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【観劇log】RENT2020 - 東京千秋楽の日によせて

本当は今日、東宝ミュージカル「RENT 2020」は日比谷のシアタークリエで東京千秋楽を迎える予定でした。公演中止が発表されてから、2週間が経ちました。RENTという作品が大好きだからこそ、たくさんの方に観てほしかった。悔しくて、すこし寂しいです。

RENT2020 キャスト・スタッフをはじめ、新型コロナウイルス感染症に感染されたすべての方の快復を願って、ここに感想を残します。

1:劇場のようす

シアタークリエは、ロビーがとにかく狭い。
座席600席強あるけど、ロビーの広さが足りないと行く度にいつも思う。普段、グッズ販売はエレベーターを降りてすぐ(女性トイレ入口の向かい)に設置されるが、今回はロビー奥のドリンクカウンターにてグッズと軽食・ペットボトル飲料の販売が行われていました。

私が会場に付いたのは開演15分前。1階でチケットをもぎってエレベーターではなく、階段でロビーへ。15分前になれば、ロビーも落ち着いて混雑していないかな、と思っていたのですが、ロビーはグッズ販売の列と女性トイレの列が混みあって、かなり混雑していたイメージ。お客さん同士の話し声も聞こえました。

客席は100%動員で、最前列以外は全席販売されていた模様。私はエンジェルシートでの観劇だったため、2列目のセンターブロックに着席。最近よくある「最前列はフェイスシールド着用」なんてことはなく、マスクを着けて観劇しました。開演までも、客席は少しザワついていたけど、スタッフから話すのを控えて、と声を掛ける様子はない。

結局は自己責任
RENT2020での陽性者が出てから、観劇したお客さんも陽性だった、というツイートをいくつか見かけた。SNS上での発信だったため、信ぴょう性はないに等しいが、感染ルートは「劇場」とのことだった。
ツイートされた本人は、キャスト(ステージ上からのエアロゾル)からの感染を疑っているようだったけど、私はそうは思えなかった。シアタークリエのロビーの混雑具合、観客同士で話をしている人も多く見かけた。時期的にGO TOキャンペーンが盛り上がっていた頃だし、感染者数も現時点(12/6)ほど多くはなかったころで、気が緩んでいる人が多かったのかもしれない。

劇場側が、運営側が感染対策を講じているからと言って、それに頼りきりになってはいけない。外食をするにしても、劇場に足を運ぶにしても、いつも以上に気を配って自分自身で対策して行動するべきと思っています。外に出る、人がたくさんいるところに行く、マスクを外して食事をする。すべては自分で判断して行動すると思うので、自己責任で過ごしていきたい。

2:観劇キャスト(11/7マチネ)

マーク - 平間壮一
前回まではエンジェルで見ていたので、キャスト発表時に一番驚いたキャスティング。マークでオーディション受けていたそうで、やっと辿り着いた姿を見ることが出来て嬉しかったです。エンジェル演じてからのマーク、深みがある ... 。
マークは今まで賀来賢人さん、村井良太さんと見てきたけど、そこに比べたら細すぎて、見ていて正直「このマーク、本当にその日暮らし感あるな」と思いました。

ロジャー - 堂珍嘉邦
2012年からRENTを見てきて、2015・2017年ロジャーは実は堂珍さんでしか見ていません。見ないつもりはなかったんだけど、チケットが取れなかったり、仕事で行けなくなってしまったり、本当に偶然が重なりに重なってこうなってしまった。42歳になったと聞いて吃驚した。
私の中のロジャーはこの先もずっと堂珍さんな気がする。ミミの「No day, but today」に勝てないロジャーの「Anotherday」がたまらなく好き。

ミミ - 八木アリサ
ミミJenniferが可愛くて大好きだったんだけど、彼女は10年近くミミを演じられていたのですね、そりゃあお子さんもクリエ作品に出ますよ。時の流れは早い。八木ミミはとにかく美。キャットスクラッチクラブのダンサーやってるのも納得。ロジャーがエイプリルを重ねてしまうのも納得。黄泉がえりしてからが元気すぎと思ったけど、そういうところも好きになれそう。元気がいちばん。

コリンズ - 光永泰一朗
2幕「Without you」終盤でセンターにエンジェルとコリンズが来た時、ちょうど席位置的に光永コリンズと目が合ってる気がして「やめて、そんな目でこっちを見ないで・・」と泣きながら思った。優しさがあふれ出てる。

エンジェル - 上口耕平
いろいろな作品で見ていたので、エンジェル役と聞いて「絶対にみないと!!!」と思ったうちのひとり。いつもニコニコしてて可愛さがあふれ出てる。見てるだけでこっちもニコニコしました。上口エンジェル何回も見たかったな。contact、とても良かった。

モーリーン - 鈴木瑛美子
はじめましての方で、前知識も入れずに拝見したのですがミュージカル経験浅くてモーリーンを演じるって、すごく難しいと思うんです。でも鈴木モーリーンは役との違和感がなくて、歴代キャストとも一味違ったモーリーンで、若々しさがあって新鮮でした。

ほかのWキャストの方々も観たかった・・・!
いつかまたこのキャストで再演してほしいです。

3:感想戦

何回観ても、泣く。
RENTは2012年から劇場で観始めて、もう何回観てるかもわからないし、DVDもブロードウェイ版と映画版を持ってるんだけど、どれを何回観ても泣く。2幕「Without you」からの「I'll cover you (Reprise)」はもう鉄板。ここで泣かなかったことはない。I'll cover you (Reprise) ラストの、コリンズの歌声が最後に残る演出(あれは演出ですか?)でトドメを刺される。そのまま涙を引きずって「Good-bye love」でもうひと泣きする。
何歳になっても、どんな心境で観ても、同じところで泣いて、同じようなことを思うと良くも悪くも私って変わらないんだな、と思う。いつまで経っても泣き虫なところは、ちょっと好きです。

私が考える「愛の季節」
RENTで一番有名な曲は「Seasons of Love」だと思うのですが、舞台版では2幕頭、映画版では冒頭に歌われます。映画版を初めてみたとき、何で冒頭でこの曲を歌うんだろう?と思ったのですが、舞台版は日付感覚での1年(西暦が変わる、年末年始、元旦 の1年)で、映画版はエンジェルやミミと出会ってからの1年間なのかなと。どちらも同じ1年だけど、区切りの位置を変えるだけでこんなにも印象が変わってくるんだなあ。

「Seasons of Love」の「愛の季節」って何?どういうこと?と考え始めて、まだ正しい答えに辿りついたことはないのですが、最近の私はこう考えています。

1年は365日しかなくて、525600秒しかなくて。数字にしてしまうと限られるものになってしまうけど、1年間で自分が感じた愛の数で数えたら、きっとそれ以上になるんじゃないかな、と思っています。誰かに愛される、誰かを愛する、人だけじゃなくてたくさんの物に対しても、感じた愛の数を数えていったら、限りある数字以上になるのではないでしょうか。

人生は有限だからこそ、限られた時間だからこそ、たくさんの物を好きになりたい。嫌いなものより、好きなもので溢れる人生の方がきっと楽しい。

4:おまけ

RENT 観たりない!という方には映像をオススメします。
映画版、ブロードウェイ版はAmazon prime videoで観られますし、DVDパッケージは家電量販店の3本3000円コーナーにだいたい置いてあります。

日本版を初見で観て、ストーリーに付いていけなかった方も、映画版を見るとシーン背景などわかりやすいと思います。

★映画版
モーリーン役はディズニー映画「アナと雪の女王」エルサ や ミュージカル「Wicked」エルファバ(オリジナルキャスト) のイディナ・メンゼル。

★ブロードウェイ版
特典として、ブロードウェイ公演のRENT千秋楽日の映像が入っています。エンジェルシートの抽選の様子も。私もいつかブロードウェイで観たい。


私は辛いとき、泣きたいときにRENTを観ます。
たくさん泣いて、また新しい一歩を踏み出すために。

#観劇 #観劇記録 #ミュージカル #舞台 #RENT #RENT2020

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