10代がサブスクを使わない理由、その解決策を新米マーケターが考えてみた。
こんにちは!トライバルメディアハウスに2020年4月に新卒入社いたしました、草野 朱音(くさの あかね)と申します。
内定者時代からトライバルでインターンとしてSpark!(※)の活動に参加したり、マーケティング業務のお手伝いをしたりしていました。
※若手メンバーを中心としたトレンド研究所
そんな私の個人noteデビューでは
「10代の若者がサブスクリプションサービス(以下サブスク)を利用しない理由」を考察し、その解決策を探っていきます!
トライバル新卒の私がサブスクに目をつけたワケ
そもそもなぜサブスクに興味があるのかというお話を少しだけ。
私がトライバルに入社したのは、「熱狂マーケティングをやりたいから」でした。
(この詳細はまた別の記事でつらつらと書きたいな~と思っております)
サブスクって、もちろん気軽に試せるとか、安いからとか、始める理由ってたくさんあると思います。
でも、その一方でそのサービスを好きじゃないと利用し続けないと思うんです。
どんなに便利でも、その企業やサービスを嫌いになったらすぐに解約するだろうし
逆に利用していくうちに愛着が湧いて好きになってもらえることってたくさんあるんじゃないかと。
熱狂マーケターになるにあたって、サブスクのもつ可能性を探っていきたい!と思い、Spark! の研究でもテーマにするに至りました。
今回は新米マーケターの視点で、サブスクを紐解いていったあと(※)、本題の若者とサブスクの関係性の話に移っていきます。
※初めはサブスクの機能的な説明をしているので、すでに基本的な知識をお持ちの方は「若者とサブスクは相性がいいって話」からお読みいただけると幸いです。
サブスク、流行ってますよね。
「2019ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートまでされた「サブスク」。
ここで改めてサブスクリプションを定義します。
サブスクリプションとは
定額料金を支払うことで、一定期間のサービスを受けられるビジネスモデル。商品やサービスに代金を直接支払うのでなく、「利用期間」に対価を払っているのが特徴。
なんでそんなに流行ってるの?サブスクにするメリット
定番の音楽や動画をはじめ、衣食住すべてをサブスクで賄うこともできるほどサービスは充実してきています。
生活者にとって、サブスクを利用するメリットは以下のようなものが挙げられます。
生活者側のメリット
・コスパがいい
例えばApple MusicやSpotifyなど、音楽のサブスク。
欲しいCDを1枚1枚買うより、これらに登録されている曲を定額で聞き放題のほうがコスパはいいですよね。
・初期費用が抑えられる
例えばsubsclifeやCLASなど、家具のサブスク。
実家住まいから一人暮らしを始める際などは、家具を新しく買おうとしたらかなり費用がかさみますよね。
しかし、サブスクなら数百円からレンタルできます。
・気軽に試せる
今度はairClosetやメチャカリなどの服のサブスクを例に考えてみます。
いつもと違うテイストの服を着てみたくなるとき、どんなものが似合うのかわからない状態でお店にいって、いきなり購入するのは少し勇気がいることだと思います。
でもサブスクなら、気軽に試せて気に入らなければ返却することが可能です。
初月無料のサービスが多いのも気軽に試せる理由の1つです。
・いつでも解約できる
当然、やめたくなったら解約できます。
一方、企業にとっても、もちろんメリットはあります。
企業側のメリット
・継続的に利益が出る
・継続して利用してもらうことで、ユーザーデータを集められ、品質向上につながる
・新規顧客を獲得しやすい
・スイッチングコスト(※)を構築できる
※スイッチングコスト
既存企業の製品の消費者が新規参入企業の製品にスイッチするときにかかる物理的・精神的コスト(有斐閣『マーケティング戦略 第5版』p.140より引用)
つまり、一度契約するとプランやらクレジットカード情報やら再登録するのが面倒くさくなるので、継続してもらいやすいってことです。
サブスクが流行する背景には、これらのメリットのほかに、
人々の消費観の変化があります。
「モノからコトへ」なんてよく言われますが、現代は「なにを持っているか」よりも、「どんな体験をしているのか」を重視するようになりました。
そんなサブスク、若者と相性がいいって知っていましたか?
若者とサブスクは相性がいいって話
今の若者はモノを買わない、なんて言われています(※)。
でも、お金を使わないわけではありません。
消費者庁の調査によると、「買い物が好き」と答えた割合は10~30代が最も多いのです。
※参考:PRESIDENT WOMAN「"モノを買わない若者"は一体何にお金を使うか」2019年11月28日
(出典:消費者庁「若者の消費に対する意識」2016年)
ということは、10代~30代は
モノは買わないけど、買い物は好き
→ モノではなく、体験[コト]を買っている
→ コト消費を最も好んでいる
と言えるのではないでしょうか。
モノに重視していないという点で、
サブスクと若者は相性がいいということになります。
実際に、サブスクを使っているのは20代~30代が最も多いという調査結果が出ています。
【年代別のサブスクの認知度・利用度の割合】
(出典:MarkeZine「サブスクリプション型サービスの実態」2019年4月25日)
一方、最も「内容も含めてよく知っている」人の割合が多いのは
【10代】という結果になっています。
しかし、実際に利用している割合は30代よりも少ないのはなぜでしょうか?
所得の問題はもちろんありますが、そのほかに
彼ら・彼女らがサブスクを利用しない・できない理由とは何か、次で考察します。
便利なのはわかるけど…中高生が直面する2つの壁
今回は中高生が最も使いそうなサブスクの1つとして、音楽配信サービスを例に説明します。
学割を使えば数百円払うだけで簡単に音楽が聴き放題になるのに、
なぜ中高生はサービスを利用しないのだろうか?
そう思う方もいるかもしれませんが、まず、この文には2つ間違いがあります。
中高生は学割が使えないことが多いし、支払い方法が簡単ではないのです。
それぞれ①「学割」の壁 ②決済方法の壁 と名付けて、順を追って説明します。
①「学割」の壁
学生割引というと、一般的に映画館などへの入場料を学生(中学~大学生)に対して割引することを指しますが、音楽配信サービスの場合は対象に中学生・高校生が含まれないことがあります。
このため、所得がない/低い中高生は大人と同じ料金を払って利用しなければならないのです。
(引用:パン活!「中学生・高校生が音楽サブスクを使うには?おすすめアプリやプライバシーの問題を解説」2020年5月5日)
※LINE MUSICのほかに、最近ではAWAが2020年4月14日に中学生以上を対象にした「学生プラン」を発表しました。
②「決済方法」の壁
中学・高校生は基本的に自分でお金は稼げないし、ましてやカードなんて持つことさえできません。
サブスクの決済方法の中に「コンビニ払い」があったりしますが、毎月コンビニで料金を支払うのはなかなか大変ですよね。
手数料だってとられちゃう。
せっかく便利なサブスクも、決済方法が若者にとって障壁となっています。
だったら、その壁なくしちゃえばいいんじゃない?
え~~、じゃあ、中高生にサービスを使ってもらうにはどうしたらいいの?
安心して下さい。
解決策を新人なりに考えてみました!
①学生の対象を「中学生以上」にする
継続して料金を支払えるか不明確であり、さらに日本だけで展開されているサービスではないことも多いため、どこから学生とみなすかは少々厳しい面もあるのかもしれません。
しかし、この壁を壊せればかなりサブスクへのハードルは下がるはず。
②スマホ決済対応にする
ここで強調したいのは、【個人間送金のできる】スマホ決済対応にぜひしてほしいということ。
その理由は中高生のお小遣い事情にあります。
消費税の増税に合わせて、日本のキャッシュレス化が大きく推進されましたよね。
今の中高生はPayPayやLINE Payでお小遣いをもらうこともあるって知っていましたか?
この新たな流れを見逃すわけにはいきません!
しかし、スマホ決済ができるサービスはまだまだ少ないんじゃないかなあという印象です。
【音楽配信サービス5社の決済方法】
スマホ決済を導入しているのは、5社中2社でした。
「先行優位性」という言葉があるように、新しい市場に参入することで他のサービスと差別化をはかることが期待されます。
クレジットカード決済にプラスして、スマホ決済ができるようになれば、
中高生が自分のお小遣いでサブスクを利用できるように!
例えば現在では、LINEのクリエイターズスタンプ使い放題サービス LINEスタンプ プレミアムではLINE Pay残高決済ができます。
これによって自分のお小遣いでサブスクデビューした中高生は多いのではないでしょうか。
昔、LINEスタンプ1つ買うにも親に相談しなければならなかったあの日々を思い出します…
キャッシュレスの今の時代いいなあ…
③ファミリープランを充実させる
家族まるごと、サービスのファンにしちゃいましょう。
簡単なことではありませんが、ファンはファンを呼ぶものです。
子から親へ、親子から家族へ、家族から家族へ、
ファンのつながりをどんどん広げることのできる可能性があります。
ファミリープラン限定の特典や家族割があったら、子どもは親を口説きやすくなりますしね。
(こんなファミリープランあったらいいな、今度記事にして書きたいな)
おわりに
ここまでサブスクの基礎知識、および若者とサブスクの関係性について説明してきました。
未熟な部分ばかりだったとは思いますが、少しでもお役に立てることができれば幸いです。
これからも発信は続けていく予定なので、成長を見守っていただけたらな~と思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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