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ほんとうの優しさ

とても悲しい知らせを受けて8月が終わった。

以前勤めていた会社で一緒に働いていた子の訃報だった。

わたしが引っ越してからも年賀状のやり取りはしていたものの、日本にいなかった期間にわたしが年賀状のやりとりをすっかり辞めてしまったので、どうしているのかは全く知らなかった。

後輩から連絡が来て知り、亡くなった当日にLINEをしていた後輩が落ち込んでいて、一緒に働いていた人たち全員がショックを受け、わたしも悲しくてたまらなくて思い出しては涙ぐんでいた。

命には限りがあり、いつ終りを迎えるのかは誰も知らない。

そんなこと十分すぎるくらいわかっているのに、毎回悲しい。

もう会えないから悲しいのか、話せないから悲しいのか。

以前書いたこの記事で、生と死の中で生きることについて書いた。

そこに「自分の中にその存在を感じることができるようになる」と書いている。でも亡くした直後はぽっかり空いた穴を埋めることはできない。わかっていても、だ。


もし、自分が余命を知らされるような病になったらどうするか。

できればひっそりと死んでいきたい。最初から存在していなかったかのように消滅してしまいたい。

でも物質世界に生きていて、存在していなかったかのようにはなれないから、もしわたしの死を悲しむ人がいるなら、その人たちの悲しみもできるだけ和らげてあげたい。

スパイク・ジョーンズ脚本の「her」という映画では、人工知能OSに恋をする男性が主人公だったけれど、もっと人工知能の技術が発達したら、本人そっくりの人工知能を作ることができないだろうか。

それができたら、自分のお葬式ですら亡くなった本人と話し合いながら進められる。1人で葬式を出す人の辛さがわかるのでそういうのなくしたい。

亡くなった後も「いや〜お前の葬式の後、こんなことがあって参っちゃったよ」とか自分の葬式してくれた人の愚痴を聞いて「大変だったねえ」って言ってあげたい。

泣いてる友人知人がいたら、人工知能コピーしてもらって「ここにいるから泣かなくても大丈夫だよ」って言ってあげたい。

お葬式をしてくれた人がパートナーだったら「わたしはもういないのだから出会いを求めて行動して」っておすすめしたい。新しい恋の相談にだってのってあげたい。その人の最後だって看取ってあげたい。人工知能だけど。

iPhoneにその機能搭載されないかな。


どんなに悲しくてもどんなに食欲がなくてもお腹は空く。

爪だって伸びるし、仕事もなんとかこなすことができる。

気持ちと行動が折り合わないこの感じを、昔から「お湯の中の氷」だと思うようにしている。

お湯に氷を入れたすぐは冷たいところと温かいところが混じっていても、いつか同じ温度になるんだ。

9月の初めは、以前から入れていた予定以外は入れないようにした。直前までキャンセルさせてもらおうかなと悩んだけれど、またリスケしてとなるといつになるかわからないからそのまま会うことにした。

でも会ってよかった。

ひとりは友人を亡くした経験のある人で、その人の一言はわたしと落ち込んでいた後輩を救ってくれた。医療従事者だし、普段からそうやって患者さんの悩みと向き合っているから、その人にとっては何気ない一言だったかもしれないけれど、とても救われた。

ひとりはインドで知り合ってからは6年か7年か…それくらいだけれどわたしが「妖精」と思っている大好きな友人。

もうすぐ郊外に引っ越しちゃうからと会う予定を入れていたのだけれど、常に素晴らしい笑顔で迎えてくれる。その笑顔だけで癒やされる。

友人はクタクタなわたしを床に寝せ、勉強中の楽健法という足で指圧するマッサージをやってくれた。普段のわたしは、マッサージをされても全く寝ないのに、マッサージ終わった後の10分間の意識がない。

帰りにその子が焼いた天然酵母の食パンをお土産で持たせてくれた。翌日、そのほわほわとした少し甘みのあるパンを噛み締めながらまた泣いた。

1日2時間くらいしか眠れていなかったのに、その子と会った日の夜は9時半に寝てぐっすりと眠った。


この友人たちは、九星気学の本命星がわたしとは相克。西洋占星術で見るとライツの関わりはハードアスペクトだ。つまり占いでかんたんに見ると相性が良いわけではない。でも、深く読むと縁があるのはわかる。

ここでも書いたことあるけれど、わたしに足りないものを見せてくれているというのもある。こういう人たちとの関係を大切にしたい。


いつも笑顔でいられる人こそが本当の意味で優しい人なのではないかと思った。

何も聞かない、詮索しない、何かを聞いたら最低限の言葉をかける。温かい笑顔で接する。

これができる人はなかなかいない。できる人は本当に優しい人だと思う。


亡くなった元同僚もいつも笑顔でとても楽しい人だった。

後輩と泣きながら、あの子のように笑顔でいられるようになろうと話し、「1日1優しさ」で過ごすことを約束した。

亡くなった元同僚はハードに働くわたしに「もし恭世さんが過労死したら、わたしが証明してやる」と言ってくれていた。過労死はもうしないから安心して。

しかし、後輩は仕事が忙しくなると何日も寝ないような仕事の仕方をする。それこそ死ぬんじゃないかと心配になるので、キツイときはいつでも連絡をするようにと伝えた(そのような仕事の仕方をするのは教育係だったわたしにも責任の一端があるし。笑)。

空へ旅立った彼女が安らかでありますように。
彼女を見送った彼女のパートナーの心の痛みが少しでも和らぎますように。



来週は乙女座新月を迎えるよ。

なんとかLife with the Moonの乙女座新月の記事は終えたけど、自サイトの記事は書けないかもしれないので、先にLife with the Moonの記事をシェアしておくね。


来週のムードはこちらを。


じゃまたね。

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