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【アルフレッド・ノーベル】のミニ・バイオグラフィー 『世界の偉人は名探偵』より

推理クイズ本『世界の偉人は名探偵』〈1987年版〉の[P.148-149]より引用。


《〈孤独な火薬王〉 ノーベル(スウェーデン 1833-1896)

_若いころは文学青年だったが、発明狂の父が機雷の製造で成功したので、ノーベルも父の仕事を手伝っているうちに、火薬に興味をもった。_当時は黒色火薬が使われていたが、彼は爆発力の強いニトログリセリンに目をつけた。だが、これはわずかな震動でも暴発する危険な液体火薬である。彼の弟も、その爆発事故で死んだ。そこで、彼は研究の末、これを多孔(たこう)性の珪藻土(けいそうど)にしみこませて、安定度の高い強力な新火薬を発明した。これがダイナマイトである。_それ以前にも、彼は起爆用の雷管を発明している。ダイナマイトより、むしろ、この雷管の発明のほうが、爆薬技術の面では大きな功績といわれている。_この二大発明によって、地球の表面が変化するほど大規模な土木工事が可能になったが、それと同時に、戦争の破壊力も増大したのである。_事業家としてもすぐれた才能を発揮して、世界各国にダイナマイト工場をつくり、一大トラストを形成して、四〇歳で世界的な富豪になった。科学史に残る発明家のなかで、彼ほど、自分の発明品の企業化に成功して、巨万の富を築いたものはいない。_そのくせ、社交嫌いの孤独家で、はげしいメランコリーにおちいると、多忙でも、奇妙な著作にふけった。へたくそな詩や戯曲、苦杯をなめた特許裁判のパロディ小説などを書いたのだ。ノーベル賞に文学部門があるのは、この文学愛好癖のせいである。_四三歳のとき、秘書に雇った伯爵令嬢にひと目ぼれして求婚したが、あっさりふられた。後年、彼女は反戦平和運動の闘士になり、その感化で、ノーベル平和賞は生まれたのであるが、その第五回目の賞を彼女がもらったのは、まことに皮肉なめぐり合わせである。_生涯、彼は独身だったが、二〇も年下の愛人をかこっていた。無教養な浮気娘なのに、十八年間も、彼はだまされつづけて、彼女の際限のない浪費に金をつぎこんだ。_偉大な発明家であり、計算高い企業家だった彼も、こと女に関しては、みじめな孤独家であった。》



ノーベル平和賞」の女性はベルタ・フォン・ズットナー(1843-1914)か。


ニトログリセリン」といえば私は映画では『恐怖の報酬』しか知らない。

アンリ=ジョルジュ・クルーゾー(1907-1977)監督
https://www.buyuru.com/item_1022658_1.html
https://www.buyuru.com/item_768255_4.html
ウィリアム・フリードキン(1935-2023)監督
https://k-plus.biz/archives/5967


↓未見ですが「伝記もの」として何本か映画TV映画になっているようだ。


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