神に与えられしもの
休日の放心している状態のままボーっと眺められる映像作品がないかな、というところから、最近視聴した(あるいは視聴中の)ものを感想混じりにいくつか書こうとおもいます。
ちょっと前には、聞いた話からまねっこして『サイロ(Apple TV+)』というドラマと『ゼロ・グラビティ』という映画を観ました。これらはちょっとエキサイティングというか、日常的ではないジャンルのものですね。どちらも観てよかったです。
こういうのは、自分では想像しないようなものが出てくるところがおもしろいんですが、その分緊張したり、思考が動き続けたりするやつです。
放心状態で観るのには、それよりもっと日常レベルのものがいいとおもって、探してぱっと目についたのは『オン・ザ・ロック』という映画と『ザ・モーニングショー(Apple TV+』というドラマでした。
『オン・ザ・ロック』はソフィア・コッポラの名が見えたから、『ザ・モーニングショー』はジェニファー・アニストンの出演作品だったから、まあだいたいそんな理由です。なにしろ放心しているからあまり考えずに決めた感じですね。
『オン・ザ・ロック』は放心状態で観ても、コメントも出ないような作品でした。
ニューヨークに暮らす、作家で主婦のローラが主役で、夫や子どもが出てきて、ローラの父も出てきて、そんで、特に何も起こらない。いやまあ、何も起こらないってことはないんだけど、起こりそうになって、結局丸く収まってそれだけ。
印象的だったところをあげるとしたら、ローラが誕生日を迎えるところで、父親からは愛用の(ローラが好きだった)腕時計をもらい、その後夫からも腕時計をもらうシーン。
印象的と言っても、これは個人的なことが絡んでるだけなので、他の人が観て何かを感じるというものでもない部分。
『ザ・モーニングショー』はまだ視聴中です。
朝の情報番組の制作現場を舞台に、メインキャスターとか制作に関わるスタッフ、局の重役たちがごちゃごちゃやります。オープニングは、男性メインキャスター(ミッチ)の不祥事からはじまります。不祥事は、MeToo運動とかが絡むやつなんです。
放心状態なのをいいことに(?)、シーズン1をだらだらと何話か観てて、ときどきアッとおもうところがありました。
スキャンダルというのはどれもそうだとおもうけど、というかスキャンダルに限らないけれど、ものごとは立っている場所によってその側面が違ってくるものなので、この運動まわりのことだって、どうも釈然としないことはいくつかあるものです。
そういうのを、キャラクターごとの視点で観ていくわけですが、きのうまで観てた時点で(9話かな)男女の思考・行動・決断に至る過程ではっきりした違いが見えた気がしました。
ドラマの中身を書くとネタばれになるし、あまりうまく筋を紹介できる自信もないので書かないけれど(何しろ放心視聴ですから)、感情のもっていき方の違いに感心したんですね。
これはそれぞれに優劣や善悪の判断を持ち込まない上での発言なんですが、どちらかというとやはり女性は感情を優先しがちだし、男性のほうは切り離して思考するのが巧いです。女性、男性というより、女性的、男性的と言ったほうがいいですね、人によるので。
そしてその違った思考方法や手段を、さらに違った視点や論点でお互い主張するので、より事態が複雑になっていきます。
作中で男性が感情をぶちまけるシーンもあるし、特に出世が絡むとそれがすごくドロついてて背筋が冷たくなるところがあったりして、そういうのを見ていると、社会で生き抜いていくのに男も女もないようにもおもえてきます(考えが浅いかなあ)。
だいたい、感情の種類が多すぎるんじゃないでしょうか。ポジティブでもネガティブでも、それぞれとにかくバリエーションが豊富すぎて、そのせいで人生が複雑になるんですよ。
神はなんだってそんなにたくさんの感情を人間に備える必要があったんでしょうね。
あまりキャラクターごとに自分と重ねて思考しちゃうと気絶しそうになるので、ジェニファー・アニストンはやっぱり友人Mちゃんに似てるなあとか、リース・ウィザースプーンって顎が出てるんだなあとか(作中でも言ってた)、半ば放心気味に傍観しているのがちょうどいい感じのドラマです。
エグゼクティブ・プロデューサーのチップが怒り狂いながらサンドイッチを食べるシーンもいい(2回あった)。
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そういうわけで、映画、ドラマ感想文でした。
もっとちゃんとしたこと(?)書きたいのに、脳内が散らかってて整理整頓がうまくいかない。スマートな思考がほしいなあ。
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今日の「アニメーション」:『ザ・モーニングショー』のオープニングのアニメーションがいいんですよ。見てるとやってみたくなって、・・まだトライしてません。
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