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後で考えるコンセプトの難しさについて

こんばんわ。毎日投稿を最近達成できていないのですが、今日はちゃんと更新します。本日は「後で考えるコンセプトの難しさについて」というタイトルでお送りします。


今回の記事の背景

かなり堅苦しいタイトルですみません。まずはこの記事を描こうと思った背景から少しだけお話しさせてください。

実のところここ数ヶ月間、僕が普段仕事をしている会社では、「自社ブランディング」ということをやっています。「自社ブランディング」というのは、その名の通り自分の会社をブランディングすることなのですが、昨今の経済状況や業界動向を背景に、自分たちの見せ方をもっと考えないといけないと思ったとある方が発起人です。

もっと手前の話を少しだけ持ち出しますが、残念ながらうちの会社には、今や会社を作る時には必ず必要な「ミッション」「ビジョン」「バリュー」のような経営理念がほぼないに等しい状態で今までやってきていました。(僕が入社するよりずっと前から)

制作会社という特性上、制作を依頼してくれる大口のクライアントさえいれば基本的に会社は回っていくので、今まではそれでも良かったのかもしれませんが、その大口のクライアントさえ昨今の経済的打撃を受け、予算を削ったり、毎年やっている仕事が無くなったりしている状況です。

当然そこから仕事をもらう我々制作会社の仕事は、今まで以上に不安定になってきていますし、いつまでもつのかすらわからない。

そうなった時に、「代理店などから仕事を待つのではなく、自分たちで自分たちをちゃんと売り込めるようにする」「放っておいても人づてに自社の理念や事業が伝わり、仕事が来るようにする」を目指して、「自社ブランディング」という手段をとっています。

自社ブランディングでやること

詳細は割愛しますが、この「自社ブランディング」では一体何をしようとしているのか、簡潔に書いてみます。

主にやっているのは、「ポジショニング」と「ブランドコンセプトの決定」。この2点です。

ここでのポジショニングは、業界の競合他社と比較した時、自分たちはどんなポジションにいるのかを確認・整理し、現状維持かポジションを変えるか判断する作業のことを指します。どんな会社と顧客を取り合っているのかなど、ペルソナに近いところから仮説を立て、狙うべきターゲットを設定していきます。

ブランドコンセプトの決定では、現状の自社ポジションを把握した後で、自分たちの強み・弱みを洗い出し、それをもとに顧客に対してどんな価値を生み出せるのかを考えます。その生み出せる価値を、一言でキャッチーに伝えられるブランドのコンセプトとして落とし込み、共感を生むためのブランドストーリーを考えます。

難しいことをつらつらと書きましたが、要は自分たちはなんのために仕事をしているのかという会社の経営理念をちゃんと考えて、それを伝える方法をより魅力的にブラッシュアップしていこうということをやっているわけです。

後からコンセプトを考える難しさ

前述したように、昨今では会社やコンテンツを作るときはブランディングという考え方を利用するのが一般的になりつつあります。顧客に対して自分たちはどう思われたいのかというところから、伝え方や見せ方を検討して、一つの軸を作る作業です。

会社の場合は、それを経営理念やミッションに落とし込み、それに共感した人が社員として働くという構図が一番理想的な組織だと思います。例えば、株式会社ヤフーのミッションは、「情報技術のチカラで、日本をもっと便利に」というものになっていますが、これを軸に考えていくと、ヤフーが海外でサービスを大々的に展開したり、情報技術ではなくアナログな乗り物を作ったりみたいなことは絶対にやらないということが見えてきます。

それを細かく細分化していくことで、自ずと社員一人一人が、何をやるべきで何はやるべきでないか判断できるというわけです。

ところが。このブランドコンセプトというものを、事業展開してしまった後で考えるという作業をしようとすると、かなり難しいです。

本来であれば、コンセプトがあった上で、そこからずれないように事業を展開していくのですが、展開した後にコンセプトを考えようとすると、うまくハマるコンセプトがなかなか見つからないのです。

例えば、車を作った側で飲食店をチェーン展開している会社があったとしましょう。その会社のコンセプトを後で決めようとすると、「車の製造」と「飲食店のチェーン展開」のどちらも満たすコンセプトにせざる終えません。結果として、よくわからないコンセプトや少しボヤッとした解像度の低いコンセプトが出来上がってしまい、思ったように魅力的な会社に見せることができなくなってしまうことも少なくありません。

ここで、コンセプトを決めるに際して、それに沿わない事業を撤退するという選択肢がある場合はいいですが、普通既存で少なからず利益を上げている事業をそう簡単に手放せる会社は多くないでしょう。

社員の認識・意識のズレ

先ほどの話と合わせて、後から会社のコンセプトを決定するにはもう一つ難所があり、それは既存社員が満場一致で腹落ちするコンセプトを設定しなければならないという点です。会社のコンセプトにしたがって事業を想像し、それに対して人的リソースを投入する正常な組織図から考えると、社員が会社のコンセプトと全く違う方向を目指して業務をしていては、コンセプト自体が意味のないものになってしまいます。

とはいえ、今の僕の会社のような特に理念もないままの会社に集まった人たちには、一貫した方向性の認識がなく、いろんなところを目指して仕事をしてしまっているので、それをみんなが腹落ちするところに落とし込むのって相当大変です。

「私はそんな気持ちで仕事をしてないです」とか、「僕はこれじゃなくてああいう仕事を目指したいです」という人が1人でも出てきてしまうと、コンセプトの決定はかなり難航してしまいます。

まさに今そんな感じ

今回の「自社ブランディング」には、エイトブランディングデザイン(eight branding design)という会社が使っているFRPCD®︎(フォーカスRPCD®︎)というブランディング手法を真似て行っているのですが、まさにそんな壁にぶつかっています。社員数が数名であれば、説得したり考え直してもらうということもできますが、100人規模の会社なので、なかなかこの「社員の認識・意識のズレ」というのが大きく、コンセプトを綺麗に着地させる際の障壁になっているのではないかなと感じました。

最後に

要は何が言いたかったかというと、「会社を作るときは最初にちゃんとコンセプトを決めておくべき」ということでした。

後から作ろうとするとなかなか苦労します。今回の僕の会社はほんの一例ですが、きっと同じような会社は他にもたくさんあるのではないでしょうか。もう少し時間はかかるかもしれませんが、なんとかうまい落とし所を見つけて、後付けでもいいので会社の方向性・軸をしっかり決めていきたいなと思います。

そんな最近僕が会社でやっていることを書いてみました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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