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〈パブロフの犬〉で知られる【イワン・パブロフ】のミニ・バイオグラフィー 『世界の偉人は名探偵』より

「サドの伝記映画」は可能でも、「スペインの闘牛」すら批判される時代にパブロフの伝記映画は「動物愛護」の観点から不可能だろう。闘犬漫画『白い戦士ヤマト』は個人的に傑作と思うがアニメ化も実写化も無理でしょう。

 
IMDbに「Ivan Pavlov」は多数いますが↓この人物のようだ。資料映像のみ⁉


推理クイズ本『世界の偉人は名探偵』〈1987年版〉の[P.90-91]からの引用。


大脳の神秘に挑戦〉 パブロフ(ソ連 1849-1936)

_パブロフといえば、すぐに連想するのが、犬を実験に使った条件反射学である。だが、彼が一九〇四年にノーベル医学・生理学賞を受けたのは、消化腺に関する研究だった。これは「見せかけの給餌(きゅうじ)」という実験で有名である。_犬の食道を首のところで切断して外へひきだし、胃に穴をあけてチューブをたらす。こうして餌を与えると、犬はぼりぼり食べるが、その餌は切断された食道からこぼれ落ちて、胃に入らない。それなのに、犬は食べたつもりになって胃が活動し、チューブから胃液がたらたら流れ出るの
である。まことに奇抜な実験である。_この実験の成功で、つぎにパブロフは脳の活動を調べて、〈条件反射〉の学説を打ち立てたのである。魂が宿るといわれる頭脳は、神学や心理学の聖域だとされていたが、彼はそれをメカニックな実験で究明しようとしたので、宗教界や心理学者からはげしい非難をあびた。_また動物愛護協会からも、彼がたくさんの犬を生体解剖するので、猛反対がおきた。「人間をふくめて、高等動物の脳は、心理学のあいまいな概念から完全に抜けださないかぎり、研究はできない。いかなる反対があろうと、わたしの実験方法だけが正しいのだ」_戦闘的な彼は、こう断言して、脳の活動の法則を発見し、大脳生理学という新しい分野をひらいたのである。彼の研究方法は、唯物史観に立つマルクス主義と一致するので、革命後のソ連では優遇されて、ソ連の科学思想の基礎になった。ソ連が最初の人工衛星に犬を乗せて打ちあげたのも、パブロフが条件反射の実験に犬を使った実績があったからだ。アメリカの人工衛星はサルを乗せた。




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#ロシア人 #世界の偉人は名探偵 #藤原宰太郎 #偉人伝 #バイオグラフィー

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