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小さなおもてなしを呈茶にて

6月のある日、形には残らないけれど、思い出に残るお迎えをしたいと思いました。

お迎えする方はベトナムからの留学生として、鎌倉のホストファミリーの元で住まい、学生時代を過ごした世界的企業の若い管理職。

40才前後の数人のメンバーで、IT最前線で活躍されているチームです。海外にいるメンバーとオンライン会議を行うという、超今風の料理屋の使い方。

私は、彼が学生時代から面識があり、出世した彼を日本らしくおもてなししたい。そして日本料理屋として気持ちが伝わる事は何だろうかと悩みました。

思いついたのは、とてもオーソドックスなおもてなしですが、椅子の席で茶をお出しする立礼(りゅうれい)の形。

茶道の先生を招いて海外とのオンラインミーティングの間に、和文化を体験してもらうこととしました。

会議の最中3時からの30分をこの時間として当ててもらったところ、日本に来て10年の方は、「緊張はしたが、素敵な体験をしました」と和やかに仰っていました。

その言葉を聞いた瞬間、思いが伝わった!!と小躍りしました。

まさに料理屋の醍醐味を味わった瞬間でした。

呈茶は禅・庭・建物・書・花・料理・菓子・勿論抹茶そのもの等、「和文化体験」には最適なものです。

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鎌倉には多くの茶道愛好家がおられ、茶の湯を支える菓子司が有りますが、この日は、北鎌倉「こまき」さんのあじさいを使わせてもらいました。ご主人は、岩手ご出身で、私の亡母と同郷で、長いお付き合いを頂いています。

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改めて形に見えるおもてなしと、形に見えないおもてなし前後のイマジネーションが大切と言うことを、今回のミニ呈茶で感じさせて頂きました。

今回、急なお願いにもかかわらず、快くお引き受け頂きました島田先生とコーディネイトしてくださった松崎さんに、心よりお礼申し上げます。

そして、世界を視野に入れて活躍される若きリーダーの更なるご活躍を北鎌倉からお祈りいたします。



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