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しし座のおばあちゃん

 母方のおばあちゃんが誕生日を迎えた。92歳だ。

 いろいろと独特なおばあちゃん。
 92歳だけどすごく元気で、頑固で、見栄っ張りで、食いしん坊で、せっかちだ。耳は聞こえなくて、人の言うことなんかどうでもいいみたい。
 誕生日おめでとうの電話をしたら、途中から別の孫と混同してよくわからない返事をいくつもされてしまった。訂正しようにも電話口で大声を出すのがイヤで、そのままにしておいた。

 和裁も洋裁も得意としたおばあちゃんは、私たちが子どもの頃は七五三の着物に普段使いの寝間着、洋服と何でも作ってくれていた。寝間着は孫全員に作ってくれていたはずなんだけど、姉は覚えていなかった。
 自分自身もおしゃれが好きで、服とお揃いの帽子をいくつも手作りして、今でも外出するときは必ず帽子を被っている。
 走るのが好き。ハワイ(ホノルル)、オーストラリア、ボストン(だったっけな)などと海外にまでマラソンを走るためだけに行くなどということもしていた。
 料理はいまでも自分の食べるものは必ず毎日つくっているほど、やらないと落ち着かないといったひと。一時期は具雑煮の店を持ったこともある。

 おばあちゃんは中国で育っていると聞いている(生まれもだったかもしれない)。そのためか風習やしきたりも今ひとつ独特で、例えば正月の飾りなんかはとっておいて何回も使うなどする。つまり年神様がどうとかいうことではなく、単なる飾りだとおもっている節がある。
 ご飯粒よりもパンやマントウ(饅頭の皮だけのやつ。自分で作る)に慣れていて好み、味噌汁はどうでもいいのか食卓にはのぼらない。

 いろいろと変だ。

 うちのおばあちゃんについて、しし座の特徴を表しているあたりのことを書きたかったのだけど、どう書いても悪口みたいになっていく。
 それはちょっとイヤというか、そういうつもりではないなので、ここらへんでやめておこう。とにかく目立つのが好きで、人よりも自分というのがよくわかる性格をしているおばあちゃんです。

 トップ画像はひ孫に笑いかけるおばあちゃん。料理の鉄人が流行った時期の彼女は道場六三郎氏によく似ていた。

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有森さんが並走してくれたときの写真

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