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静岡ブルーレヴズ観戦記・4/13vsクボタスピアーズ船橋・東京ベイ〜Revs繚乱〜


1.サクラ サクラ🌸

 春霞。
 上空はうっすらと白雲に覆われていた。
 霊峰富士はまだ頂に雪を被っている。


私を乗せた新幹線は、熱海、三島、新富士を過ぎ、

なだらかな稜線が美しい新富士付近

 『静岡』を通過した🥲🥲
   私が乗ったのはこだまでもひかりでもなく、『のぞみ』だったのだ🥲🥲🥲

 この日は『今日だけ青 ネンイチアイスタ』だったのに‼️
 
ジャパンラグビーリーグワン 第13節 静岡ブルーレヴズvsクボタスピアーズ船橋・東京ベイ@IAIスタジアム日本平

 レヴズは静岡県全域がホームタウンだ。
 普段使用するスタジアムはヤマスタ。あの水色チームのホームでもある。
 この日使用するのは、静岡市清水区にある
アイスタ』、
 我が愛する清水エスパルスのホームスタジアムだ⭐️⭐️
 あの熱狂的サポーターを擁するオレンジの城を、レヴズは『この日だけ青に🟦』染めるという。
 これがいかに大胆な企画なのか、
 まずはアイスタが普段どれ程オレンジなのか、ぜひ下掲動画を見てほしい🍊

 今季こそ、悲願の【J1復帰】に向け首位を快走中の清水⭐️今季こそ🔥🔥

 さて、
 この清水サポの聖地を、
 ①J創設時からのライバル『ジュビロ磐田』と母体を同じくするラグビーチームが、スタジアムを【青く】染める、という。
 それだけではない。
 ②チームカラーが『オレンジ』の昨季覇者スピアーズを迎え撃つのだ🔥🔥
 あまりにカオスなこの企画、エスパルス山室社長からはこんなメッセージが⭐️⭐️

 (社長ありがとうございます⭐️⭐️)
      *     *      *
 メンバーは前々日に発表されていた。

 やはり緊急事態なのか⁉️
10番に奥村さんが入り、インパクトメンバーにも家村さん、サム兄さんの名前はない😢😢
 相変わらずインパクトメンバーは【フィジカル強め】のメンバーが並ぶ。SHは先発プリン兄さん、岡崎さんへと繋ぐ🔥
 対するクボタスピアーズ、

 なんといっても、
 スピアーズの司令塔【10番バーナード・フォーリー】選手の復活は大きい‼️
 前節はプレイブルーパスと激闘を繰り広げた。3番オペティ・ヘル選手も今節復帰、みるからに屈強かつ俊足のメンバーがズラリと揃った。
 これは強い、、😨
 前回の対決はクリスマスイブの長居、
 リードしていたレヴズ、後半スピアーズに逆転されるも、終了間際、家村さんの一撃で逆転勝ちをおさめていた⭐️⭐️
 今回の結末やいかに、、

 結論から言えば、
 私は、この試合に2度絶句した。全く違う意味で。
 帰京翌日、J SPORTSの録画をみながら、私はこの観戦記を書いている、、

2.前半〜戦術10番〜

 静岡市 気温22℃ 快晴
 スタジアムをぐるりと囲むポールに、青いフラッグがはためく。
 そう【今日だけ青】なのだ❗️
 グラウンドでは、清水エスパルスのチアリーディングチーム『オレンジウェーブ』が応援に駆けつけ、会場を盛り上げている🍊🍊
 青い大旗の花道をレヴズ選手が入場する。会場に青い小旗が揺れる🟦
 続いてスピアーズ、
 オレンジなのにアウェー😳、これもネンイチだ。

レヴズ 6勝6敗
スピアーズ 5勝7敗
プレーオフ進出にはどちらも落とせないこの一戦、
試合が始まった。

さてスピアーズ、
なにより
①長身、屈強な選手が繰り出す凄まじいパワー、
この強みを活かした
②ゴールラインへと一気に持ち込むスピード、
③相手ディフェンスを撹乱する高いスキル、
 レヴズはこのチームにリーグワン開幕時から苦しめられてきた🥲🥲
 この昨季覇者が、今季は苦しんでいる。
 ホームスタジアム『えどりく』改修に伴う遠征の増加、なにより不動の2番南ア代表マルコム・マークス選手の負傷離脱は痛かった。
 さらに、レヴズとのクリスマス決戦で司令塔フォーリー選手が負傷交代、彼の離脱もその後の成績に大いに響いただろう。

 【スター選手の存在】
 たしかにスター1人で試合をすることはできないが、1人のスターが試合の帰趨を決することはままある。
 レヴズのクワッガ兄さんもまたそんな存在だった。
 このアイスタをホームとするエスパルスもまた、昨季秋葉監督自ら『戦術乾』と口にした様に、元日本代表乾貴士選手の存在感は絶大だ。   

 その意味で、
 この試合前半は
 『戦術フォーリー』だったかもしれない。
 正確なキックとパスで終始戦況をコントロールした彼の存在は大きかった。
 スピアーズの強い推進力をレヴズは一度で止められない。
 減速しない攻撃に防御は後手後手に回った。
 ざっくり言えば、前半はその繰り返しだった、、
 
 *     *      *
 試合開始からレヴズ再三攻勢に出るも、その都度スピアーズにボールを奪われる展開に🥲
 グラウンド中央でレヴズボールのスクラム、
 この勝負はレヴズが勝ち、その後ゴールラインに迫る。マロ兄さんが更に前進、
GO GO Revs❗️GO GO Revs❗️
 会場に声援が響く。
 しかし、、
 スピアーズ2番コールズ選手ジャッカルで阻止🔥レヴズはトライに至らない🥲
 
 【ここからは、まさにスピアーズの真骨頂だった。】

 前半12分のハルさん=立川理道選手のトライを皮切りに、
 15分、テアウパ選手がディフェンスを引き連れたままトライ、
 17分、4番ルアン・ボタ選手が一気に抜け、右に左にパスを散らしながら、最後はフォーリー選手がど真ん中にトライ🔥🔥

 あっという間に19点差😨😨
『大事な試合ですね。失点はこの辺りが限度。』解説の藤島大さんは呟く。【ネンイチアイスタ】での試合、それを踏まえての深いコメントだ。
 (続けて藤島さんは、アイスタの芝の見事さを『Jリーグのベストピッチ8連覇、帝京レベル』と表現、こんな例えがあったのか❗️)

 ここで映像はレヴズ指導陣を映した。藤井雄一郎監督(=ふじやん)を始め皆眉間にシワを寄せグラウンドを見つめる。

 スピアーズの猛攻は止まない。
 前半21分、
 ラインアウトからのロングスローをキャッチした立川選手、即パスを出しフォーリー選手は根塚選手へ長いパス、そして藤原選手のトライへと繋いだ一連の攻撃は、
 【鮮烈】この一言に尽きる。
 
 レヴズの反撃は、ようやく前半終盤の28分、
 スピアーズの圧に苦しみつつもフェイズを重ね敵陣深くに攻め入る🔥
 レヴズボールのスクラム、
 スクラムから9番ブリン兄さんは12番シルビアン兄さんにパス、兄さんは柔らかく前に蹴り出した🔥
 そこに駆け出したのは13番ピウタウ兄さん🔥タイミングよくボールをキャッチ、そのまま地に置いた🔥🔥
 ピウタウ兄さん、連携の技ありトライ⭐️⭐️
 奥村さんのCGも成功⭐️⭐️
 7ー26

 しかし直後の31分、
 スピアーズボールのラインアウト、
 このボールを日野さんがボール奪取🔥攻勢をかける、が、その後のパスにミスが😨
 ボールは地にこぼれてしまう😨
 それをスピアーズ藤原選手がインターセプトして激走🔥🔥
 最後は島田選手がトライを決めた🔥🔥
 フォーリー選手はここもCGを決めた🔥🔥
 前半は、4本中3本成功だ。
 7ー31 24点差😨😨
 このまま前半終了。
 それにしても、久しぶり、本当に久しぶりだ。
ハーフタイムに、こんな『絶望』を味わうのは🥲

3.後半〜百花青く〜

 この日は、【前半耐え忍び、後半1発KO作戦】、だったのだろうか。
 ふじやんは、後半開始からフィジカルの強い20番シオネ兄さん、19番ヴェティ兄さんを、12分には18番ショーン兄さん、レヴズの獅子王リチャードさんも投入した。

 ちなみに、
 ①ショーン兄さんは2000年生まれ、環太平洋大学出身、193センチ、132Kg、
 ②ヴェティ兄さんも2000年生まれ、摂南大学出身、190センチ、115Kg、
 ③シオネ兄さんは1998年生まれ、花園大学出身、192センチ.116Kg、

 https://www.shizuoka-bluerevs.com/member

 このパワフルな選手達に、身長177センチ、体重93Kgと、大柄ではないがタックルに滅法強いリチャードさんが加わってから、試合の形勢はガラリと変わっていく。

 自陣ながらレヴズボールのスクラム、SHも岡崎さんに変わっていた。
 このスクラム勝負に勝ち、レヴズは敵陣に入る。
 肝心のラインアウトに失敗したもののスピアーズにノックオンがあり、再びレヴズボールのスクラムに。
 この間何があったのか⁉️
 シオネ兄さんがスピアーズの選手達とエキサイトしている😳😳
 GO GO Revs❗️GO GO Revs❗️
 次第に大きくなる声援の中でレヴズは攻勢に出る🔥🔥
 敵陣でレヴズボールのスクラム、
 12番シルビアン兄さんが前へ飛び出す🔥
 ボールをもらったシオネ兄さんは、そのままゴールラインに倒れ込んだ🔥🔥
 オレンジの男達が、上からのしかかり、脇から滑り込む。折り重なったオレンジの山の下はどうなっているのか⁉️
 体はゴールライン内、グラウンディングはできているか、とTMOが入ったが、トライと認められた⭐️⭐️

 シオネ兄さん、気迫のトライ⭐️⭐️
 ここからキーガン兄さんがキッカーをつとめ、見事に決めた⭐️⭐️
14ー31 17点差 

 ふじやんは顎に指を当て、口を一文字にしたままグラウンドを見つめる。

レヴズの攻勢は続く🔥🔥
 Go GO REVS
‼️❗️
 応援もより熱を帯びてきた🔥🔥
ヴェティ兄さんが数人のスピアーズ選手を引き連れながら、倒れず前進を試みる🔥。後ろからユニフォームを思い切り引っ張られている😳
 よく伸びるなあ😳😳

 GO GO REVS‼️❗️
 攻撃を重ね、遂にフェイズ20に達したがボールを奪われトライならず。🥲🥲
 両チームとも額や顎に血が滲む🩸選手が増えてきた。
 スピアーズは、紙森選手の止血処置の間、1、2、3、5番を一気に交代させる体勢に入っていた。
 その後レヴズはラインアウトのボールを奪取され、再び自陣に引き戻されるが、スピアーズもラインアウトのボールをノックオン、
 
 再び敵陣に入り、レヴズボールのスクラム、スピアーズのペナルティーもあり、さらに敵陣へ🔥

 ラインアウトからボールは前へ前へ、ゴールラインは目前🔥
 この間スピアーズにペナルティーがあった。
 リスタート、
 ピウタウ兄さんはチョンと足にボールをタッチ、そのまま軽いステップで空を切りゴールラインに飛び込んだ⭐️⭐️
 
ピウタウ兄さん、技ありのトライ⭐️⭐️
19ー31 12点差❗️2トライ2ゴールで逆転だ❗️


 会場がザワザワし始めたのが画面からでも伝わってくる。
ふじやんはしきりにマイクで指示を送っている。

【シ・ズ・オ・カ】👏👏👏👏【シ・ズ・オ・カ】👏👏👏👏
 声と手拍子が響く。


 今日は季節外れの暑さ、選手達に大分疲労がたまってきたか、、
このあと双方にノックオンが続き、
敵陣でレヴズボールのスクラム、
 シ・ズ・オ・カ❗️👏👏👏👏
 静岡コールも盛り上がる🔥🔥

 ここで山口さんがパスを足で送る妙技を魅せるが、スピアーズがジャッカル成功、トライに至らない😢
試合は65分を経過、あと15分❗️
 密集から大戸さんが抜け出す🔥
 GO GO REVS❗️
 パスは繋がりさらに前進、スピアーズにペナルティーが続き、レフリーの警告が入る。
 レヴズはスクラムを選択。
 ゴール正面、レフリーの指示で何度も組み直す。
 この間にも時間は刻々と過ぎていくが、、

 ピウタウ兄さんが前に出る、ボールは右へ、そして左へ、ここでスピアーズにまたもペナルティー。
 神森選手がシンビンで退場、スピアーズは14人に。
レヴズはスクラムを選択🔥
あと9分❗️

 スクラムからボールをもらったシオネ兄さんがゴールラインへと突っ込む🔥🔥しかしスピアーズのディフェンスに絡まれノックオンに😢😢

 その後ボールを再び奪取したレヴズ、
ピウタウ兄さんから奥村さんへボールが放たれたその刹那、
フォーリー選手の腕が奥村さんの首にかかってしまう😨😨
 これは事故に近いかもしれないが。フォーリー選手もシンビンで退場となり、
 スピアーズは13人に。

レヴズは数的優位を背に攻めかかる🔥🔥

ピウタウ兄さんは山口さんに長いパスを、さらにボールはマロ兄さんへ🔥
走り込んだ兄さんはダイブ🔥
反時計回りに反転しなぎら左手でボールを左隅に置いた🔥🔥

マロ兄さん、アクロバティックにトライ⭐️⭐️
キーガン兄さんは、難しい角度からCGを見事に決めた
26ー31 最大24点差から、ついに5点差に‼️

会場は騒然となってきた🔥🔥

攻め手を緩めないレヴズ、
時間はあと5分を切っている❗️

シ・ズ・オ・カ❗️ 👏👏👏👏シ・ズ・オ・カ❗️
 手拍子も猛々しく選手たちを鼓舞する🔥

しかし、中々得点は生まれそうで生まれない😢

①ラインアウト失敗😨、スピアーズボールに😨
②ボールを再奪取しヴェティ兄さんが抜ける、🔥ジグザグにステップワゴンを切り、右に左にボールを持ち替えながら大きく前進🔥🔥するも、
ゴールライン手前でレヴズにノックオン😨
 スピアーズボールのスクラムに😨

あと2分❗️
 スピアーズがFWでボールをコントロールし始めた。
 ボールを持ちレヴズに突っ込むスピアーズ、
 ボールを奪取しようとレヴズの選手が群がる🔥
 ボールを守ろうとスピアーズの選手も駆け寄る🔥

 青とオレンジの男達が作るうず高い山、
 その底辺で何が起こっているのか、映像では全くわからない。
 レフリーは腰を低くしてボールの行方を注視する。
 ついに80分のホーンが鳴った。
 ボールはなかなか出てこない。
 レフリーは立ち上がって笛を吹いた。
 レフリーが上げたのは左手=レヴズ側‼️
スピアーズのペナルティー、マロ兄さんはすぐボールを足にタッチして仲間に投じた。

レヴズ最後の攻撃🔥🔥
 
ヴェディ兄さんは、スピアーズの選手を乗り越えゴールラインへ飛び込んだ🔥🔥

 オー❗️ウォー❗️
 選手達は両手を築き上げた🔥仲間と抱き合い、繰り返し飛び上がり、力の限り雄叫びを上げ続けた❗️
 会場に小旗が激しく揺れた。拍手は鳴り止まない。
 TMOが入ったが、トライと認められた。
ヴェティ兄さん、殊勲のトライ⭐️⭐️⭐️⭐️
 31ー31 ついに同点に‼️
 スタジアム全ての視線は、キーガン兄さんの足元に注がれた。
 このキックが、このキックが入れば、、
 しかし、
 ボールは左に低く逸れていった。
 ノーサイド 31ー31の同点

 レヴズの選手達は一斉にキーガン兄さんに駆け寄った。
 それぞれが肩を抱き、頭を寄せ、ポンポンと体を叩き、重圧に向きあった兄さんをねぎらった。
 その傍らで、輪になって肩を組み膝をつき、深い祈りを捧げる選手達の姿があった。

 POMにはピウタウ兄さんが選ばれた⭐️⭐️
試合の随所に見せる円熟のプレー、今やレヴズに不可欠の存在だ、
 MIPにはキーガン兄さんが選ばれた⭐️⭐️
あの難しい角度のキックを決めたことがこの同点劇に繋がったのだ。
 観客は、両チームに拍手を惜しまなかった。
 引き分けとは、
 悔しくもどこか心地よい。

〜あとがき〜


 7ー31が31ー31になるなんて‼️
今回のサブタイトルに用いた【繚乱】とは、
『入り乱れること』を指し、百花繚乱の四字熟語で知られます。
百花繚乱=花が咲き乱れること、
 これが転じて、
 多方面から優秀な人物が現れ、一時的に多数の目を見張る業績や作品が誕生し活気がある、の意味で用いられます。
 
 今回の試合は、
 スピアーズの戦術に混乱した前半、
 若くパワフルな選手達、
 出血も打撲も厭わず体を張り続けた大戸さんらベテランの選手達、
 実力者の妙を見せつけたピウタウ兄さんら外国籍の選手達、
 それぞれが持てる力を出し切った後半、
という意味で、まさに『繚乱』でした。

さて、
 この日の映像、画面から響くGoGoREVS ❗️シ・ズ・オ・カ❗️の声量に驚きました。
 レヴズ結成から3シーズン目、
『レヴズはレヴズになりつつある』
そう思わせてくれた一戦でもありました。
 家庭の事情とはいえ、行けなかったのは痛恨です。
 来季こそ『ネンイチアイスタ』へ❗️
 
 (追記)
 私が、外国籍選手に年齢関わらず『兄さん』と呼ぶには理由があります。
 南半球や欧米では、基本スポーツは楽しむもの=趣味、教養、娯楽です。
 しかし、日本では『教育』的側面が強調されがち、昨今部活でのパワハラセクハラ問題は後をたちません。
 遠い南半球から極東の島国へ、夢と大望を抱き来日するラグビー留学生達。彼らを待ち受けるのは、基本英語の通じない、かつ多様性とは程遠い日本社会です。
 幾多の理不尽に耐えリーグワンにたどり着いた彼らに、敬愛と、感謝と激励の意をこめて、『兄さん』と呼ばせていただいています。




 



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