#瀧本宿題 2020年6月30日
圧倒的な生き様だった。
彼がまた会おう、と設定した日付に、
まさか彼がこの世にいないとは。
第一檄 人のふりした猿にはなるな
第二檄 最重要の学問は「言葉」である
第三檄 世界を変える「学派」をつくれ
第四檄 交渉は「情報戦」
第五檄 人生は「3勝97敗」のゲームだ
第六檄 よき航海をゆけ
いない人からの言葉は、否が応でも自分がどう生きるのか、という問いを突き付けられる。彼が生きたかったけれど生きられなかった命を、お前はどう生きるのだ、と。
最後まで無私、嘘がなく、「お金はもう稼いだから」と嘯き、あんなにチャーミングで不器用でpay forwardな人は見たことがない。
もしかしたら、自分の死期を悟られていたのかもしれない。
彼はその講義や著書の中でいくつもの「檄」を飛ばす。
全てに通底しているのは、「自分の頭で考えろ」ということである。人間のような猿にはなるな。自分の頭で考えない猿は代替可能である。本を読んだだけでは意味がない。実際に行動を起こすことが重要だ。教養を身につけよ。どこかに絶対的に正しい答えが転がっていることなどないのだから。教養とは知識をひけらかすためではなく「他の見方・考え方があり得ることを示す」ためにあるのだ。中央政府やエスタブリッシュメントは機能していない、ダメな場所からは離れよ、ゆるやかなつながりの見えない結社をつくれ…。
なかでも好きなのは、「たまたま失敗した人を助けよ」。
リーダーは初めからリーダーなのではない。挑戦するから失敗できるのであり、失敗はその人を育てる。つらい局面で差し伸べられた手を、その人は忘れない。
「僕は日本の未来に期待したい」
「それぞれの持ち場で、やるべきことをやれ」
実際に彼に会って、私の人生も少し変えられてしまった。
2020年6月30日の今日、京大に行こうとしたことは内緒である。
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