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すきなたべもの

5歳のこどもに6歳の誕生日会の食事を決めるため、好きな食べものを聞くと

ドリア、れんこんステーキ、トマト、きゅうり、茹でたブロッコリー、鶏の皮のから揚げ

と答えが返ってきた。確かにいつ用意しても喜んで食べてくれるものばかり。

私の好きな食べものを考えたけれどこんなにするすると出てこない。その時々で食べたいものは思いつくけれど、いつでも好きなものとなると意外と頭に浮かんでこない。そういえば、母に誕生日の献立を決めるため食べたいものを聞いてもやっぱりいつも答えがはっきりとは返ってこなかった。

大体、「今冷蔵庫にこれとこれがあるから、〇〇にしたら?」とか「なんでもいいよー手のかからないものにしなー」とか。喜んでもらえるメニューにしたくて聞いたものの、無理やり何か決めなきゃいけない空気になって考えさせるのは本末転倒な気がして、結局誰でも喜びそうなお祝いの日風な一般的メニューで済ませてしまうことが多い。

そんな母の答えを聞くたびに何とも言えない気持ちになるのに、自分も聞かれたら同じような言葉を返してしまいそうなことに気づいた。食べることは大好きだけれど、毎日料理をする側になると何を食べたいか考えること自体が既に料理の一環のように感じる。何もそのことについて考えずに食事が用意されていることが一番うれしいのかもしれない。

好きなものややりたいことが、年々「やった方がいいこと」や「後をスムーズにするためにやっておくと楽なこと」に押し出されていく。どれだけ押し出されても、自分の気持ちや感覚、感性は見えるところにあってほしい。



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