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旅と巡礼

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近所だったり、ちょっと遠くだったり。旅と巡礼とは切り離せないもののようです。
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#旅のフォトアルバム

(たぶん)変わりゆくサン・ジワン枯松神社

 数日前にちょっとだけ外海地区を訪問した。いつもお世話になっているTKサンにお付き合いいただいて、枯松神社と子捨川・仏崎を見に行った。  枯松神社というのは、外海の黒崎地区にある場所で、神社というけれど社格は持たない。かくれキリシタンの史跡の一つで、訪問ははじめてではない。  わりとどうでもいいことかもしれないけれど、枯松神社参詣のために車を停めるこの場所は、外海総合公園という公共の場である。車から降りて枯松にむかおうとしたところで、TKサンが、ここは県内で(たぶんそうい

4月下旬の日常的風景-久賀島と福江島-

 仕事の用で、久賀島に行ってきた。五島列島のいちばん大きな島である福江島の、北西に位置する島である。  昨年9月以来である。ちょっとした事情で急に行く必要が出てきて、連休に入ってしまう前にと急いで手配した。レンタカーが空いていてよかった、と胸をなでおろした。天気もわるくなさそうである。  今回は日帰りで、だけど福江と久賀をつなぐ定期船がドック中だったから、移動の時間にすき間ができた。業務上の用事を終えたあとに、久賀島内をのんびり車でまわり、福江島で帰りの高速船まで散歩して

星がつなぐ3月の妙見岳

 今日の満月は天秤座で月食で、月の出からの半影食が日本からも観測できたらしかったけれど、昨日から雨がざぶざぶに降っていて、今日の空はずっと霧がかかって曇りでした。  3月20日に春分をむかえて、いま魚座に4つ星座が入っています。春分以降、23日には火星が魚座に入りました。  少し前に、島原半島の雲仙岳付近に出かけました。ロープウェイで妙見岳にあがり、少しだけ写真をとって、雲仙岳など周囲の景色を眺め、てくてく歩いて下りました。  ここにくるのは2年ぶりで、あのときも魚座に

長崎甚左衛門純景の墓所と春徳寺周辺

 長崎甚左衛門の墓が時津町にある、そんな話題がKさんから出て、当地に行ったのはひと月前のことだった。写真を数枚撮っていたし、もとの領地である春徳寺にも足を運んだのに、記事にするのにずいぶん時間がかかった。 *  長崎甚左衛門純景はポルトガルとの貿易のために長崎の港を開いた人物であり、その領地に日本初となる教会を建てる許可を与えるなど、なかなか目立った行動をしているにもかかわらず、一般的にはあまり知られていないようなところがある。  墓所のある時津町では看板が立てられてもい

縁の下のサルモン神父

 いつか、とおもいつつずっと訪れることのなかった場所に、先日案内してもらって行ってきました。しょっちゅう行っている、外海の教会のすぐそばにあるんですけどね。 *  パリ外国宣教会のド・ロ神父は1868年に来日し、長崎・大浦や横浜で印刷などの事業と司牧を兼務した。  ところで、あらゆる媒体でド・ロ神父と呼ばれ、すっかりなじみとなっているこのフランス人司祭の名前はMarc Marie de ROTZで、マルク=マリー・ドゥ・ロッツと発音する。deはフランス革命以前に貴族だった

クリスマスかあ

 先週末に予定があった、個人的、かつたのしみにしていたイベントは、寒波の襲来で交通事情に不安があったものの、問題なくたのしみにしていた以上の時間を過ごすことができました。  その余韻みたいなものにひたっていたら、きょうはもうクリスマスで、そのクリスマスの12月25日ももうのこり1時間です。 *  旅のことで書いてないこともあるし、書いておきたいきもちもありつつ、心がうわついたまま時間が過ぎていきます。でも、少しでも書いておきたい、と指を動かしてキーボードをたたいています。

この日は暖かかった-上野の国立西洋美術館

 今回の訪問先のひとつとして、ここを選んだ理由は特に書かないけれど、上野の国立西洋美術館に行った。  <キュビスム展―美の革命>が開催中なのを目にし、常設展だけでいいや、とおもいながら券売所の列をすすんで自分の番になったところでつい「企画展を1枚」と言ってしまった。キュビスムってよくわからないからやめとこうとおもったくせに、よくわからないから観てみようという気になってしまったのである。  会場の中は、キュビスムとはなんたるかを語りだしそうな人でいっぱいであった。撮影可能な作

旅とクリスマスの雑文

 はっと気づいたら今日はもう12月20日なんですね。慌ててクリスマスカードを書いて、郵便に出してきました。  ことしのカードは、教会の売店で購入したものです。いつもはだいたいポストカード大のものを選ぶようにしているんだけど、絵柄がよく、種類が豊富で、さらに安価だったという理由で、小さなカードをたくさん買いました。年賀状を出さない代わりに、主に仕事で知り合った信徒の方むけのカードなので、ふざけてない正統なクリスマスカードが好ましいから。  郵便局の窓口のひとには、「天候の影

不具の鳩

 関東紀行 写真ギャラリー。 *  その日の夕方の飛行機で帰る予定という朝、ホテルの部屋でコーヒーを淹れて飲んだ。朝食はつけていなかった。  部屋のチェックアウトをして荷物は預けたまま、山下公園に足をむけた。この日はよく晴れていて、「公園」と呼ぶには広い敷地をゆっくり歩く。気温が高めで寒くないけど、ひとりではガラかめ(ガラスの仮面)ごっこできないなあ、などと考えつつ、歩く。  花壇のバラがわりと咲いていて、すずめが何羽も遊んでいる。近づいてみたけれどここのすずめたちは逃

大東亜戦争の裏側で

 今日12月8日は、日本軍による真珠湾攻撃(ハワイ時間12月7日)がおこなわれた日ですね。  記念的に、最近知ったことなどを書いてみたいとおもいます。 戸田帯刀神父射殺事件  必要があって、横浜周辺とキリスト教(カトリック)のあれやこれを調べていたところ、戸田帯刀神父の事件にあたった。  戸田神父は、1898年3月23日、山梨県に生まれ、1923年11月にローマのウルバノ大学へ留学、1927年12月17日に司祭に叙階された人物である。  札幌使徒座代理の職にあった194

のぞき見写真館 下五島秋編

 ついこのあいだ訪ねた、下五島で撮った写真の現像を後回しにしていました。もう少し身を入れてやりたい気もちと、とにかく現像したい気もちの真ん中くらいで現像したいくつかの写真を、ギャラリー的に掲載しておきます。 *  長崎の教区は、聖堂の中は撮影禁止としています。  この写真は、教区の所有を離れた旧五輪教会(久賀島)で撮ったもので、撮影は禁止されていません。  聖堂としての役目を終えているから、ご聖体ランプは消えたまま。  茂みのとこで昼寝していたネコ(平和だ)。  出

脳内が散らかっている様子がよくわかる雑文

 ある目的のためにいくつかの文章を書くことにした。このnoteみたいに、好き勝手に何でもかんでも書いていいわけではないものなので(あたりまえ)それなりのものに仕上げたい。  それで日々調べものをしつつ、確認しつつ、噛みくだいたり、上下左右に付け加えたり、あるいは削ったり、みたいなことをやっている。  それは教会まわりの色々で、資料がわりと豊富なところもあれば、手持ちがないこともある。資料に使えそうなものはなんでも目を通すよう心がけているんだけれど、そんなもののひとつに教会

生涯に一度でいいラーメン

 5月の前半、次なる撮影目的地は島原半島を経て天草だった。  まずある日の午後に、近所の撮影があった。ここを終えてから島原半島へ向かうスケジュールとして計画を立てた。  ある、温泉地にほど近いところにひとつめの宿をとった。温泉がついていて、そう高くもない値段だ(素泊り設定だったしすごく安いというんでもないが)。  宿が決まっていたことで、もう意識は撮影のための手順や地図などの確認に向いていたところ、出発2日前の夕方電話が鳴った。知らない番号だったけれど、島原あたりの市外局番

みえなくても満月の夜に

 ここひと月ほどは、あるプロジェクトで主に教会堂を目的とした撮影(助手)としての移動、旅をいくつかしています。まだあと少し残ってて、それに撮影が完了することがゴールではなく後に続く作業もあることから、なんだか書くほうにエネルギーを使うことができていません。  それでも今回の撮影は得るところも感じるところもたくさんたくさんあって、五感的にはとてもせわしない日々です。 *  それと別に、ある撮影をさせてもらう機会もありました。現像まで含めて理解の乏しかったことを情けなくおも