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拓本ってそうゆうことだったのか

 拓本については何度か説明を聞いたことがあった。魚拓も見たことがあった。けれど、実際にやっているところの現場を見たことはなかった。いつも石に彫られた文字などの拓本を見ては「どうして出来上がったものは鏡文字になっていないのだろう?」と不思議だったし、魚拓を見ては「真っ黒になった魚を洗うのは大変なんじゃないだろうか?」と心配していた。今回のアートクラスでドライポイントと呼ばれる凹版画を作ることにした。透明のプラスチック版をニードルと呼ばれる針がついたペンで彫る。透明の板は写しとる絵が見やすいのはいいが、どこを削ったのかが見えにくい。先生が「貸してごらん」と彫ったプラスチック版の上に薄い紙を置き、鉛筆で全体を擦りだした。「おー!これ葉っぱとかでするやつですね」と私が驚いていると、先生が教えてくれた。「これが拓本です」。わぁ、だから拓本された文字は鏡文字にならず、魚は真っ黒になっていなかったのだ。

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