休みのすゝめ〜休暇をもらって旅に出た〜
あなたは、こんな経験をしたことはありますか?
仕事に忙殺され、自分を見失う。
いつの間にか休日は次の平日のための準備となり、やりたかった趣味のあれこれも不満足な状態で、「それはそれで仕方ないよな」で月曜日を迎える。
もしくは、遊べてリフレッシュしたとしても、心のどこかで次の日の業務を気にしてしまう。
7月初頭、僕はまさにそのような状態になってしまいました。
4月から管理職となり、気負いがあったのかもしれません。
これまで以上の成果(数字)が求められ、
うんざりもしていた(している)のもあります。
部下を持つ責任、果たすべき目標、
それが何のためなのかも見えなくなる自分。
少なくとも3ヶ月は走り抜けてきましたが、
全てが嫌になって、ぷっつりと糸が切れてしまった感じでした。
こんな下手くそなやり方でしか休めなかったけど、
この期間を大事な助走期間にしたいと今は思っています。
最初は休むことが不安でしたが、
2週間もすれば勝手に仕事は回っています。
チャットやメールの通知も切って、煩わしい想いもしなくなりました。
このまま家の周りで日常生活していても、今度は虚無感が出てしまう。
そこで「非日常」を探しに、旅に出ることにしました。
***
行き先は箱根本箱。
昨年、当時の恋人が紹介してくれて、初めて旅行した思い出の地です。
館内には1万冊以上の本があり、フロントから各客室、温泉に続く廊下にまで
本が置かれている読書好きにはたまらない空間です。
さらには絶品のお料理と、天然温泉で心もとても満たされます。
外の観光には行かず、「ホテル内でまったり、ゆったりした時間を過ごす」
という大人な旅の仕方に感動した記憶があり、
そんな旅が今の自分にぴったりだと思い、無意識に予約をしていました。
あいにくの雨ではあったけれど、車を走らせてチェックイン。
運転(と、午前中にしていた運動)疲れを癒すべく、
まずは温泉に浸かって、ウェルカムドリンクとお菓子を食べて
第一次読書タイム。
ここでしか出会えないような本をサラリと読んでいました。
少し早めの夕食は、東海道にちなんだコース料理。
一つ一つのお料理に意味が込められていて、作り手の方々も
きっと楽しみながら作られているんだろうなぁと感じました。
「あぁ、こういう想いのこもった仕事をしたいよなぁ」と
改めて思ったり。
コの字型のテーブルには一人旅の方が多く、
とても静かな時間で上質な時間を満喫してきました。
最近の猛暑とは打って変わって「ザァザァ」と降り注ぐ雨の中で
「ジリリリリリリ」と、雨の中でも鳴き続けるひぐらしの声が
季節のゆがみを作り出していて、それもまた一興でした。
ここまでとても充実した時間を過ごすことができて、
そういえば最近、本を読んでも頭に入らなかったり、
こんな文章を書きたいと思うことすら無くなったり、
意欲も気力も湧かなかったことが嘘みたいに、
自分らしく時間を過ごせています。
***
最後に。
箱根本箱を紹介してくれた恋人は、今では妻になりました。
一人だったら悶々とし続けて、悪循環まっしぐらだったと思います。
そんな自分を知ってか知らでか、「休んじゃえばいいんだよ!」と
休む勇気をくれた彼女に、感謝したいです。
自分にとって、「想いの篭った仕事」って何だろう?
と考えるのは、旅の終わりの宿題として、
もう少しだけ、「非日常」を味わいたいな。
夜はまだまだ長いから。
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