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嗅覚から「私たちらしさ」を考える。香る 組織開発

私が所属している会社は、2021年に2つの会社が合併して生まれました。

ブランディング・デザインコンサルティングを手がけるドングリと(HPめちゃかっこいいから見てほしい)、学術研究に裏打ちされた、創造性を引き出すワークショップ手がけるミミクリデザイン(HP面白いから見てほしい)が合併し、それぞれの会社名を取って株式会社ミミグリという名前になりました。(HPすんごいからこれも見てほしい!)

合併から3年経った今では、合併した後に入社した社員も増え、株式会社ミミグリとしてのアイデンティティが育まれていますが、合併当時は、当然「私たちらしさ」は揺らぎます。

そのため、合併後に新しく生まれ変わった「私たちらしさ」を探るワークショップが全社的にも、自発的にも多数行われていました。

当時「Garden(ガーデン)」と言う社内チームの探究プロジェクトの一環として、私も香りを使って「私たちらしさ」を探るワークショップを実施したので、その内容を簡単にご紹介します。


香りから「私たちらしさ」を考える”香水ワークショップ”

ミミグリはフルリモートの会社なので、オンラインワークショップで実施しました。

用意したのはオンラインホワイトボードで作成したこちらのワークシート。
このワークシートを通して、香水作りを行なっていきます。

全体はこんな感じ

香水調合工房の開店

まずは、香水のもとになる「香り玉」を、香水調合工房でつくっていきます。

ミミグリらしいと感じる香りを、「香り玉」で表現していきます。

いろいろな「香り玉」が生まれていきます。

「私たちらしさ」を表現した「香り玉」が次々と生まれていきました。

・折り紙
ちょっとスパイシーな紙のにおい。お腹いっぱい吸い込みたくなる
磯の香り
100パーセントいい匂いかと言われると違う。自然な感じ、マイルドで優しい香りではなくて、刺激はあるけど嫌じゃない。
・大きな石を持ち上げた時の、虫がいっぱいいる湿った香り
「自然」、リアルな香りを感じるから
・雨降った後の森のにおい

木や土のにおいが濃いチャリで通り抜けて風と一緒に全身で浸る感じ 
・パチパチする柑橘系の刺激
問い・リフレーミングによって楽しく目が覚めるのをイメージして…。
・でんぷんのり
なつかしいにおい
・ちょっとしたスパイシーな香り

ほのかにパンチきかせていくのがミミグリっぽいかんじがするんだよね。
・夏休みのおばあちゃんちの近くの森
ミミグリって四季で言うと夏の終わりっぽい(自由研究イメージ?)
カブトムシの匂い
「生命」が発する香り。カブトムシは土にいる

今まで、言葉で説明しきれなかった潜在的な「私たちらしさ」が香りとなって表現されていきます。

「自然」の香りがするといっても、大きな石を上げた瞬間に感じるモワッとした湿った香りや、海岸沿いで感じるエネルギーが溢れる磯野香りなど、それぞれの「らしさ」が表現されて面白いです。

香り玉ができたら、グループに分かれ、それぞれの「香り玉」を紹介します。

個人で表現していた香りも、対話する中で、違いに気づいたり、「懐かしさ」「スパイシーさ」などの意外な共通点が見えはじめたり…そうやって少しづつ、「私たちらしさ」が形作られていきます。

ミミグリ香水店開店

「香り玉」を紹介したら、好きな瓶を選び、先ほど制作した「香り玉」を使って「香水」を作っていきます。

好きな瓶を選べるよ

グループでの対話をもとに、新しく私たちらしい「香り玉」を加えても大丈夫です。

自分の作成した「香り玉」を調合したり、誰かの作成した香り玉を入れてみたりして、オリジナルフレグランスを作成します。

香水のタイトルも魅力的です

こうして、さまざまな「私たちらしさ」を詰め込んだオリジナルフレグランスが完成しました!

じゃーん

ワークの最後に改めて、香水を作る中で発見した「私たちらしさ」を書き残していきます。

「フローラルのような可愛い香りがぜんぜん出てこないのはちょっとおもしろい」
「みんな夜と紙のイメージが共通イメージとしてある」
「夜のイメージになかったけど、共有したら納得した。」

などなど

香りワークショップを通して、言語化しきれなかった「私たちらしさ」を分かち合ったり、意外な共通点に気づいたりして、会社が合併して新しく生まれたアイデンティティを探究していきました。

お会計もある

ワークショップ終了後、「私たちらしさ」が詰められたオリジナルフレグランスは、「買い物」を通して、全社で鑑賞されます。

自分たちの組織を表していると思う香水を買ったり、組織とは少し違うかもしれないが自分が気に入った香水を買ったりします。

今回ワークショップに参加できなかったメンバーも買い物を通して、私たちらしい香りに思いを馳せることができます。

また、組織の香りとしてどの香水が一番共感を呼んでいるのかなども買い物を通して把握できるのも良い所です。

こうして、より広く多くの人とこの活動を楽しむことができました。


その後…

やっぱり「香り」のワークショップは、対面でできると良い!
その後ミミグリでは、実際に幅広い香料を嗅ぎながら、「香水」を作成するワークショップも実施されています。

猫田耳子さんファシリテーションの元、さまざまな香りを実際に堪能しながら、砂絵でその香りを可視化するなどして、香りを楽しみながら共に「私たちらしさ」を探っていきました。

人生で一番「香り」を嗅いだかも…!!

そして、ついに…!

合併後のMIMIGURIの新しい「私たちらしさ」が詰まった香水が、実際に完成!今でもオフィスに置いてあります。

どんな香りがするのでしょう?

この香りを嗅いだ瞬間。

「…あ!”これ”だ…!」

という、なんとも言えない不思議な感覚になります。


「私たちらしさ」を言葉で表現することもできますが、アイデンティティというのは到底一言ではまとめきれない奥深さがあります。

言葉にした瞬間、失ってしまう部分もあるでしょう。

そんな言葉で表現しきれない「らしさ」を、無理に言語でまとめずに、「香り」として残すのも、1つのあり方として私は好きです。


香りを通して、言語化しきれない「私たちらしさ」を共に探究していく、香水ワークショップの紹介でした。


あなたの所属している会社や、学校は、”香り”に例えると、どのような香りがしますか?


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※この記事は#1ヶ月創作チャレンジの7日目です。

いかがでしたか? 最後まで読んでいただきありがとうございます。 またいつでも遊びに来てくださいね。