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茶道は季節を大切にする、はニセの伝統…本当に推してたものは何?

関西の若手おもしろ文化人さんのオンライン茶会「サイコロ茶会」を拝聴した。するとそこで話題になったのが

「季節のお茶菓子を作り出したのって、江戸の元禄時代ですよ。元禄あたりで俳諧が流行って季節を意識することが流行ったんですね」

まじかー!たしかに利休は茶会にクレープみたいな、フノヤキってのを出してたと聞く。茶色い小麦のお菓子、季節感ゼロだわ!!!!

たしかに、利休の二世代前、堺のアーバン港のビジネスマンたちが「侘び茶」をやり始めたころ、掛け軸でかかったのはお坊さんが書いた書。人生のいい教えは書いてありそうだが季節感ゼロだわ!!!!

利休の時代は、冷房も暖房もない。いやというほど季節とは隣り合わせだった。扇風機もない真夏の茶室でことさら「暑くなりましたねえ」とか会話しても、は?お前に言われなくても知ってるけどなにか?という話題である。


季節を肌で感じ取っていた利休達にとって茶会でわざわざ季節ネタを出すのは、嵐のコンサートに行って、隣の見知らぬ人に「わたし、嵐のファンなんです」というような野暮な話、というわけだ!「それがなにか?知ってますけど?」となる。

給湯流茶道は、信長や秀吉が戦場で茶会をやっていたように、現代の戦国武将(リストラ、パワハラ、長時間労働で命を落とすこともある!!)であるサラリーマンが戦場である職場で抹茶をたてることを推奨してきた。(今はコロナで在宅勤務・・自宅が戦場だ!!)

冷静に考えれば、オフィスビルや在宅はエアコンをガンガンかけてデスクワーク。季節感など感じる暇はない。給湯室では、サラリーマンは次は部長はどこに飛ばされるか?とか新しく来る課長はどんなキャリアの人か?次の決算で弊社の株価は落ちるのか?など自分の仕事を守るため戦況を聞き出すのに必死である。給湯室で季節の話するなんて、ありえない。

利休の時代も茶会で季節の話をしている場合ではなかった。密談をして次に誰を殺すか相談したり、堺の商人に武器を購入する商談をしていたり、秀吉の朝鮮出兵でゲットした韓国の良品茶碗を自慢することで大忙しだからだ。茶碗をつくるのに適した土を発見した!優秀な陶工を発掘、スカウトした!こういった情報で、茶道を通して経済流通を掌握できることになる。戦国武将は自分が生き残るための情報を茶会で集めまくっていたのだ。

戦国時代、茶道(茶の湯)が推してきたものとは、サバイバル情報だ。自分が生き延びるための、ありとあらゆる情報を手に入れる。これが利休の頃の茶会のノリに近いんだと思う。


茶道にはうさん臭いワードがある。1つ目は「茶道は総合芸術」。そもそも芸術って言葉は明治時代にアートって外来語を訳すためにやっつけで作った新語。これは第二次大戦後に百貨店がキャンペーンで作った言葉という説もある。この言葉をチャラチャラ使う人は、本当に茶道の歴史を知っているとは思えない!信用できない茶人だw

そして今日確信したのは、茶道でやたら季節を推してくる人も信用できねえってことである。
そういううさん臭い奴限って「日本の伝統は」とか大ぶろしきを広げて適当な文化論や精神論をぶちかます。

本来、茶会では季節の話なんかする暇がないくらい、情報交換や密談、手に入れた茶道具も自慢話で大盛り上がりするはずなのだ。作られた伝統に踊らされ、季節推ししてくる「エセ日本文化野郎」が近づいてきたら要注意やで!(急にエセ関西弁)。



といったわけで、日本の古い伝統だと思ってるものは案外、江戸時代に作られたものも多いです。そんな江戸時代にくわしくなれるZOOMトークショー&交流会をやります!2020年8月28日20時。

ぜひご予約ください

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