Siouxsie and the Banshees の『Juju』を聴いてみた編

こんばんは、内山結愛です。

今回は、Siouxsie and the Banshees の『Juju』を聴いてみた編をお届けします。

変幻自在のギター、原始的なドラム、高揚する呪術的なボーカル。

黒く美しく、祭祀めいたサウンド漂うポストパンク・ゴスな一枚。

是非読んでみて、聴いてみて下さい!

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1.Spellbound

怪しげに恐る恐る一音一音足を進める。タンバリン?激しい。開始30秒で馬が駆け抜けるようにアップテンポに疾走。何故か先入観で男性ボーカルだと思っていたから、女性ボーカルでビックリした…!じょ…女王様だ…。発声のテンションが独特。クリアだけどギラついたギターの音色。バタバタとしたドラム。盛り上がり方がドラマチック。

2.Into The Light

ドラムのバタバタがやはり凄い。ドラムというより、太鼓の達人くらい立派な”太鼓”のイメージ。幻想的で、夜みたいな雰囲気だけど静的な高揚感ある。0:50〜ギターの強弱が好き。1:23〜色んな楽器の音が聴こえて、ワクワクする。ギターの音色がいろんな表情を覗かせる。パーカッションでより多彩に。

3.Arabian Knights

妖しげ。ボーカルの纏っている圧倒的女王様オーラが好き。命令されたい。暗い曲調なのに、ドラムは跳ねるようなリズムを刻んでいる。不気味で魅力的。1:38〜突然の「ハッハッハッハ!!」がツボ。2:05〜強い女になる。誰も寄せ付けない強さが突如爆発するようなメロディー。

4.Halloween

ジワジワ広がって疾走していくイントロ緊張する。金属的なギターサウンドが凶暴。スピード感が気持ち良い。流れるようなリズムに乗り、淡々と「Trick or treat」と言い放つ女王様みがクセになる。もう自分の中では女王様のイメージが確立されてしまった。2:05〜浮遊感あるのに確かに現実。冷たく情熱的。まず、ハロウィンがテーマなの良い…

5.Monitor

繋がって始まる。ザッキザキのギターリフで切り刻まれスタート。ボーカルの高音の響きが良い。1:10〜ギター格好良い…。思うがまま自由気ままに、ゆるふわな雄叫びをあげる。定期的にある「ホゥ〜〜〜〜⤴︎」 がテンション上がる。時空が歪んでいく感じ。2:44〜ギターいいな…。印象的なギターリフがこの曲主人公。

6.Night Shift

一気に粘ついた暗闇の底に引きずり込まれる。何も光がない暗闇の中を彷徨ってる。空気も、鳴らされる音も重たい。1:19〜一回全てが止まって「無」になることで、より際立つ暗さ。ボーカルにも不思議なエフェクトがかかっていて、不安が掻き立てられる。女王様がダークサイドに堕ちてしまわれた。まさに「呪々」。4:17〜再び訪れる「無」の中で、鳴るキリキリギター音。ホラー映画を観ているみたいな気持ち。怨念。

7.Sin In My Heart

ゆっくりなテンポで暗い雰囲気。終わりに近づくにつれて、聴き手も闇落ちさせる気なのかもしれない。0:34〜ガラスの何かが割れる音。徐々に早まっていくドラムのテンポ、ギターのギャリついた感じ、心が焦る。ボーカルもヒステリック気味。疾走感が怖い。「Sin In My Heart」の連呼。再びガラスの何かが割れて終わる。シリアスさが格好いい…

8.Head Cut

奇妙な世界観。緑と紫の苔とか生えてそう。「ホォ〜〜ャアオ!!」と昂り叫ぶ。ギターの音色が電子音みたい。宇宙的な音を出している。テンションの起伏が激しい。ひたすら自由奔放さに圧倒される。人あるある→昂りすぎると犬になってしまいがち。

9.Voodoo Dolly

静けさが恐ろしい。声を潜めているボーカル。ベッドの下にいたら多分失神しちゃうな…(?)神経質で緊張感張り詰めたギターが不穏な雰囲気を醸し出す。祭祀めいたバタバタドラム。儀式。キャンプファイヤーみたいな炎が上がってそう。中盤の盛り上がりが野蛮。口開いてしまう。後半より狂気的に呪術的な盛り上がりを見せる。ノイジーの渦に飲み込まれる。気づいたら逃げられなくなっている。最後の優しい囁きが恐ろしい。

10.Spellbound 12" Mix

一曲目の12 Inch Version。中盤で大きく展開が変わる。ドラムがバッタバタのバタバタになる。耳の中で揺れに揺れる。気持ち音が近いというか鮮明な気がする。激しいドラムにフォーカスしている感じ。

11.Arabian Knights 12" Vocoder Mix

三曲目の12 Vocoder Mix Version。序盤、歌声がボーコーダー特有の独特な機械的な声になってる。声も楽器の音もより鮮明に輪郭がハッキリしている。終盤の盛り上がりにより圧を感じる。

12.Fireworks 12" Nigel Gray Mix

小刻みなリズム。明るそうで明るくない。絶妙なテンションのラインにある曲。疾走感あるけど、芯に陰があるから、どこか足取り重い。終盤の「Fireworks」の連呼で心の中で花火バンバン打ち上がる。かといってハッピーな感じでも爽快さもない…不思議…

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Siouxsie and the Banshees は、1976年にロンドンで結成したロックバンド。「ゴスの女王」としてカリスマ的な人気を博したが、本人達は「ゴス」と呼ばれることに抵抗を持っているという。
また、グループ名の「Banshees」は、アイルランドおよびスコットランド地方で家人の死を予告すると言われる女の妖精「バンシー」に由来している。


民族的なノリがある独自の高揚感と空気感がとても面白かった…静かな興奮を感じた…!呪々!

特にスージー・スーの女王様ボーカルとジョン・マクガフのギターの自由自在っぷりには感動でした。スージー・スーはヴィジュアルもスーパークール。

Siouxsie and the Bansheesはギター人員の流動が激しいみたいで、元メンバーを調べるとギターだけが異様に多かった…。

バンドの前期と後期でかなり作風が違うみたいなので、聴き比べてみたいです。

前回のBauhausもそうでしたが、「ゴス」って形容されるバンドほど、「ゴス」と括られることに抵抗を持ちがち…

BauhausもSiouxsie and the Bansheesも、ゴスであろうとなかろうと、パンクだろうとなんだって、格好良いことには間違いない!!


次回は The Sisters Of Mercy の『First & Last & Always』を聴いてみた編をお届けする予定です。楽しみに…!

最後まで読んで下さり有難う御座いました。

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