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EVeMがパーパス浸透に向けリブランディングを実施。その舞台裏を公開します。

はじめに

こんにちは、EVeMでデザイナーをしている山口です。
2023年6月、EVeMはパーパス浸透に向けリブランディングを行いました。

今回のプロジェクトは、動画制作・写真撮影以外はすべて社内のプロジェクトメンバーで行いました。
このnoteでは、リブランディングを行った背景やコーポレートサイトリニューアルのプロセスなど、本プロジェクトの舞台裏をお伝えしたいと思います。

私自身デザインチームにアサイン変更になって初めてのプロジェクトだったこともあり、大変なことは多かったですが、その分学びもたくさんありました!このnoteが少しでもお役に立てれば嬉しいです!

背景

リブランディングプロジェクトが始動した2022年11月、EVeMは創業3年目で10名の組織になっていました。

EVeMはパーパス「すべてのチャレンジにマネジメントの力を」を大事にしている会社で、パーパスをはじめとして価値観への共感が強いメンバーが集まっている会社です。

ただ、パーパス・ビジョン・ミッション・バリューはすでに存在していて社内には浸透していたものの、よりコアな「EVeMらしさとは?」となると全員が同じ答えを持っているわけではありませんでした。

これから事業規模、組織規模を拡大していきたいと考える中で、よりコアな「EVeMらしさ」を言語化し、デザインに落とし込むことで、より力強くパーパスに向かっていきたい。

そして、「すべてのチャレンジにマネジメントの力を」を実現するため、世の中にパーパスを広め、ともにチャレンジしてくれる個人や企業を増やしていきたい。

そんな思いのもと今回のリブランディングプロジェクトが始動しました。

プロジェクトメンバー

いつどんな時でもコーポレートブランディングは緊急度が低いため後回しにされがちなものですが、EVeMでは戦略的なアサイン変更を仕掛けることで、事業規模、組織規模ともに一段上げる起爆剤にしたいというのが代表の長村の思いでした。

そこで、これまで個人向けスクール「Emo」の運営をしてきた私がデザインチームに異動し、リブランディングプロジェクトのメンバーとなりました。

2022年7月には幅広いデザイン知識と経験を持つデザイナーの長岡(ひろさん)が入社しており、長村さんがプロジェクトオーナー、ひろさんと私がデザインチーム、という体制で推進していくことになりました。

今回動画制作・写真撮影以外をすべて社内で行ったのは、極めて創業初期からEVeMに関わっているひろさんと私がプロジェクトを推進することで、よりコアなEVeMらしさを表現したいという考えがあってのことでした。

ミッションはコーポレートサイトの制作で、その他は進めながら検討という形で始まりましたが、最終的にはブランドロゴ、ブランドカラーの刷新、それに伴うコンテンツの刷新を行いました。

リブランディングのプロセス

ここからは、本プロジェクトがどのようなプロセスを経たのか、詳しく説明していきます。

ステークホルダーインタビュー

前述したように、EVeMではパーパス・ミッション・ビジョン・バリューはあったものの、コアな「EVeMらしさ」の言語化はできていませんでした。
そこで、ブランドコアを中心とした9つの要素(ブランドステートメント)を定義するため、当社のメンバー及びクライアントへのインタビューを実施。

総勢20名を超える方々に協力いただき、EVeMの強みや提供したい価値、文化や働き方の特徴、人に例えるとどんな性格かなどについて様々な立場・視点からの意見を聞きました。

スクリプトの設計にあたっては、「コーポレート・アイデンティティ・マトリックス」というフレームワークを使用し、インナーブランディング・アウターブランディング両方を網羅した質問項目を用意しました。

コーポレート・アイデンティティ・マトリックス

インタビューの内容を先ほどのマトリックスで整理していくと、各要素で共通する言葉がいくつか出てきました。
この段階では共通項を集めて文章にしただけだったのでメッセージとしては弱く、EVeMのブランドステートメントとしてよりメッセージ性を強めた言葉にするため、社員からのフィードバックをもとにブラッシュアップしていきました。

※社員からのフィードバック

ブランドステートメント定義

ここが個人的に本プロジェクトで一番大変だったところです。
せっかく多くの方に協力していただいたので、出てきた言葉をすべて入れたいという思いと、要素を詰め込もうとするとどうしてもありきたりな言葉になってしまうというジレンマがあり、なかなか「これだ!」というものにはなりませんでした。

1度デザインチームでブラッシュアップしたものを経営陣に共有したところ、

「1つのカテゴリに対して数が多いのでメッセージ性が薄れている」
「誰に対して伝えたいメッセージにするか絞った方がいい」

というフィードバックをもらいました。

そこから、どの方向性を強めたメッセージにするかデザインチームで再度検討し、その後2回経営陣とディスカッションを行いました。

2回目以降のディスカッションでは、
「EVeMが解散するとしたらそれは何が達成された時なのか?」
「多様性の代償は?綺麗事で終わらせないためには何が必要か?」
「人の才能以外にも事業成長の起爆剤になるものはあるが、なぜ人の才能を信じるのか?」

など、これまで議論したことのない深いところまで経営陣と話し合いました。

最後は、
「ありきたりではなくEVeMらしさを表した言葉になっているか」
「それぞれ誰かの顔が思い浮かぶ言葉になっているか」
「自分にかけたい言葉になっているか」
の3つを大事にして決めました。

ブランドステートメントは、今後もわたしたちが活動していく上での指針としていきます。

ブランドステートメント

ブランドアイデンティティ定義

次に、ブランドコア・ブランドパーソナリティをもとにブランドアイデンティティを定義していきました。

上記の3つの要素を、ロゴタイプ・シンボル・カラーの定義、コーポレートサイトのデザインに活用しています。

EVeMでは元々フォント、カラーが定義されていなかったので、一から定義することになりましたが、ブランドステートメントでEVeMらしさを定義し、経営陣・メンバーとも方向性のすり合わせができていたので、スムーズに決定しました。

ロゴタイプ
ブランドコアとブランドパーソナリティを基に、EVeMらしさを「Hard」強さ、努力、真面目と定義し、幾何学的な形状で整った印象のDIN2014フォントを使用し表現しています。

シンボル
太さやカタチの異なった多様なモノサシで人の才能を活かす姿勢、視点の異なる仲間と一緒に成功を目指していく強さを強調しています。
EVeMの原点である、マネージャーとメンバーは対等「=」であり役割の違いでしかないことも引き続き表現しています。

プライマリーカラー
ブランドコア、ブランドパーソナリティを基に、努力や諦めない強さを表し、さらに心に「火を灯す」才能に「火を灯す」、「ぶつかり合いながらも」一緒に成功を目指していくというメッセージを強めるためにFlint(火打石)カラーを元に、より黒を強めた色をブランドカラーとして定義しています。

アクセントカラー
ブランドコア、ブランドパーソナリティを基に、諦めない強い心や才能を見出し活かそうとする努力など、人としての温かさをFireRed(ファイヤーレッド)カラーを元に定義しています。

▼プレスキットのダウンロードはこちらから

ブランドストーリー定義

これまで整理してきたEVeMらしさをコーポレートサイト上で表現するため、ブランドストーリーを定義し、それをもとにデザインや素材の制作をしていきました。

社内外にパーパスへの共感を生む、認知と採用を強化するという目的を達成するため、「パーパス」と「提供価値」を中心にストーリーを組み立てていきました。

ストーリーの構成は下記の記事を参考にし、主人公は個人のマネージャーと設定。これまでインタビューしてきたユーザーと、ユーザーから社員になったメンバーの体験をもとに、EVeMのブランドストーリーを考えました。

出典:海外の著名ブランドから学ぶ、ブランドストーリー作成のポイント
https://www.fashionsnap.com/article/2022-03-25/brand-story/
 
ブランドストーリー概要
ブランドストーリー詳細

ブランドムービー制作

次に、ブランドストーリーをもとに、サイトのメインとなるブランドムービーを制作しました。
動画制作は、Tomato Red Motionの原麻衣さんにお願いしました。
原さんは長村さんのリクルート時代の同僚であり、創業時から色々な撮影をお願いしていたのでメンバーのことも事業のこともよく理解してくださっており、今回私たちが表現したいこともすぐに汲み取って撮影準備を進めてくださいました。

動画の主役になるのはEVeMプログラムの受講者だというのはプロジェクトメンバー全員一致していたので、これまで受講していただいた4名にご出演を依頼したのですが、皆さん快諾してくださいました。
お忙しい中、事前打ち合わせやオフィスへのロケハン、当日撮影のお時間をいただいて、マネジメントに対する想いをインタビューさせていただきました。

ご出演(五十音順)
株式会社アドウェイズ
ビジネスデベロップメントグループ デザイン領域 副本部長
遠藤 由依 様
 
株式会社スマートメディア
代表取締役
品原 由衣 様
 
株式会社リチカ
取締役 Co-CEO
中西 佑樹 様

ファストドクター株式会社
CTO
宮田 芳郎 様

社内の動画・写真撮影は、実際のオフィスが狭く撮影が難しかったことから、スタジオを借りて撮影することになりましたが、なかなか条件に合うスタジオが見つからず難航しました。
5箇所ほどロケハンに行き、最後の最後に、光の入り方や、撮りたいカットに適したレイアウト、撮影用備品などの全ての条件に合ったスタジオがギリギリで見つかりました!
スタジオを利用したい方は、2ヶ月以上前からロケハンを始め、1ヶ月前にはスタジオを抑えることをおすすめします、、!

スタジオで撮った集合写真

ブランドムービーはYouTubeにアップしていますので是非ご覧ください!

デザイン制作

デザインはひろさん、ライティングは私を中心に行いました。
「HARD」「DIVERSE」「GIFT」をデザインコンセプトとして、ブランドコアである、『「才能は必ずある」と信じている』を、太さやカタチの異なった多様なモノサシを使って表現。実装はSTUDIOを使って行いました。

実装では、STUDIO公式YouTubeやTipsを発信されている方の記事をいくつも読み、それでもわからないところは触りながら少しづつ調整をしていきました。
STUDIO実装のポイントはまた別の記事で共有できればと思います。

リニューアルしたコーポレートサイトはこちらからご覧いただけます!

https://www.evem-management.com/

今回のプロジェクトで学んだこと


自分はどうしたいか?を大事にする
今回のリブランディングは、これからより力強くパーパスに向かっていきたい、そして世の中にパーパスを広めともにチャレンジしてくれる個人や企業を増やしていきたいという想いから始まりました。
もちろん経営陣がどうしたいか、会社として打ち出したいメッセージは何か、というのも大事なので、経営陣やメンバーと何度もディスカッションを重ねて擦り合わせを行いました。
ただ、一番大事にしたのは「プロジェクトを推進していくデザインチームとしてどうしたいか」ということです。

自分が一番考えて、周りからのフィードバックをもとにブラッシュアップし、最後はどうしたいかを自分で決める

これが今回のプロジェクトでの一番の学びであり、今後も仕事をする上での指針としていきたいと思います。

フレームワークにとらわれすぎない
デザイナーになって初めてのプロジェクトだったので、どのように進めるのが正解なのかわからない中、書籍や記事に載っているフレームワークは非常に参考になりました。
一方で、フレームワークを意識しすぎて「これが決まらないから次に進めない」と思ってしまい、スケジュール通りに進められないこともありました。
今後はフレームワークを上手く活用しながら、自分の意思でプロジェクトを前に進めていくことを意識していきたいです。                                  

最後に

EVeMでは「すべてのチャレンジにマネジメントの力を」に共感し、一緒にチャレンジしていく仲間を募集中です!
詳しくはこちらからご覧ください!


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