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読書感想文『宇宙のみなしご』

すごく贅沢な環境にいる。毎日本を読んでいる。毎日。
本棚を漁って、好きな本を読んでいる。

これが一年間続くかと思うと、もう本当に天国にでも来た気持ちだ。

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#読書記録

『宇宙のみなしご』森絵都

《雑記》
屋根にのぼりたいと思ったことはよくある。空を大きく眺めていたかった。たまに、できないから路地で寝転ぶ。東京より少ないけど、やっぱり路上の灯りや家の灯りで空が曇るのは苦手だな。真っ暗な空で星を見たい。星がなかったら空を眺めたいなんて考えてなかったのかな?
死ぬ前に何がしたい、一つ選んでと言われたら、迷わず「空」って答えるだろう。一番きれいに空と星の見える場所に行きたい。アラスカとかがいいかな。オーロラも見たい。海外な気はする。日本はつまんない。

この女の子は楽しそうだった。ずっと。言葉は荒いけど、でも真っ直ぐ見つめてるから出てくる言葉なんだろうな、真意って、嫌な気はひとつもしなかった。むしろ爽快くらい?私はこういうのやろうとして戸惑う。誰か傷ついたらどうしようって、怒られたら、嫌われたらって、同じようなことは沢山思ってるけど、言わない。なかったことにするか、ひとりで笑ってる。こういう自分はあんまり好きじゃない。ホントはケタケタ笑ってる。
"誰も傷つかない言葉"なんてこの世にないのに、なんで私は、大多数みんなは、綺麗な言葉を喋ろうとするのか。多様性って、傷つかないことなんだろうか。むしろ好きなものも嫌いなものも増えるし、1と2の間の1.1とか1.15とか、そういう間を無限に広げていくことなのではないか。
その人を中心に宇宙は回ってる。100人いれば100人のものがある。差別だ、比較だ、と言うのは、複数人の価値観を同時に重ねて太陽に透かせるからで、一人でいればそんなことはない。他人が合わされば、白と黒ができるんだ。そしてそれは、一つになれるんだ。違うと認めれば、同じことになる。別にいいじゃないか、価値が違うくたって。そうやって全部を大事にしていけたら、手を取り合えたら。好きなものを大事にすることは、何かを傷つけることじゃない。

誰も誰かを傷つけようとか思って生まれてきたわけでも、何かをしているわけでもない。「なんでそんなことするんや!」って小さい頃怒られることがよくあったけれど、今もあるけれど、いや、分かんないよね。びっくりする。それで貴方が傷つくなんてわからないし、わかってたらやらないし。本当にごめんなさいだけど、なんだか嫌な感じがすることが多かった。信じられてないというか、そんな感じ。
なんかそんな人にいろんなこと話そうなんて思わないよ。
自分の感性がゆがんでいることは分かっているけれど、それは周りと違うところが多いってだけで、私にとっては真っ直ぐなんだ。これで愛せる人間なんてたくさんいる。私が居なくても困らないだろうけど、いたらいいことも少しはあるかもしれない。
さっきみたいに「びっくり」した分、私は人に優しく、臆病なのだと思う。ワインを抱えて出てくるお姉さんが出てくるけれど、私はあの人みたいにできる相手がいるのだろうか。とっても心配する癖がついている。あれくらいがいいよね、と思いつつ、自分もいいと思う。
うん、(なんだこの文章(笑))

...私は迎えに来るのだろうか、誰か。読んでる最中、『ライオンの家』に出てきた「誰かが迎えに来ますよ。」という場面を思い出した。見えない存在、見える存在。誰にせよ、私を死ぬ時迎えに来るんですよ、って。大事なことを感想に残さず蓋したなと思った。バトン受け取り。

昔、学童でかくれんぼをした、誰も迎えに来ず、忘れ去られた。そんな体験がずっと心のざらついたところにある。
「あっ、忘れ去られたな。」と思いつつ、一物の期待をかけてずっと待っていたら、本当に来なかった。
みんなが帰って、学童の戸締りもされて、私が帰っていないことに気づいた親が学童に電話して、探された。見つけられたというか、最後は自分で出てったのか。あまりに上手く隠れすぎて見つからなかった。上手く隠れすぎるとそんなことがある。気持ちもそう。もっと見えないところに仕舞われて、自分で見つけてばぁってしてあげないと、誰も見つけられない。とても心細かった、あれは。忘れない、あの孤独。痛み。寂しさ。

"授業終了のチャイムが鳴って、笑い声と足音がどたどた、そして友達が迎えにくる。「おはよう、さおりって、カーテンの向こうから友達が迎えにくるの。」"

終始楽しかった。この本は、一人じゃない。女の子は宇宙と、大地とつながってる。
みんな足元を照らせば宇宙のみなしご。そのことを忘れる。みんな平等、同じなのに。

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