【エッセイ】5ヶ月前までゆで卵も作れなかった私が、フルコースを作った話
30歳を超えて、「趣味」と言えるものを作るとしたら、「一生続けられるもの」がいいなと思う。
もしかしたらnoteで日々を綴ることも、その一環なのかもしれない。
コロナ禍前後で流行り始めたサウナや、社会人が交流の場として使うゴルフとかも、そんな一面もあるのかな。
その上で、誰かのためになるのであれば、この上なく嬉しい。
好き勝手やったことでありがたがられるなら、こんなに達成感があるものはない。
そう思って、料理をしてみようと思った。
しかし・・・
***
「沸騰したら7分、卵を湯に入れておいて。」
半年ほど前、こんな依頼を妻から受けた。
その言葉を忠実に再現し、手伝えた気持ちになっていた。
出来上がったのは温泉卵のような、白身すら半熟の物体だった。
「火をつけたまま」だとはつゆ知らず、お湯に卵をつけたような状態だったのだ。それが現時点での僕の実力だった。
笑うしかない、伸び代しかない。
何をしたって成長できる環境である。
時代は便利なもので、Instagramのシュート動画などで、10〜15分あればできるような簡単料理がたくさん出てくる。
「これなら出来そう」が溢れていて、おひたしとかチャーハンとか、簡単な家庭料理はできるようになった。
(元々から、豚キムチ炒めとかフライおあんに入れて炒めるだけのものはできましたよ!)
しかし・・・
ここで止まれないのが僕だ。
無駄にこだわりが生まれ始める。
***
現在僕は休職中だ。
この間に行った一人旅の食事での出来事。
一つのコンセプトに則って、次々提供される料理に感動をした。
味もさることながら、そのストーリーに心打たれたのだ。
そうして「自分もコース料理を作ってみたい」と思ってしまった。
メニューを考えるのはとても楽しい。
「肉、野菜、魚、それぞれのバランスが取れて栄養あるものにできるかな。」
「出す順番はこれでくどくないかな、口直しができるかな。」
「食材を余さずに使い切れるかな」など、思考を巡らせる。
そして何より、「これで喜んでくれるのか」と。
そうして「yuu.kii特製、気まぐれコース」のメニューが完成した。
***
なかなかの出来栄えで、満足のいくコースになった。
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余談だが、この経験を通して「食器の楽しさ」を覚えた気がする。
その食事に合うものや、季節に沿った食器を使って提供することで、より「創作」としての仕上がりが高まっていくように感じたので、今後も折を見て料理を趣味として楽しんでいきたい。
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