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大人っていいね

 宮崎の旅の記録、順不同です。

 飫肥おびという城下町があることは知っていました。訪問は初めてです。今回はこの飫肥城下での懐石料理のことを書いておきます。

 この日は曇り空に、すごく小さな雨が時折降ると言った天気でした。ちょっと肌寒い。友人が「ここに連れていきたかった!」という懐石料理のお店を予約しておいてくれました。お昼の懐石です。この日宿泊していたのは青島(日南市)、そこから車で飫肥を目指します。

 予約時間の10分ほど前に到着しました。お店は、築100年以上の古民家を改装した、落ち着いた空間。靴を脱いで上がります。

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 季節の素材と器を使い、五感で感じるお料理。運ばれてくるたび、ふたを取るたび、歓声をあげ(6人でした)、写真を撮る。ほんとうは、しっかり両目で見て、カメラもスマホも置いて味わった方がいいのはわかっています。でも思い出が欲しくて、料理も器もうつくしくて、シャッターを押します。それから、いただきます。

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 右上にあるのは玉子焼き。飫肥の玉子焼きは特徴的で、口に入れるとプルンと弾力があります。薄味だけどしっかり出汁のおいしさ。こんな玉子焼きはじめて!
 こういったものも、その土地でしか味わえないものですよね。
 えびの手前にあるのは、クリームチーズをサーモンで包んだもので、サーモンは水っぽさのないぴちぴちした味わい。おいしい。
 ガラスの器に入っているのは菊花のおひたし、さつま芋の蒸したのも、栗の茹でたのも、すてきな味でした。

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 汁椀はえびしんじょ。へべすが入ることですっきりとしています。見えにくいけれど、椎茸のように大きなきのこはしめじだそうです。食べてみると、ちゃんとしめじの味がします。

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 刺身に添えられているのはしその花穂。穂は、茎を持ってしごくとキレイにとれるのですが、普段からガサツな私がやるとぶちっとちぎれてしまいました。品の良さがほしい(ため息)。刺身も新鮮で、ぷりぷりでした。鯵と、鰹だったとおもいます。

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 忘れがたい、無花果の田楽。コンポートのように煮てあるのか、甘みがしっかりとした無花果はほのかに温かく、とろりと味の濃い味噌がえもいわれぬおいしさです。器もきれいですね。

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 えびやオクラ、アボカドが閉じ込められたゼリー寄せ。

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 釜で運ばれたきのこの炊き込みご飯は香ばしさにきゅんとします。おこげがうれしい! 自家製の漬物まで、ひとつも残さずお腹におさめます。

 旅先は食事の回数やボリュームが増えますね。炊き込みご飯はおかわりできる量が提供されていましたが、私はおかわりは諦めました。
 実は、この日の朝、身体の調子がいまひとつでした。はっきり言うと、吐き気をともなう体調不良で、出かける時間を調整してもらったくらい。旅先の体調不良はよけいに不安をあおります。ひとりで休んでないといけないかもと、悲しくなりました。でも無理して出かけて、迷惑をかけることもできません。
 友人に打ち明けると、すぐにその不安を取り除くような対応をしてくれ、自分でもオイルを塗ったり、深呼吸することで、驚くほど良くなりました。こんなにおいしい体験を逃さないでよかった。回復に感謝して、食べ過ぎは禁物です。

 懐石料理って大人の贅沢ですね。日々、自分で食べるものを用意する人たちなので、よりいっそうこんなもてなしに感動します。といって、私自身はそう手の込んだものを作ったりはしないのだけど、それでも。

 懐石料理なので、今日の記事は写真の数が多くなってしまいました。飫肥にはもうひとつおいしいものがあるのですが、別記事で紹介しますね。

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デザートの柿。ごちそうさまでした。

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