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8Peaks familyを外から見ると?外部からかかわるからこそわかる、唯一無二感 |専門家対談

長野・八ヶ岳エリアで観光事業に携わる事業者の有志「8Peaks family」。
今回は8Peaks familyのメンバーではなく、ツアー造成や地域計画などの面で外部から8Peaksに関わっている「専門家」たちに、8Peaksの特徴や今後の展望を語ってもらいました。

登場人物(敬称略)
枌 大輔(株式会社VISIT九州 代表取締役、株式会社コレゾ 代表取締役、野遊びツーリズム プロデューサー):アドベンチャーツーリズム造成に関するアドバイザリー担当
森 成人(株式会社リクルート じゃらんリサーチセンター、気仙沼市復興アドバイザー、(一社)気仙沼地域戦略理事・CFO、観光庁専門家登録):3年前から八ヶ岳エリアに移住。観光全般に関するアドバイザリー担当
小路 輔(WEBマガジン「初耳 / hatsumimi」編集長兼代表):台湾向けコンテンツ造成やPRに関するアドバイザリー担当
飯塚 洋史(quod,LLC 共同代表 エリアディベロップメントディレクター) :レイクリゾートに関する地域計画策定やエリアPRに関するアドバイザリー担当
青木 卓也(地域ブランディング研究所):歴史文化体験ツーリズム造成に関するアドバイザリー担当

ファシリテーター:矢崎高広

8Peaksの唯一無二感とは

矢崎:今日のテーマは、小路さんから出た“この地域、8Peaks family(以下、「8Peaks」)は「何か」がいいから、その「何か」をもっとちゃんと表に出したほうがいいんじゃないか”という話を受けて、その「何か」について、みなさんが思う「何か」を明らかにするということです。
僕らもその「何か」がよくわかっていないので。
じゃあまずは、小路さんから、その趣旨説明をお願いします。
 
小路:すごいむちゃぶりだなぁ(笑)。
 
矢崎:別の事業で関わっていただいている方も同じようなことを言ってくださっていて、「アウトプットよりもその過程を話したほうがいいんじゃないか」って。なので、みなさんが思う「こういうところがいいよね」っていうのと、悪いところは傷つくのでやめといて…
 
一同:(笑)
 
矢崎:「もっとこうするといいんじゃない?」って話をざっくばらんにお願いします。
 
小路:簡潔に言うと、地域おこしとかまちづくりってアウトプットがだいたい似てきちゃうんですよ。それって特に日本だとそうで、台湾だと結構そのエリアごとのローカルみたいになるんですけど。過程で特色を出すけど、最終的なアウトプットってだいたい日本と同じようなやり方が多いなぁって思っていて。
なので、まさに(本対談の前に8Peaksのメンバーが行った)自己紹介・他己紹介もそうだけど、これだけしゃべれる人が8Peaksにいるっていうのは絶対みんな言いたいことあるんだろうな、それを話していったほうがおもしろいし、地域の魅力って伝わるよねってずっと思っていたんですよ。
それがちゃんとアウトプットできればいいなと思っていて、でも個々でアウトプットっていうと大変だから、8Peaks familyみたいなのができたのはすごくいいですよね。これをきっかけに、またアウトプットできたらいいんじゃないかなって思っています。

小路輔:台湾向けコンテンツ造成やPRに関するアドバイザリー担当

矢崎:ありがとうございます!じゃあ長老(枌さん)お願いします(笑)!
 
飯塚:そんな長老キャラでしたっけ(笑)?
 
:専門家側が最年長ってあまりないですよね(笑)。大体地元に長老がいて、若者・よそ者の代表なのに(笑)。
 
:長老なんて言っても結構僕は腰が低い長老ですよ。すごく気を遣って生きてます(笑)。
 
矢崎:枌さんは3年位関わっていただいて。みなさんに共通でお伺いしたいんですけど、他と比べてどうだとか、この地域のアドバンテージとか、逆にディスアドバンテージとか、こうやったらもっといいよねとか、そういうのがあれば、ぜひ教えてください。
 
:専門家みんな思うことが一緒かもしれないけど、共通なのは、まずこのメンバーですよね。

枌大輔:アドベンチャーツーリズム造成に関するアドバイザリー担当

矢崎:これはレアなんですか?
 
:レアレアレア!こんなに個性的な人たちがなんでここにこんなに集まってるんだ?っていうのと、吸引力と、それを一体的にまとめるっていうのはなかなか難しいですよね。
 
小路:ちゃんと世代交代ができてる感じですよね。
 
矢崎:世代交代してないですよ!勝手に謀反起こしてる感じ(笑)。
 
:それであったとしてもいいよね。
 
:でもこういう人達がいるっていうのがいちばんまずベースとして、ですよね。
 
飯塚:あと、夜に矢崎さんがオンラインで30人くらい集めるっていう…
 
矢崎:それよく言われるんですよ!集まんないですか、そんなに?
 
飯塚:あれすごいなって思って。

飯塚洋史(中央):レイクリゾートに関する地域計画策定やエリアPRに関するアドバイザリー担当

一同:そうそう。
 
飯塚:しかも中の人と外の人と両方とも繋いでいるあの感じができるのがすごいなって。
 
矢崎:聞いた?聞いた(笑)?
 
飯塚:それ、矢崎さんがあまりオフィシャルなポジションをもっていないからできているっていうのもあるのかな?って思いますね。
 
:すごくわかりやすく言うと、僕は仕事柄こうやっていろいろな地域に行かせてもらいますけど、普通だいたいこの手の集まりって、声かけの出発点は、「行政の観光課の●●と申します」とかですよね。で、「どうやってこういうふうに作ったらいいんですか?」みたいな。いや、あなたが声かけてきてる時点で多分違うんです…みたいなことだと思うんです。
みなさんって、要は、民でもうできてるじゃないですか。これができないから、行政発信でこっちにいるみなさんに声がかかるっていうのが、だいたいのスタートです。「どうやって民側を盛り上げたらいいですか?」っていうのを必死にメモとろうとしてる行政の人がいる、みたいな感じだとなかなか難しくて。税金はあって事業はできるのかもしれないけど、こっち側のみなさんがいないから、魂がないままやっている、みたいな。
8Peaksの場合は民がこのスタート地点だから、逆になんでこれができてるのか?っていうのが、まずいちばん違う点じゃないですか。

森成人:3年前から八ヶ岳エリアに移住。観光全般に関するアドバイザリー担当

飯塚:しかもこれってここ数年でできているんですよね。
 
:そう。それがすごいですよ。これをどうやったら作れるかを言語化できたら、たぶんみなさんは日本でロールモデルになれると思うんですよ。これ、できないかな?
 
矢崎:青木さんどうですか?
 
青木:みなさんおっしゃったように、普通は行政区域内におさまってしまうところが、茅野・富士見・原村っていう行政区域がまったく関係なくごちゃまぜになっていて、しかも茅野って「白樺」「蓼科」って元々も観光協会区分があったじゃないですか。そこに関係なく動いているって本当にすごいなって思っていて。行政の垣根を越えた連帯感がある点がまず1つです。
それと「まちづくりには興味がないけど楽しい」っていう意見も本質だなって思っていて。「まちづくり」と思うと堅くなってしまいがちですが、みなさん和気あいあいされてるから、自分たち(専門家)も入りやすいところが他と違う温度感だなと思って、僕も楽しく入らせていただいています。 

青木卓也:歴史文化体験ツーリズム造成に関するアドバイザリー担当

矢崎:ちなみに、今の話で出た「入りやすさ」って、失礼ながらも「外の方を外の方と思っていない、先生を先生と思っていない」ふうに結果としてなっているんですけど、それは「よし」ですか?まぁ悪しとはいえないと思いますけど。もうちょっと先生っぽく扱ったほうがいいのかなって、たまに思うんですけど。
専門家派遣のお二人は、観光庁でこんなひどい扱いを受けたことはありますか(笑)?
 
一同:(笑)
 
:別に失礼だと感じたこともないですけど(笑)。どうですか?
 
小路:僕も全然。やっぱりこの8Peaks familyの図式に興味があって。森さんがおっしゃったように、これの作り方がわかったら他でも応用できるんですけど、未だにわからない。でも、さっきの「行政発信ではない」っていうのも、1つのヒントだったのかな。
 
:要素は1つじゃないですよね、きっと。
 
:このチームができている要素の1つは矢崎さんのレスポンスの早さや、矢崎さん自身がすごく動くこともあるのかな。
 
山本(麻):結果的に矢崎さんは「やりたい」をすごく引き出してくれる。それはきっと(専門家の)先生方の「やりたい」も引き出しているんじゃないかな。

取締役オーナー・矢崎の野望

 
:矢崎さんのモチベーションって何なんですか?
 
矢崎:僕のモチベーションは、毎日わいわい楽しく暮らすこと。すみませんね、つまらない回答で(笑)。
 
:でもこういう人がいるから、っていうのは1つの要素ですよね。
 
飯塚:めちゃくちゃ大きいですよね。
 
:矢崎さんのモチベーションがわかればいいですよね。
 
矢崎:日本のために横展開したほうがいいとは思うんですよね。でもどうやったら横展開できるのかな?
一応まじめな話をすると、WantとCanとMustは気をつけていて、まずみんながやりたいこと(Want)は絶対やる。できること(Can)を中心にやる。社会から求められること(Must)もやる。この3つの面が重なっているところをはめるようには気をつけています。
だから、よくある「事業が補助金をとっちゃったから、Mustが強くてやりたくないことをやっている」というのは翌年続かないし、Wantが強すぎて「社会的なことがない、ちょっと自己満足」なのもだめで。
「みんなが何をしたいか」には気をつけています。そして、「みんながやりたいことを、社会的ニーズと顧客ニーズとどう絡めてやるか」は意識しています。
僕は結構、みなさんの分析もするんですよ。

一同:怖いな(笑)。
 
矢崎:たぶんみなさんは全国いろんなところに派遣されて、もしかしたら、何言っても反応が鈍いところで、1年経つと砂の城みたいに補助金だけが溶けていって、みなさんだけが動いていて、「何のためにやっているんだろう。でもしょうがないよなぁ、派遣されてるし」みたいなニーズだとしたら、僕は逆を行こうと思っていて。来年もちゃんとやる、みなさん(専門家)よりもみんな(8Peaks family)がちゃんと動く。で、ちゃんと意味があることをやる。ということができれば、専門家のみなさんがずっとこの地域にいてくださるかな?と思っています。

:8Peaksのみなさんは何が違うんでしょうね。でも、今すぐそれが何なのか求めなくていいんじゃないかな。あと数年、時間をかけていったほうがいいんじゃないかなと思います。
 
矢崎:ちなみに森さんはよくわからない僕らのclub houseで声をかけられて、こんなに8Peaksでタダ働きさせられて…時給とするなら本来高い方ですけど、正直1円も払っていないってことにさっき気づきました(笑)。
 
:別に働いてるイメージもないけど(笑)。僕、まじめに『とーりまかし』(じゃらんリサーチセンター発行の研究冊子)とかでみなさんのこと書きたいと思ってるんですけど、まだ僕の中でできていないんですよ、シナリオが。みなさんが今悩まれているところ…つまり、「なんでこの集まりができているのか」の解がまだ僕の中にないから、それがわかったら書きたいですよね。
 
矢崎:その解がないことが強みなのかな。解が出たらつまらなくなるかな、と思って。ずっとよくわからないままがいいかな?どっちですかね?
 
:もうちょっと熟成させてもいいかも。今、結論をドヤ顔で出されても薄っぺらくなっちゃうから(笑)。まだ、3~4年でしょ?7~8年位やって、やっと矢崎さんの口から「最近、俺思うことあるんだどさ…」ってポロッと出てくるようなことがかっこいいみたいな。もうちょっと待ったほうがいいんじゃないかな。
 
:これ、ポイントが2つあって、1つはみなさんプレイヤーの人たちが、なんでここに集まったのかな?ということ。森さんも八ヶ岳エリアに移住しているけど、この地域の魅力っていうのはあるんじゃないかな。
 
齋藤:移住者が人口比に対して多いことが魅力なのかな。僕もたまたまこっちのほうにIターンで来たくちですけど、みなさん先輩方が非常にレベルが高くて、1年で2歳年とってます(笑)。

矢崎:ヨイショはいらないからなぜここに来たか、結論をお願いします、端的に(笑)。
 
齋藤:たまたまです。
 
一同:(笑)
 
矢崎:でも「たまたま」は結構狙っていて、「たまたま」を拾うために、JC(青年会議所)時代から色々とセミナーを開きまくって、たまたま来た(福井)五大くんと牛山くんをフックして。

個性豊かなメンバーの共通点

:もう1つが、移住してきた人がいるっていうのと、その中でも個性的な人たちがネットワークされてるじゃないですか。どうやって8Peaksメンバーを集めたんですか?
 
飯塚:そう、フックはどうやってかけてるんですか?
 
矢崎:僕の好みです。もともとJCでやっていたときに、観光まちづくり系と違う人がいっぱいいて、それはそれでよかったんですけど、なんかみんなの方向性が合わなくて、うまく推進力をもてなかったので、みんなのためによくないな、商売のベクトルがそっちに向いてる人を集めたほうがいいな、と思って、チームを1回リメイキングしたんですよね。そこでセミナーを開きまくって、僕の判断軸で「頭の回転が早くて、家業を持っていてそれがちゃんと回ってて、ネジがはずれてる人」に片っ端から声をかけました。

矢島:つまり、頭のいいボンボンってよく言うんですよ。
 
矢崎:まぁ、偏差値が高いというより、真面目で頭の回転が早い人か、いい意味でネジが外れてるというか、個性がある人を集めています。
あとは、良し悪しは別として、僕のトップダウン方式がここまではよかったかな。もう少しで限界が来そうなので、そろそろ分散しなきゃいけない。
 
:でも、集まりとして仲がいいってだけじゃなくて、みなさんでちゃんと出資しあって、8Peaksっていう会社にしてるんですよね?さらにそこに部会マネジメントを通したわけじゃないですか。それは誰がどういう話の中からそうしたんですか?
 
矢崎:たぶん僕だと思います。一応ベンチャー企業だと思っているので、当面は1トップでいいと思っています。あとは、企業経営に長けている矢島さんと中村さんをサブに置かせてもらって、おかしくないかだけチェックしてもらって、問題なければそれで通す。他のみなさんは、生業は長けているけど経営っていう感じではない人が多いので、3人に任せるよって言ってくれているのがうまくいっているのかも。
 
:他のみなさんは唐突感はなかったんですか?いきなり会社作って出資して部会の責任者やらされてって、お金払って仕事渡されてるわけじゃないですか。語弊があるかもしれないけど、そうですよね(笑)。そのコミット感はなんで出てくるんですか?
 
矢崎:五大さんどうなの?
 
福井:出資することによって自分が今まで出会わなかった人と関わることができて、自分は勉強できると思って、それがまた一緒にやっていて楽しいから、その出資は惜しくはないですね。というのと、最初Uターンしてきたときは地元で矢島くんくらいしか知らなくて、帰ってきてどういうふうになるのか全然予想もしていなかったんですけど、自分が楽しくやらなきゃなと思っていたところに、こんなにアツい人達がどんどん現れて。

:どうやってこのチームに入ったんですか?
 
福井:矢崎さんがセミナーに来て知り合いになって、そこからどんどんやるようになって。
 
飯塚:「たまたま」がキーワードですね。
 
福井:たまたま帰ってきてすぐ、e-bikeのツアーをやりたいなと思っていてたところにサイクルツーリズムの募集があって、いち参加者としてそれに参加したところから、今こうなっています。ありがたいですね。
 
:いろんなジャンルのセミナーをずっとやっていたことには意味があるんですね。

専門家から見た8Peaks

矢崎:8Peaksはこれからどうしたらいいですか?何をしたらいいですか?

:みなさん正直、奇跡的な部分で集まってる部分はあると思うんですよ。これは何で束ねられているんだろう?何でずっと続くんだろう?という問いに僕からの答えはないけれど、みなさんこれからたくさんしゃべったほうがいいんじゃないですか。
旬な時期ってやっぱり短いじゃないですか。ドライな言い方かもしれないけど、元の集まりがウェットな集まりだから、モチベーションひとつ間違うと、「俺、飽きちゃったよ」って離れていく人がいるんじゃないですか。そこを事業で担保するのか、何で担保するのかっていうのはみなさんこれから考えられるんでしょうけれど。
 
矢崎:8Peaksのみなさんに向けて言うと、みなさんが飽きないように、僕自身が飽きないように、常におもしろいことをやり続けることと、一応、みなさんが刺激的なレベルでいられるように努力はしています。しばらくは1トップ体制だと思うんですよね。で、僕がいろんな方をお招きして、僕がみなさんに刺激的な何かを提供し続けることがしばらくの間の永続性で、それも限界があるので、その次は構想中なんですけど。
一応、利益誘導型モデルなので、僕が窓口になって補助金やノウハウ、プロモーションなどを引っ張ってきて、事業体の連携、どちらかというと民間事業者のジョイントベンチャーみたいなものがメインなので、みんなが儲かる、みんながよくなる、だとおもしろいですよね。
 
飯塚:一応、DMC的なところじゃないですか。だから、そのときに他の地域って地域外の人に向けて何をするか、みたいな思いで最初は立ち上がってることが多いと思うんですけど、ここの場合って「仲間内のために」っていうのが結構強いな、って思っていて。でも、外のためにもやっているっていうその塩梅がユニークだなっていうのは、見ていて思いますね。それは矢崎さんのモチベーションが、そういうバランスなんじゃないかな。
 
:だから、DMCといいながら収益事業をもっていないですよね。そこもどうなるんだろう?というのはありますけど、奇跡の人と人のつながりですよね。
 
矢崎:あえてDMCとしては自主財源をもたずに、本来ここに貯まるはずのお金を各自に分配して使ってもらって、いざという時には上納してもらう、というほうが健全かな、と。

:たぶん、今までは矢崎さんの思いの中で、みんなおもしろそうだし、役に立ちそうだな、ネットワーク集めになるなと思ってやっていたと思うんですけど、今後組織を継続しようと思ったら、何のための組織かっていう目的を考えないといけないですよね。
 
矢島:それは、Want、Can、Mustの考えが関わってきますね。Mustに偏ると収益化はできるけど、つまらなくなってしまう。矢崎さんはWantにこだわるんですよね。そこで、僕たちは儲けるDMCにするのか、楽しければいいっていうので突き進むのか、どっちかなっていうのを考えないといけないですよね。
だから、DMCの中での収益を考えない組織っていうのが1つのモデルになるんじゃないかな。
 
矢崎:それがもし新しくて、モデルになるのであれば、おもしろいですね。いわゆるDMO、DMCってゼロから作るじゃないですか。だからそこは自主財源をもたないと永続しないんですけど、ここはみなさんの個々の事業が既にあって、その上でみなさんからの出資と、もしかしたらそもそも出資は必要なくて、困ったときに10万円ずつくらい出してもらえれば回ることは回るので、ある意味永続性はあると思います。
 
:だから、何のためにやるかですよね。みんなが楽しいイベントをやるためとか、色々あるじゃないですか。
 
中村:8PeaksはJCの延長線上のような感じもします。8Peaksでできた何らかの成果によってみなさんがいい影響さえ受けていて、楽しいと思っていれば、永続的に活動ができるだけで。この組織自体が大きくなる必要もなければ、利益を生み出すということもなくても、それぞれの事業者が儲かっていればいい組織ではある気がします。
ただ、何かをやるときにはみんなでここでやるよね、という共通課題としてあって、そこで絡める事業者が是々非々で絡んでいけばいいような気はします。
 
:いい議論ですね。
 
:わかりやすい。

これからの8Peaksが目指すもの

矢島:「矢崎高広とゆかいな仲間たち」みたいな組織でいるのか?それとも、これから先ちゃんと収益事業にするのか?っていうのは、今、僕らとしては大事な問題です。

矢崎:稼ごう!
 
一同:(笑)
 
矢崎:一応メンバー選定の中で明日食う飯に困っていない人を選んでいます。温度感を同じにする目的もあって。
 
 :あとはみなさんの会社のアセットを8Peaksに出すっていうことはできないのかな?例えば、池の平ホテルの社員さんが8Peaksの仕事をするっていうような。
 
矢崎:とりあえず、今は経営者が自分の労働力をここに出しているので、それが派生していくといいのかな。
 
:それがすごく高速回転で回り始めたらすごく斬新な組織かもしれないですね。だってもういよいよ人も雇わなくていい、お互いの会社組織の中から出し合ってやる、っていう。
 
矢崎:そういう今までになかった形のビジネスモデルができるといいですよね。
 
北原:DMCとしてどうする?って(齋藤)由馬と2人で話してたのは、無理してDMCをやろうとして、互いの仕事をがっちゃんこして無理が出るとおもしろくないんだろうねって。DMCで稼がなきゃいけないっていうのはあるんだけど、それぞれがそこを利用してもう稼いじゃってると思うんですよね。
 
矢崎:DMCを各々の仕事につなげるっているのも、あるべき姿だと思うんですよね。各々の利益の集積がチームの利益になって、DMC自体は利益が出ないかもしれないけど、みんなに利益が出れば、多少持ち出ししても回りますよね。
これって行政主導型の補助金等のいつか途切れるモデルよりは永続性はあると思っていて。各社が儲かり続けている限り、かつ、分散しているので、20社くらいあるうちのどこかがコケても、「しばらく出資金ストップで出せるようになったら出資金出してね」みたいな形でやっていけば、補助金をある程度とれるモデルにして、1/2なのか、1/3なのかを自分たちで出して、ぐるぐる回していけば、補助金はランニングではなく初期投資に使って、あとは自社で各自がやる、というモデルは、うまくいけばおもしろいんじゃないかなと思います。

矢崎:単にイベント打って、それで消えていって1年単年で蒸発するP/L(損益計算書)的なお金の使い方よりも、ちゃんとB/S(バランスシート:貸借対照表)に溜まって、備品購入、webを整える、ガイドの質が上がる、など資産化されて、その後20~30年にわたって利益を生み出すっていう使い方が正しいと思っているので、一応僕はこの補助金の使い方は間違いではないと思っています。
これでしばらく食っていけるのであれば、これをずっとやっていくためにnoteを作る、みなさんに宣伝していただく。そしていろんな方に来ていただいて、「この地域はおもしろいぞ」って言っていただく、というのが、たぶんこのモデルの生き残る術かなと思います。
…って、(8Peaksの)みんな聞いてる(笑)?
この組織の強みがわかりました!興味がない人は興味がない、話を聞いてない(笑)。けど、「わかる人がやってくれてるならいいや」って、ベットできるチームづくりが成功したんだなって、今思いました(笑)。

中村:8Peaks family的には、売上とかじゃなくて経済波及効果みたいなことだけで特定して、各社がどれだけ儲かったか、みたいなことが指標でもいいかも。
 
矢崎:何かを始める初期ハードルとなる額を8Peaksで負担して、あとは各社でやってね、という…ちょっと、聞いてる(笑)?今、いいところだよ!?
 
一同:(笑)
 
:みんないいキャラしてるよなぁ。

矢崎:話題があっちこっち行ってますけど、「8Peaksはどうしたらいいですか?」っていう解をぜひみなさんからお伺いしたいです。
 
:今の話を聞いていたらそれでいい気がするけどなぁ。むしろ最低でもあと5年位はやらないと。「僕たちのここがすごい」はあと5年とっておいたほうがいい気がする。
 
専門家一同:それが良いと思います。やりながら、考えましょう!
 
一同:(笑)

職業も、パーソナリティも多種多様なメンバーが、あらゆるきっかけで集まった8Peaks family。
今回お話を聞いた「専門家」たちをはじめ、地域内外の方々を巻き込みながら、どうしたら八ヶ岳エリアがもっと活性化するのか、日々楽しく奮闘しています。
今後の活動にもぜひご期待ください。


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