Mudhoney の『Every Good Boy Deserves Fudge』を聴いてみた編

こんばんは、内山結愛です。

今回は Mudhoney の『Every Good Boy Deserves Fudge』を聴いてみた編をお届けします。

荒々しく歪むギター、衝動詰まったローファイサウンドに、脱力したボーカルが吠える。

パンキッシュに駆け抜ける演奏と、抜けのバランスがクセになる一枚。

ぜひ、読んでみて聴いてみてください!

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1.Generation Genocide

不気味で厳かなオルガンの音とガリガリのギターの音。「ダダダダーン」のリズムが良い。中盤からどんどんリズミカルになって盛り上がっていく。ドラムの空間を切り裂く能力高い。ギターもオルガンもドラムも何もかもが混ざり合ってぐちゃぐちゃになる。何が起こるの…!

2.Let It Slide

フェードイン。音がまだ遠くにある時から既にブンブンとした激しさを感じる。砂埃舞う中、革ジャン着てゴツいバイクで登場して欲しい。短めのギターリフ、勢いを感じる。パンク。音程気にせずテンションで突き進んでくるボーカルにノリノリになっちゃう。砂埃舞いまくりの激しさが最後までぎっしり。

3.Good Enough

イントロのドラムのリズム楽しい。パーカッションも入って陽気で暖かい雰囲気。歌のヘニョヘニョ加減、何故か憎めない。1:55〜突然やる気を入れて芯のある声で歌い出す…?って構えるも、ちゃんとヘニョヘニョで笑った。そのままでいて欲しい。頑張りすぎてる人にこの曲聴かせて、たまには頑張らないで良いんだよ…って言ってあげたい(?)

4.Something So Clear

哀愁漂うギターのメロディ。沸々とした反抗心みたいなものを感じる。でも歌詞を読んだら「今日は灰色の空が気持ちいい」とか「風邪をひいた」とか言ってて可愛らしさもあった。1:40〜激しく高揚するボーカル。ドラムのバタバタ音聞くと高まってしまう。ギターも暴れ狂う中、ひたすら冷静なベース。最後までブチ切れたように歌い放つボーカルが爽快。

5.Thorn

ベースが…ベースがゴリゴリで助かる。勢い勢い。ボーッとしていると気づかぬうちに曲が終わっていそうな疾走感。曲に勢い、テンションに飲み込まれていくような感覚(こういうのをドライブ感?と言うのか…?)が気持ち良い。謎の電話で終わる。

6.Into The Drink

イントロが好み。相変わらずヘニョヘニョなボーカル、安心を覚える。0:30〜「back off」が「バコン♪バコン〜♪」に聞こえて勝手に楽しくなる空耳アワー。度々バコンバコンが来るので最高。

7.Broken Hands

ギターの粒が荒い感じ、というかここまで全体的にローファイな感じがヘヴィさ際立って格好いい。スローテンポだと、よりヘニョヘニョみが増していてもはや可愛らしい。サビでギアが入るけど、それでもやっぱりヘニョヘニョ。愛すべきヘニョヘニョ(褒め言葉)。演奏が荒々しくて力強くて格好いいから、良いギャップとして成立している。3:40〜お酒飲んだらもっと呂律回らなくなりそう。アウトロのギターソロ、一切の隙が無く暴れ狂っていて圧倒される。最後の最後は、お化け屋敷の火の玉みたいな音になって面白い。

8.Who You Drivin' Now?

荒い音質。「Now!」の連呼の勢いの良さ。もう「hey」のヘロへロ選手権、優勝。曲の勢いの良さ、1番好きかも…!よく耳を凝らしたところにオルガンが居る。最後までヘロッヘロ、ギターはゴリゴリのまま疾走して終わっていく。

9.Move Out

野蛮なドラム。気温が高い曲が続いている。0:48〜ハーモニカが登場してくるとは思わなかった…!!耳に残るメロディフレーズが多い。「Time and time again〜♪」とずっと繰り返しているから歌いたくなる。シャウトの時はめちゃくちゃ声を張り上げて、脱ヘニョヘニョ。

10.Shoot The Moon

ドラムを合図にして、ゴリゴリに歪んだギターが駆け抜けていく。パンクだ。0:24〜なんだなんだ…!?!一瞬何が起きたのかと思った。サイケデリック。度々このシューゲイザー(パンクver.)空間が広がる。どういうつもりなのか分からなくて面白い。後半からギターが蠢き回っているし、ボーカルのテンションもブチ上げ…この曲は(特に)様子がおかしくて最高。

11.Fuzzgun '91

ギターの一撃から、ずっと勢いが止まらない。聴き手を高め続ける。このインスト一曲だけで満足しちゃうくらいカロリー高めの演奏。ポテトとハンバーガー、それじゃ物足りずナゲットも…みたいなカロリーの暴力。

12.Pokin' Around

ポップ!0:14〜こんな汽車の汽笛みたいな激しいハーモニカ、初めて聴いた。ハーモニカの爆走。元気出る。曲の疾走感にやや置いていかれ気味なボーカル、気にしてなさそうにヘニョヘニョで自由。楽しくて、ちょっと切なくなるようなメロディ。この曲聴き終わったらパーティが終わってみんな帰っちゃたあの寂しい空気になる。

13.Don't Fade IV

イビキと唸り声のコンビネーション。何を聞かされてるのか分からなくて面白い。ちょっと気づいていたけど、ユーモアセンスが独特…そしてそこがまた魅力的!ポジティブなだらしなさ。2:25〜奇妙な空間に飛ばされる。近未来のお経みたいな歌唱。ヘロヘロサイケな空間。

14.Check-Out Time

不穏な空気と緊張感がある。ボーカルも未だかつてないほどに暗くてバンドメンバーに「おいお前ちゃんと歌え!」って怒られた想像までしてしまった。心配。ずっとピリついている。ずっと暗い。オルガンも密やかに鳴っている。ずっと暗い歌い方。最後はシリアスに終わる。予想外。やっぱ怒られたのかな…

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●サブ・ポップ:Sub Popは、アメリカのインディペンデント・レコード・レーベル。Nirvana、Soundgarden、Mudhoneyなど、グランジ・ロックを代表するバンドの多くが最初に契約したレコード・レーベルであり、1990年代前半のグランジ・ブームの中心となった。


Mudhoneyは、1988年に結成されたアメリカ出身のバンド。グランジの先駆者的存在として、グランジ、オルタナティヴ・ロックのシーンや、特にNirvanaのカート・コバーンに多大な影響を与えたとされる。
バンド名の由来はラス・メイヤー監督の1968年の映画「Mudhoney」だという。本作の邦題は「良い子にファッジ」。


ギターのスティーブ・ターナーが、このアルバムを”バンド史上最高のアルバム”だと公言していることを知り、自分たちの音楽を胸張って「史上最高」と言えることが素敵…!

今回のレビュー、ヘニョヘニョって何回言ったんだ。

Mudhoneyにおけるヘニョヘニョは、愛とリスペクトを込めてのヘニョヘニョです。(何言ってるの…?)

あえて最新機材を使わずに、60〜70年代の機材を使ってあの音を出してるらしく、荒々しい演奏と抜けた歌唱のバランスが、あの格好良さを生み出してるんだな…と思いました。

みんなの青春が詰まったグランジ編、今回で最後でした!

次回からは、初期の頃のように、ジャンル問わず五月雨に聴いていく方式にしてみようかなと思っております!


次回は YELLOW MAGIC ORCHESTRA の
『SOLID STATE SURVIVOR』を聴いてみた編をお届けする予定です。お楽しみに…!

最後まで読んでくださり、有難う御座いました。

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