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映画感想23.12.16


3D吹替 ウィッシュ

https://www.disney.co.jp/movie/wish

凄くメッセージ性の強い作品であり、革命の物語でした。
これまでのディズニー作品には基本的に原作があり、込められた想いや強いメッセージのようなものは目立たず、主人公の成長や、誰かを思いやる心を描くことが多かったように思います。ただ今回は、タイトルにもある「願う」ということが如何に強いパワーになるかということと、それは誰かに叶えて貰うことでも、ましてや誰かに阻まれるべきことでもなく、自らが叶えるべきことである、というメッセージが明確に描かれていたように感じました。
特に自分が気に入ったのは、この作品では「願えば何時か叶う」と言った根拠の無い無責任なことは言わず、「願う」ということが如何にその人の活力になるか、それを失うことが如何にその人にとって悲しいことかが伝わる物語になっていた点です。(ちなみに今回登場する「スター」も、特別誰かの願いを叶える力は持っていません)。おそらく、この作品を通して色んな人が自分の事や世界情勢の事など色々な事と当てはめて考えて思うことがあるかもしれませんが、この作品は特別に「~が悪い」という言い方はせず、純粋に「願う」ことは誰にも止められないし、それは必ず何かのエネルギーになる、ということを言いたいのではないかと思いました。
映像作品としても、とても素晴らしかったです。3Dで視聴しましたが、これなら2Dでも十分満足できる作品だったと思います。逆に3Dで良かった点は、願いの玉が浮き上がるシーンや、スターが飛び回るシーンくらいで、マイエレメントの水の表現程の3Dによる感動は特別ありませんでした。
ミュージカルシーンも多めで、キャラクター達の喜怒哀楽が込められていてとても楽しめました。特に革命を起こすシーンはとてもカッコよく、ある人の登場でとてもテンションが上がりました。
最後に、同時上映の『ワンス・アポン・ア・スタジオ -100年の思い出-』は本当に感動しました。最初のオルガン?が入った袋にミッキーとミニーが並んで立っているシーンの時点で懐かしさが爆発します。元ネタリスペクトも仕込まれていて、プーさんが穴にハマっているシーンや、三人の妖精が帽子の色を切り替えるシーン、グーフィーが梯子を上るシーンは「ミッキーの大時計」を再現しており、ディズニーファンなら気付く仕掛けが盛りだくさんでした。絶対に観れる内に観に行った方が良いです。


屋根裏のラジャー

https://www.ponoc.jp/Rudger/

ジブリのようでジブリとは違う、ザ・ファンタジーといった作品でした。
絵柄やアニメーション的に、どうしてもジブリとの比較になってしまいますが、敵の「Mr.バンキング」の描き方や、猫の「ジンザン」の瞳の表現、あとは人間の輪郭線などが、かつてのジブリ作品を彷彿させるように感じます。それが良いかどうかは人それぞれですが、私は好きなのでとても良かったです。
絵やアニメーション表現もすごく、主人公やMr.バンキングが想像することで周囲の世界がガラリと変化する様子はとても楽しいです。アニメとしては珍しく影の輪郭をパキっとさせず、ぼかしを強くきかせているのは特徴的だなぁと感じました。
ストーリーも非常に良かったと感じました。ざっくり6部構成になっていて、ボリューム的にも申し分ないです。また、これは最初に理解しておきたかったことですが、この世界には『イマジナリーの世界』が“本当”に存在していて、「想像力」を持つ“人間”のみがこれを視認でき、また「想像力」の強さ次第で世界を自由に創造できる、というルールがあり、明確なファンタジー作品です。映画を見始めた最初は、ラジャーの見ている世界は全て主人公の女の子の想像によるもの、という前提で鑑賞していたのですが、途中の物語展開から違和感を感じ始め、最後の方でようやくルールを理解しました。この作品は、想像する側の「人間」と、想像から生まれた「イマジナリー」達との絆を描いた冒険物語です。
キーワードとして印象深かったのは、3つの約束「消えない事、守る事、絶対に泣かない事」、この約束に込められた真の意味がとても良かったです。ネタバレを見る前に映画を鑑賞することを強くお勧めします。
今後のスタジオポノックの作品がとても楽しみです!


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