【感想、時々書評】ネット広告に関わる人は押さえておきたい一冊
今回読んだのはこれ。インターネット広告の業界団体JIAAが編著者の『必携 インターネット広告 プロがおさえておきたい新常識』
Twitterでオススメされていて読んだのだが、まさにハイレベルな情報でネットで色々な情報を探して読むくらいならこの一冊で十分といった内容。
トピック毎の網羅性の高さがオススメポイント
結論からして、ネット広告に少しでも関わる人は読んでおくべきという印象。歴史や業界の構造、抱えている課題など参考書的な内容から、マーケティング戦略の立て方、メディアプランニングや効果検証の方法という実務的な内容までカバーされている。
マス広告との対比で語られている部分も多々あり、広告業界志望の就活生の業界研究にもお勧めしたい。
それぞれの内容も網羅性があり、辞書的な役割も果たしてくれそうなつくり。例えば下記は、広告の目的別に有用な種類を分類したもの。こういった整理が随所でなされており、都度インターネットを検索して調べるよりも安心して利用できる。
『必携 インターネット広告』より引用
出来ること/出来ないことを知っておく大切さ
個人的には効果検証のパートは、かなり参考になった。よく「デジタルなら効果検証できる」といった話になるため、つい全てを数字で判断しようとしがちになる。自分も過去に「Twitter/Google/LINEでどれが1番効果が高かったか」検証する機会があった。ただこの本にあるように、それぞれ取得方法や計測方法が違うので、純粋な横比較は出来ない。
こういった出来ないことを理解しておくと、自分たちで判断すべきことと数字で判断すべきことが明確になる。上の例だと、どのチャネルに注力すべきかは、数字ではなくマーケターが判断し、その上で過去と比べて評価するべきだったと思う。
他にもアドフラウドを始めとする不正クリックの問題やツールによって計測方法が異なるみたいな課題も網羅的に記載されている。重要だが現場内でも知識に差が出そうな領域なので、こういう情報はちゃんとステークホルダーとは共有するようにしたい。
インターネット広告で関わる上での心構え
最後に、自分が今後関わっていく上で常に意識しておきたい点を二つ。一つは今のインターネット広告は、ブラックな市場が混ざり込んでしまう構造であること。この事実を把握しておくことで、自分がブラック市場に加担しないようにする。
『必携 インターネット広告』より引用
二つ目は、広告の存在が情報の民主化に貢献していること。広告は鬱陶しいものと思われがちだが、それによって多くの情報メディアが無料だったりするという側面があることを再確認。この社会的意義の大きさにかまけることなく、受け入れてもらえる広告を出すようにしたい。
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