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中小・零細企業(製造業)の後継者 ~2代目~

私は創業者でも経営者でもない。
ただの社員だ。
日本には高度経済成長期バブルと今では考えられない位、日本が強く元気だった時代がある。
私は、その時代を全然知らない。
働き出した時には不景気の言葉が飛び交い、メディアによって、イザナミだのイザナギだの景気が煽られるだけで、リーマンショックコロナショックと、上がれば下がるを繰り返す。
高低差ありすぎて耳キ……

多くの人が夢や志を持ち製造業で起業していった。
以前居た会社の上司に昔聞いた事がある。
とある地方の商店街で「社長っ」と声を張って呼ぶと、何人もが返事をして振り返る様な時代があったらしい。

そんな時代に出来た会社も、不景気を乗り越え世代交代を乗り越えられた会社が、どれだけあっただろうか。
創業者の高齢化後継ぎ問題で、廃業と言う道を選ぶ会社も増えて来ている。

私は、今、人生で2社目の会社に居るが、2社共、創業者の長男が継いでいる。
創業者から2代目に移る瞬間を2社共に経験しているが、2社共に言える事は、2代目になると社内が殺伐とした雰囲気になって行く。
20人程しか居ない社員の扱いが義務的と言うか事務的と言うか、私だけかもしれないが、人の扱いに対しての違和感が凄くある様に感じてしまう。

何も無い、ゼロからのスタートで、現在に至る企業を築いた創業者と比べる事に無理があるのかもしれない。
労働環境や法律が厳しくなる中で、経営者としての在り方も複雑になって行っているのもわかるが、社長になると決めてなったのだから、社員との信頼関係を作る事に尽力して欲しいと思ってしまう。

その点で、創業者は上手い。
厳しい事を言ったり、たまに、ちょっとそれは…と言う発言や行動があったりはしても、労いの言葉や、社員の家族の事を気に掛けてくれたり、売り上げが無い中でも、ボーナスまでは無くとも寸志の手当てをくれたりと、社員あっての会社であると言う所を見せてくれる。
そこに至るまでに、人間関係の失敗も経験済みなのだと思う。
お金の無い時代、会社が軌道に乗れるまでの時代の経験もある。

そして、何故か、2代目には、優秀な友達と言う肩書きの人間が会社に現れる。
だいたい、経営コンサルタントの現役か、経験者である。
この先の見えない時代に会社を継いだのだから、その精神的な不安や責任は私には解りかねるが、社内の社員よりも、優秀な友達に会社を強くして貰おうとする。
その友達に、お金を払った時点で利害関係が生まれる。
私のプライベートでの経験上、友達との間に、お金が絡むと、その友達は、お金の為に自分に都合の良い様に話を持って行く様になる。
お金の絡んだ仕事の話を、そこそこの企業の経営者が持ち掛けて、それを、その友達が引き受けた時点で、友達関係なんて言う、プライベートな関係は崩壊したと思った方が良い。

次に、創業者よりも経営者としての実力がある所を見せようとする為に、斬新な事を始める。違う商売を始めようとしたりする。
上手く行けば良いとは思うが、上手く行っていないのに、上手く行ってる様に言い出す場合がある。

私はただ、悪口が言いたいのでは無い。
背伸びをして優秀な経営者ぶらないで欲しい。
この厳しい時代を、経営者に全て押し付けて乗り越えられる訳がない。
カリスマ的な創業者でも無い限り無理がある。
社員と言う、1番近くで会社を支えている人達を味方に付ける事が最善であり、最強だと私は思う。

最後に、もう一度。
私は創業者でも経営者でも無い。
ただの社員だ。
会社が嫌なら辞めれば良い立場の人間である。
現に辞めている。
初めて就職して17年間働いた。
2代目になって数年で辞めた。
加工現場のトップにもなり、家族ができ、家も建て、私の仕事の原点でもあり、何も無かった私を、1人前に生活が出来るまでに育ててくれた会社を辞めた。
悪く思っている訳では無い、辞めた今となっては、感謝しかない。
今居る会社で経験者として、中途採用で厚待遇で働けているのは、我慢強く、私を育ててくれた最初の会社があったからである。

私が仕事を教えた後輩達が5人辞め、私が辞め、人の入れ替わりが激しくなったらしい。
技術職なのに。
小さな会社の、親族経営の会社では、現場のトップであろうが会社を去ると言う選択肢しか無かった。
私がもっと優秀なら何とかなったのだろうか。
今の時代、過去に答えの無い時代を、どう乗り越えて行けるか、小さな会社の隅っこで考えている。


最後まで読んで頂きありがとうございました。
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