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知ってる?ウェブトゥーンの「コメント機能」について

みなさん、こんにちは。コピンコミュニケーションズジャパンのハツミと申します!弊社コピンでは、スマホ用縦スクロールマンガ、ウェブトゥーンを制作しております!

まだウェブトゥーンというものに馴染みがない方は、よろしければ、弊社の記事をご覧ください。

昨今、世界を席巻している新コンテンツ、ウェブトゥーン。実は、ウェブトゥーン誕生当初、その成長を支えたとも言われているユニークな機能がございました。それが、各プラットフォームにあった「コメント機能」です。

日本国内のウェブトゥーンプラットフォームLINEマンガにも、スクロールしていった最後の部分に、コメントを書ける場所がありますよね!

今回は、そのウェブトゥーンの「コメント機能」が、なぜウェブトゥーンの発展に寄与したのかや、コメント機能のメリット・デメリット、コメントに関するアレコレについて、お話しします!

コメント機能の歴史

ウェブトゥーンは、1990年代、韓国で誕生しました。はじめは作家が、個人のウェブサイトで、自分の作品をウェブ上で見れるように、スキャンした漫画などをアップしていたことがきっかけと言われています。

その頃から、作品の読者はウェブサイト上のコメント機能を使い、作者とコミュニケーションをとったり、作品の感想を書き込んだりとしていたようです。というのも、もともとこの頃のウェブトゥーンは、エッセイものや、短編日常ものが多かったらしく、日常にリンクする親近感などから、読者も活発にコメントをしていたそうです。その流れは、多くのウェブトゥーンで起こり、中には「コメントを見に来るために、作品を読んでいる」というユーザーも現れるほどだったそうです。

そして、韓国内でウェブトゥーンが個人サイトから、プラットフォーム上で見られるように進化してからも、コメント機能は残されました。読者の作品のフィードバックを受けて、作者自身がウェブトゥーン作品の最後のページにメッセージを描くということもあったそうです。

韓国のウェブサイトで、ウェブトゥーンに関する記事を読むと、このコメント機能こそが作者と読者の相互コミュニケーションを促し、韓国ウェブトゥーンの発展に寄与したと紹介されております。

具体的には、
・作者は、読者の生の感想が得られる
・読者は作者に感想を伝えられたと感じるため、体験が一方通行にならない
・読者同士でコミュニケーションが行える
・作品への接点が増えることで、読者が各自で作品の宣伝をするようになる

上記のような理由で、コメント機能は、いままでのコンテンツにはない、作者、ユーザー間の相互コミュニケーションを作り出し、ウェブトゥーンカルチャーの成長に寄与していったというのです。

そのため、今回はこの「コメント機能」について、深堀りしてみようと思ったわけです!

コメントのメリット

まず、コメント機能のメリットについてご紹介します。

●作品へのフィードバックが得られる
作者にとって、読者の作品への率直な感想は、作品の方向性を決めるうえで大事な要素になります。そのすべてを汲み取って作品を作ることは、不可能ですが、個人で作品をつくっていた作家にとっては、貴重なアドバイスなども多かったそうです。

●わかりやすい人気の判断基準
コメントの数が多い作品は、それだけ読者が多くそこに集まっていることの表れでもあるので、作品のわかりやすい人気の指標として、韓国内でもよく用いられていたようです。

●プラットフォームの滞在時間向上
コメント機能のような作品以外の楽しみがあることによって、ウェブトゥーンプラットフォーム上でのユーザーの滞在時間が増えます。ユーザーの滞在時間の増加は、結果的にプラットフォームの利用率や、他の作品へ回遊する機会を増やします。

コメントのデメリット

つぎに、コメント機能のデメリットについてです。

●誹謗中傷
Youtubeや、その他プラットフォームでも見られる現象ですが、匿名性のあるコメント欄は荒れがちです。作者に対する悪口や、読者同士での言い争いなどが書き込まれていると、作品自体のイメージを損ねてしまいます。また、中には、アダルトサイトへのスパムリンクを貼り付ける人もいます。

●ネタバレ書き込み
迷惑な書き込みとして、ネタバレがあります。それが意図したものであっても、意図していなかったとしても、ネタバレ行為は作品の楽しみを大きく損ないます。韓国では、ネタバレをする人たちのことを、スポイラーと呼ぶそうです…。私も気をつけよ…。


上記のように、コメント機能には様々なメリットもある反面、でもりっともございます。ユーザー数の増加とともに、最近ではコントロールができず、デメリットばかりが目立つようになってきてしまったのかなと思います。

コメント機能を廃したレジンコミックス

一方、韓国ではじめて有料プラットフォームを立ち上げたレジンコミックスでは、その他プラットフォームで採用してきたコメント機能を採用していません。

この理由について、レジンコミックスは以下のように説明しております。

・作者が作品に集中できるようにするため
(誹謗中傷や、干渉しすぎなアドバイスから守る)

・読者が作品に集中できるようにするため

もともと、コメント機能は、ユーザーのプラットフォーム利用率をあげ、課金を促す目的があったわけですので、すでに有料プラットフォームとして確立しているレジンコミックスとしては、コメント機能は必要のないものだったのかもしれません。


こういった背景から、現在ではウェブトゥーンのコメント機能の価値を再度考え直す必要がでてきているのです。

ネイバーウェブトゥーンが返信機能を追加

そんななか、韓国ウェブトゥーンのプラットフォーム、ネイバーウェブトゥーンにて新機能が追加されました。コメントへの「返信機能」です。これは、Youtubeのコメント欄のようなものです。コメントをした読者に対し、別の読者がコメントで返信をし、スレッド構造ができていくのです。

ところで皆さんは、Youtubeに昔、何気なく残したコメントに、あとで誰かかから返信がきて、通知が来るってことありませんでしたか?私はよくあります。2年前に投稿した黒歴史みたいなコメントを、誰かの返信によって思い出し、狼狽した記憶が何度もあります。

ここからは私の推測なのですが、ネイバーウェブトゥーンの返信機能も、Youtubeの返信機能も、よりユーザーをプラットフォームに依存させるためのシステムなのではないかと思うのです。

いままでは、コメントを書いたら終わり、誰かが見てくれたらいいな程度で書き込んでいたものが、返信がついたり、グッドボタンが押されるとなったらどうなるでしょう?それが気になって、またプラットフォームに足を運んでしまうと思いませんか?もしくは、私みたいに、プラットフォームから一定期間、距離を置いていたとしても、後で返信通知がきたときに、またプラットフォームに足を運ぶようになると思いませんか。

そういった理由から、コメント機能をうまく利用しようとしている企業もあると推測しております。

コメント機能を使用した面白い例

韓国の例ばかりお話ししましたが、以下では、日本でのコメント機能を利用したおもしろい作品をご紹介します。

ジャンプ+で掲載されていた、漫☆画太郎先生の『変臭者☆モミーの大冒険』です。こちらはウェブトゥーンではないのですが、コメント機能をおもしろく使っている事例として、ご紹介します。

こちらは、漫☆画太郎さんが、2021年6月4日発売する予定だった『星の王子さま』6巻に向けて掲載された漫画です。内容としては、編集担当のモミーが、漫☆画太郎先生の家に原稿をとりに行き、無事に原稿をとってくるという、おつかい漫画です。

しかし、編集担当のモミーは、原稿をとりに行く途中で道に迷ってしまいます。そこで、地図アプリを見ていたところ、突如、地図アプリの画面が切り替わり、ジャンプ+内のコメント欄が現れるのです!

そしてなんと、モミーが読者側に話しかけてくるのです。「コメントで俺に方向指示してくれ」と…!

画太郎

詳細なルール説明までついております(笑)

画太郎2

これによって漫画のストーリーがどんどん変わっていくのですが、内容は読んでからのお楽しみ…。

上記のように、コメント機能にあえてフォーカスし、それありきで作品を作り上げているのが斬新で面白いなぁと感じたので紹介させていただきました。個人的には、ルール説明や文字制限を設けて、誹謗中傷などをコントロールしたのも賢いなと思いますね(笑)


まとめ

今回は、ウェブトゥーンのコメント機能について、ざっくりご紹介させていただきました。

韓国内でも、悪意のあるコメントだけ検出し、事前にブロックするなど、デメリットだけを払拭できないか求める発言もみかけますが、技術的問題があり、まだ実現は難しいようです。

初代ウェブトゥーンの発展に寄与し、そして、プラットフォームの利用率を上げる可能性も持つコメント機能。今後どのように進化していくか、動向が気になりますね!


弊社コピンも、ウェブトゥーンの本場である韓国本社と連携し、日々ウェブトゥーンを制作に励んでおります。もし、ウェブトゥーンを描いてみたいとか、弊社に興味を持ってくださった方がいましたら、ぜひ弊社にお声がけください。

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