「コーヒーは14時まで」というウソ

『SLEEP』という本に書かれているらしいが、樺沢紫苑先生を始めとして多くの著名人が「14時以降はカフェイン禁止」というルールを守っているらしい。

厳しすぎるなあと思いながら元の論文を漁ってみた。

方法:この研究は、家庭で自己報告された睡眠のプラセボに対して習慣的な就寝時間の0、3、および6時間前に投与されたカフェイン(400 mg)の固定用量の潜在的な睡眠破壊的な影響を比較した。睡眠障害はまた、検証されたポータブル睡眠モニターを使用して客観的に監視された。
結果:結果は、就寝時にカフェインの適度な用量を実証しました, 就寝時間の3時間前に, または就寝時間の6時間前に、それぞれプラセボに対する睡眠障害に有意な影響を持っています (p < すべてのための 0.05).
結論:総睡眠時間の減少の大きさは、就寝前に6時間服用したカフェインが睡眠に重要な破壊的影響を及ぼすことを示唆し、就寝前に少なくとも6時間の間、実質的なカフェインの使用を控えるために睡眠衛生勧告の経験的支援を提供する。

6時間前に400mgも投与!?
カフェイン400mgといえば、コーヒー4杯程度の量。

ブラウザ翻訳なので間違ってるかもしれないが、400mgというのはかなり無茶な数字であり、この量を6時間前に飲んで睡眠が短くなったからといって何かが分かるわけではないだろう。

コーヒーをはじめカフェイン飲料は一日を通して間隔を開けて飲む。朝に飲んだ分は夕方になればほとんど代謝されている。にも関わらずこの実験では、単回投与で6時間前に摂取している。はっきり言って意味がない。

なぜこんな実験から「14時以降はカフェインはNG」という結論が出たのか。樺沢紫苑先生をはじめとしてファクトチェックが働かなかったのかは疑問だが、『SLEEP』の中にそう書いてあったからそのまま引用したということなのだろう。

さらにこの論文では最後の方にこう書かれている。

議論
この研究の結果は、400 mgのカフェインが就寝前に0、3、あるいは6時間前に有意に睡眠を妨げることを示唆している。6時間でも、カフェインは睡眠を1時間以上減らしました。睡眠喪失のこの程度は、複数の夜にわたって経験した場合、昼間の機能に有害な影響を及ぼす可能性があります。40–42したがって、本結果は、カフェインの午後の消費の一般的な慣行は、特にますます人気のあるプレミアムコーヒーやエナジードリンクに一般的に見られるカフェインの中程度の大量投与に関して、少なくとも17:00までに制限されるべきであることを示唆している。将来の研究は、通常の枕木に対して不眠症の午後のカフェインの睡眠破壊的な影響を決定するために必要とされます。

著者自身も400mgの単回投与でははっきりしない事を分かっているのか、「カフェインは17:00時までにしよう」という曖昧な主張をしているようだ。

「6時間前の一杯のコーヒーで眠れなくなる」とは書いていないのだが、本の情報だから正しい!→インフルエンサーが広める→根拠もなく常識になってしまう、という流れなのか。

ただし、ブラウザ翻訳でよくわからない日本語になっているものを、ド素人の私が適当な解釈で言っていることなのでこれまた疑って読んでほしい。最も読者は生活保護の私になど一切信用を置いてないだろうから、杞憂であろう。

私自身は「17:00までにコーヒー1杯ならいいかな?」と思うし、強い人なら今までの医学的なコンセンサス通りに19:00くらいまでなら良さそうですけどね。

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