、1番辛い立場が自分ではないと思っていたからだと思います。

私よりも母のが辛いだろう、だから母の前でいつまでも悲しんで落ち込んでいたら母をもっと悲しませてしまう。

母は一度私の前で命を絶とうとしました。
包丁の刃先を力一杯握りしめて、
「私が死んでしまえばいいんだ」と泣きながらいうんです。

母は肺に持病も持っています。
何度か血を吐く姿を見かけています。

子供の時は弱ってる母を見るのが何よりも怖くて不安でどうしようもない気持ちになりました。
今でも思い出しては苦しくなります。


いまだに母のそばにいると、
愛しているし大好きなのに息が詰まりそうになります。
鼓動も早くなって、落ち着かなくなります。人の記憶ってなぜ辛い事ばかり鮮明になるんだろう...
私はまだ母のことを乗り越えられてはいませんが、いつか一緒にいる事を心から幸せだと感じられるようになりたいです。



 思春期の頃に、離婚と死別を経験をして
大切な人を突然失う気持ちを知ることができました。

私にとって家族は世界で、
家族を失うということは世界の一部を失うことでした。

こうして振り返り今の自分を見てみると
失ってきた経験があったから、

今目の前にいる人との時間が大切に思います。

自分が生きている事も、他人が生きてることも
当たり前じゃない。

おはようという言葉は1番安心します。
おやすみは少し不安になります。

看護師をしていくなかで、
生死を目の前にすることは少なくありません。

家族や患者さんに心から寄り添えるようになれたのは、きっとこの経験があったからこそ。


別れの数だけ愛を知る。

そう思うとなんだか腑に落ちます。

家族、友人、恋人、患者さん

今日この日までもたくさんの、色んな形での別れを経験しました。

別れた日のことは忘れることができません。

私は愛を学ぶためにきっと多くの別れの機会と巡り合ってるんだと思います。

愛を知ることで、自分がどれだけ大切にされていたか、気付く事ができます。人は愛する人達に生かされてることにも気付きます。そして気づいた時には、自分の人生が愛おしく思えるようになります。

愛してもらってきた分、一生懸命生きていきたい。
どんなことも乗り越えたい。

そして私が愛した人たちには
みんな幸せであってほしいと心から思います。

神様にお祈りする時は
必ず願うことがあります。

私の大切な人達を守ってください。
辛い時にあってもどうか乗り越えられますように。
心と体が健康でありますように。



拝読ありがとうございました。






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