中古戸建から中古マンションへ

団地を検討していたとき、二宮町、小田原市辺りの民間の賃貸物件もついでに見て回っていました。そのとき、「海が見える物件」に出合いました。前回の団地に住みたい①でも書いたとおり、僕は開放感のある家が好きです。海が見えるとなると抜群の開放感で、気付けば「海の近くに住みたい」に思いはすっかり変わっていました。それが無理でも、湘南地域に住みたい。そして、通勤を考え、できればJR東海道線沿いの平塚駅より東側に住みたい。しかし、湘南地域でも東京に近くなるに従って、家賃や地価が高くなっていきます。賃貸でも月々の家賃が結構苦しそうですし、土地を買って注文住宅を建てるとか、新築マンションを買うのはできそうにありません。そこらへんの折り合いをどうつけようか?という感じでした。

そんなとき、YouTubeや書籍などで、「中古の戸建てがお得」という情報を多く目にしました。日本の中古戸建の市場では、一般的に築20~25年程度で、建物の価値がゼロになるらしいです。つまり、それ以降の築年数の中古戸建を購入すれば、ほぼ土地代だけで建物も手に入ってラッキーという理屈です。今ではリノベーションもだいぶ一般的になっている(セルフでやる人も増えている)ため、中古戸建を買ってリノベーションし、お得に理想の家をゲットしようと。すっかりその気になった僕は、「湘南地域で中古戸建を探そう」という気になっていました。調べてみると、駅から少し距離のある中古戸建なら、僕でも手が届くものがありそう。一般的には、中古戸建を探したうえ、リノベをしてくれる工務店探しをすることは面倒とも言われています。また、住宅ローンの他、リフォームローンという制度もありますが、リフォームローンは金利が住宅ローンに比べると割高です。住宅ローンにリフォーム費用を組み込むことが理想で、それには住宅購入時点でリフォームの費用もわかっている必要があるなど、やや面倒になります。それを踏まえ、物件探しからリフォームまでワンステップで行ってくれる業者もあります。しかし、僕の利点は、2世帯を検討していたため、顔馴染みの工務店があることです。なので、物件を見つけてから工務店を探す人たちに比べれば、効率的に物件探しができると考えました。そして、意気揚々と、2世帯を建ててもらおうと思っていた工務店(以下「A工務店」とします。)に相談に行きました。※一般的に、リフォームは骨格を変えず設備などを修理すること。(例:風呂トイレを最新の物に取りかえる工事など。)リノベーションは骨格も含め大幅な改修を加えることを指すそうです。(例:和室を洋室にする。間取りを変えるなど。)しかし、「リノベーション」という言葉の方が響きがカッコいいので、現在はなんでもかんでもリノベーションと呼ぶことが多いそうです。という訳で僕も以下はリノベに統一します(笑)。

「私個人としては中古戸建はオススメしません。」

A工務店の社長さんに言われ、出鼻をくじかれた感じになってしまいました。理由としては、ざっくり、①戦後の物件は粗悪なものが多いこと。②リセールが難しいことの二つです。

①について。戦後、「新建材」と呼ばれる化学製品系の建材が住宅に使用されるようになりました。そのような住宅の特徴は、早く、安価に、簡易に、建てることができるメリットがある一方、何十年とはもたないそうです。昔、「ソニータイマー」なる言葉がありましたが、あれに近いのかもしれません。「築100年以上経っているような「古民家」なら、非常に丈夫に作られているので、それをリノベするなら良いと思うけど・・・。」と言われました。「戦後に建てられたような住宅を、「内装だけ」おしゃれにリノベしても、定期的にあちこちに不具合が出てくる可能性がある。リノベしたうえ、それらを都度修復していくと、長いスパンで見たとき、新築を建てるのとさほど変わらない金額が掛かってしまうことが往々にしてある。それなら初めから(自然素材で丁寧に)丈夫な新築を建てた方が良い。」と言われました。参考までに古民家を探してみましたが、神奈川で古民家はほぼ見つかりませんでした。東京神奈川辺りは戦争で焼け野原になったことと、再開発されてしまったことが要因なのかなと思っています。地方なら残ってて、空き家になったりしているんですけどね。羨ましい。また、その建物の「内側」がどれくらい傷んでいるか、どんな問題が発生しているかは、一旦壁などを剥がさない限り、専門家でも判断が難しいようです。そう言えば昔見ていた「劇的ビフォーアフター」でも、壁を剥がしてからトラブルが発生することはあるあるだったように思います。前述の「20~25年で戸建の価値がゼロになる」と聞いたときは、初めはおかしな話だと思いましたが、そのような事情があるのであれば、少し納得しました。

②については、以上のように中古戸建は考慮すべきことが多く、売りにくいです。更地にすれば売れる可能性は高まるでしょうが、解体費用が余計に掛かってしまいます。初めから売ることを想定しているのであれば、中古マンションの方が良いと。マンションとなれば、建物全体の構造には一般的にはそこまで差がないと言われていますし(中には手抜き工事や偽装が問題になるものもありますが)、状態を確認すべき箇所も少ないです。リノベするにも、戸建てに比べ施工範囲が絞られます。また、駅近や一芸(それこそ海が見えるなど)があれば、価格が落ちにくいと言われています。しかし、いわゆる「終の棲家」にするつもりであれば、マンションはあまりオススメしないことも言われました。これはまた別の機会に書きたいと思います。そして、A工務店はいわゆる町の工務店ですが、マンションリノベの実績もあるので、相談に乗れると言ってくれました。マンションなので、建物の外観をイジることはできませんが、室内を自然素材でいっぱいにした木の温もりを感じられる家にすることはできるそうです。それを聞いてテンションが上がってしまいました。

以上より、「湘南地域で中古マンションを購入してリノベ」ということに舵を切り直すことにしました。(我ながら本当に影響を受けやすいと思います(苦笑)。)

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