駅に泊まる
北海道の倶知安町にある比羅夫駅は、全国で唯一、駅舎の中で泊まることができる宿が存在します。
その名も「駅の宿 ひらふ」
今回はそんな比羅夫駅に泊まり、駅舎とともに一夜を過ごしてみました。
大都市の駅には「ステーションホテル」と言った具合に、駅ビルに直結したホテルが数多く存在します。
駅の宿はそれらとは異なり、実際に業務で使われていた駅舎のスペースを改装し、寝泊まりできる部屋が作られた宿泊施設です。
そして、この宿最大の楽しみは、駅のホームでバーベキューを堪能できることです。
積雪がない暖かい期間だけですが、プラットホームの一角で、行き交う列車を眺めながら夕食をいただきます。
地元で採れた食材に舌鼓をうつひとときです。
日が暮れゆくにつれて、宿の周りは虫の声と静けさに包まれていきます。
最終列車は21時半頃。
比羅夫駅の夜は早いです。
ちなみに、お風呂は露天風呂があり、なんと丸太をくり抜いた手作りの湯船があります。時間が経つと冷めてしまうため、早めに入るのがおすすめです。
翌朝、列車のエンジン音で目が覚めます。
始発列車は6時半。その後には1日1本だけの札幌行きの快速列車も到着します。
早朝の駅はまだ静まりかえっていて、鳥のさえずりと木々のざわめきが一際大きく聞こえます。
函館本線は北海道新幹線が札幌まで開通すると、並行在来線として存続せず、一部が廃線となる予定です。
この比羅夫駅も廃線区間の対象になっており、そう遠くないうちに列車が来ることはなくなってしまいます。
駅の宿ひらふは函館本線、比羅夫駅で下車。駅舎の中に受付があります。
車の場合、国道5号線から脇道に逸れて、坂を下った場所にあります。
なお、駅に至るまでに急な坂があるため、冬場に2WDで登るのは難しいとのことです。
オーナーさんの温もりと旅情をそそる比羅夫駅。
汽笛の音が聞こえるうちに、駅舎とともに一夜を過ごしてみてはいかがでしょうか。