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大人になってから、苦手が好きになった

子どもの頃に苦手だったことはいっぱいある。ジェットコースターにお化け屋敷、英語の勉強、わさび…。私はこれが苦手なんだと気づいてから、ずっと手をつけていない。けれどもそれは本当に今も苦手なのだろうか。

先日、小学生と大人が交えて、ドッジボールをする機会があった。

私は子どもの頃からドッジボールが大の苦手。試合開始すぐに、「すみません、優しく当ててもらっても良いいですか…」と相手チームの外野にお願いするほどである。当たるのが怖くて逃げ回っていたら、最後の1人になってしまうのも良くあるパターンだ。

そんな私がドッジボールに参加しようと思った理由は、「大人になってからドッジボールをしたら結構楽しいよ」とその場に居合わせたママさんに言われたからだ。ほんまかいなと思いつつ、ここは騙されたと思って参加してみた。

相手チームには、ドッジボールクラブに所属している小学校高学年の少年がいる。最初は「ひぃぃ〜ごめんなさい!!」と言いながら、私はコート内を逃げ回っていた。しばらくして、ドッジボール少年は私を狙ってこないことに気づく。どうやら弱い相手にボールを当てても、つまらないということらしい。これではこちらも面白くないし、なんだか悔しい。このまま逃げ回ってばかりでは子どもの頃のままだ、そう思い少しずつ投げられたボールに手を出してみた。

最初は弱いボールから、次第に強いボールへ。正面に入れば全然キャッチできるじゃん、と思ってきた頃にはドッジボール少年は私を狙ってくるようになった。キャッチしては投げるの繰り返し。コートの外から「いいぞ、やれーー!!」という声が聞こえてくる。どう見ても白熱した戦い。その時、人生で初めてドッジボールが楽しいと思った。

ドッジボールってこんなに面白かったんだ。なにより自分の可能性にびっくりした。なんだ、挑戦してよかった。


子どもの頃苦手だったものが、今は好きになるかもしれない。ドッジボールに参加してからそう思うようになった。もしかしたら子どもの頃に苦手だったマスタードは食べれるようになっているかもしれないし、苦手だった化学の勉強は面白いと感じるかもしれない。

苦手なことに向き合い続けるのはしんどいけれども、少し距離を置いてから、改めて挑戦してみると意外と大丈夫なんてこともあるもんね。苦手なままじゃだめだ!と自分を追い込んでしまうこともあるけれども、今すぐ好きになる必要なんてなかったんだ。

ママさんから「ドッジボールは大人になってからすると楽しいよ」と声をかけられて、これはドッジボールを好きになるチャンスかもしれないと思った。生きていくなかで、何度もこういうチャンスが巡ってくる。そのチャンスにのればいいんじゃないかな。

大事なのは、自分を受け入れてあげること。何かを苦手と感じたときも、苦手に挑戦したいと思ったときも。そして、やっぱり苦手だったときも、全部本当の自分の気持ち。そのたびに落胆するのではなく、そんな自分を受け入れてあげることができれば、いつか好きになるチャンスが巡ってくるのかもしれない。

焦らずのんびりと、好きなことが増えていくといいな。

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